第百六十九話『明日は明日にゃん』
第百六十九話『明日は明日にゃん』
《今日でも昨日でもにゃいのにゃん》
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「エラいわぁ。
ひっく。
どうしてそんな風に、
断言できちゃうのかしら。
ひっく。
ワタシなんか、ひっく、昨日、
へべれけに酔っ払っちゃって。
ひっく。
ホントにあれが昨日だったのか、
ひっく。
それともまだ今日なのか、
ひっく。
それとも知らぬ間に、
朝のさわやかさんが、
ひょっこりのこり、と、
お顔を出して、
『はい、おはようさん』
ってな具合に、
明日を(今日として)、
迎えていたのか、
ひっく。
んもう、なにがなんだか、とんと。
ひっく」
「はあぁ。
——とウチのようにゃ美少女ネコに、
ため息にゃんかつかせては、
いけにゃいのにゃよぉ——
冒頭に登場させたのが、
そもそもの失敗にゃん」
《んにゃら気にしにゃいで、お話を始めるのにゃん》
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『クサいものにはフタをする』
「ウチは断じてイヤにゃん」
「もしもし。
首を長ぁくした、と思ったら、
自分のお尻なぁんか、
じろじろ見て。
一体全体なにを、
思い巡らしたというのわん?」
《ご想像に任せるのにゃん》
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『千倍返しだ!』
「よっしゃあっ!
気前がいいね。あんたも」
「んにゃこんにゃで、
みんにゃがみんにゃ、
あり得にゃい大金を、
せっせ、せっせ、と、
払い続けたがために、
お魚屋さんは見ん事」
『超のつく大金持ち』
「とにゃりました、
とさ」
『んなアホなぁ!』
「にゃあんといわれようが、
めでたし、めでたしにゃん」
《まっこと、ファンタジーは小説よりも奇にゃり、にゃん》
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『頭にきた!
もう金輪際、お前とは絶交だ!』
すたすたすた。すたすたすた。
のっしのっし。のっしのっし。
「にゃあ、あんた」
「ネコ?
おれに、
なにか用でもあるのかい?」
「あるから呼びとめたのにゃん」
「そりゃそうだ。
んで? なんだ?」
「あんにゃこと、
いってよかったのにゃん?
小っちゃい頃からの、
お友にゃちにゃんにゃろ?」
「聴いてたのか?」
「んにゃ」
「そっかぁ。
でもな。おれにも」
『意地』
「ってもんがあるんだ」
「んにゃらホントのホントに、
これから、ずぅっ、と、
会わにゃいつもりにゃん?」
「……ふっ」
「どうしたのにゃん?」
「なぁに。
誰かがいった文句を、
ふと想い出したのさ」
『明日は明日の風が吹く』
「今日が明日へと、
続くからといって、
今日をそのまんま、
引き継がなきゃならないって、
もんでもないだろ?」
《んにゃ。明日があるのにゃん》




