第百七十九話『心の病も拡がっていくのにゃん』
第百七十九話『心の病も拡がっていくのにゃん』
《自分の美しさに気がついたもんの宿命かもにゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「イオラにゃん……はっ!
大変にゃん!
イオラにゃんの、
『天空の村』の守護神さまの、
ミーにゃんの創造主さまの、
もひとつおまけに、
ウチに、
ご自分の命を分け与えてくれた、
恩ある大精霊さまの」
『かけがえのにゃい意識』
「が……遠のいていくのにゃん!」
『イオラにゃああぁぁん!』
ぱたぱた。くるりん。
ぱたぱた。くるりん。
ぱたぱた。
「——しなくてもいい苦労と
やるだけ無意味な苦心の末、
やぁっとこさ、
たどり着いたと思ったらぁ——
(アタシの親友の)アホが、
(アタシの創造主の)アホに、
泣きすがっているのわぁん」
《あきれた視線もにゃんのその、で、嘆くことしきり、にゃん》
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
「あぁあ。
なぁにやってんだか。
——ヘタなお芝居?
ううん。
ここまでいくと……そっかぁ。
実は以前から、
うすうす、
気がついてはいたんだけどぉ。
イオラって、
『心の病』
に侵されてるんじゃないかなぁ。
何万年も生きてんだから、
ありえないことじゃあ、
決してない。
しかも、たちの悪いことに、
『自分はとにかく美しい』
って思い込む、という、
およそ病というモノとは、
縁もゆかりもない、
ほど遠い感じのする病に。
だから誰も気がつかない。
でも事態は着々と進行していた。
イオラの森に、ううん、
天空の村全体に渡って、
静かな拡がりを見せていた。
イオラを発生源として。
なもんで、
ミアンも知らず知らずのうちに、
感染してしまっていた。
……んな風に考えてみると、
ミアンとイオラの、
『美しいのは罪』コンビに、
『ついていけそうもないなぁ』
と感じていたアタシの直感も、
まんざら、じゃなかったのかも。
……なぁんてね。
でたらめな空想にふけるのは、
これくらいにして……うわん。
ミアンったら、まだ、
『嘆きのシーン』
を展開しているのわぁん——
あぁあ。
ここまでやられると、
近寄るのだって、
おっくうになってきたのわぁん」
《ドライにゃん、とウチですら身を引いて、つづくのにゃん》




