第百二十話『愛しき「天空の村」のためにゃん』
第百二十話『愛しき「天空の村」のためにゃん』
《張り切るのもほどほどに、にゃん》
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『あっ!
こっちの洞穴は、
壊れかかっているし、
あっちの樹木は、
今にも倒れそう、って、
な、なんと!
眼下も眼下、真下の真下じゃあ、
超巨大な崖崩れが、
起きかかっているじゃない。
ああんもう!
こうしちゃいられないのわん。
「イオラの森」に棲む命を守るため、
……違う。
んれだけじゃないのわん。
もっともぉっと、
志は大っきくて、
ううん、
なんていうかぁ……そうそう。
生きとし生ける、
みぃんなの命を守るために、
「天空の村」と名づけられた、
この孤島全体の平和を守るために、
目に涙をためつつも、
心を鬼にして、
大災害となる前に、
徹底的の徹底的に、
壊しまくるしかないのわぁん!』
「とかで、
『破壊神』
にゃんかに明け暮れちゃうしにゃ」
『ちっくしょう!
「木の葉」のやつが、
アタシのお顔に、
ぶつかってきやがったのわぁん!
……なぁんて、
不満をぶちまけながら、
はがしてみたら、んががっ!
「イタタのタ!」
と気がついてみたら、
なんたること。
今度は、
「木の幹」までもが正面衝突。
体当たりを、
食らわしてきやがったわぁん!
——そっか。
こいつら、きっと、
アタシに、
恨みがあるのに違いないのわん。
んなら、
「売られたケンカ。
買わずばなるまい」
の崇高なる本能の元、
「こうなりゃあ勝負なのわん!」
とばかりに——
やいやいやいっ!
文句があるんなら、いつでも、
かかってくるがいいのわぁん!』
「とかで、
たんかを切って、
リベンジを果たそうとするしにゃ」
『なに?
あの湖のほとりの並んでいる大岩。
「ぼけぇっ、とした、
目立つ気もない灰色」
なぁんていう、
どれもこれも、
似たり寄ったりの顔つき。
同じ岩にしか見えないのわぁん。
これじゃあ、
あんまりにもお粗末すぎて、
お姫さまなアタシの棲み家がある、
ここ「湖の広場」には、
とうてい不釣り合いな……そうだ!
んだったら、
大岩のところどころに、
今にも砕けんばかりの、
「裂け目」を、
入れてみたら、どうなのわん?
アタシの、
「華麗なる芸術的センス」
をもってすれば、
「あたしはあたし」
「おれはおれ」
と、
それぞれ個性を持った、
命を吹き込んじゃうのだって、
らっくらくのらっくらく、
なぁのわぁん!』
「とか芸術気取りに、
燃え上がっていった、
とどのつまりがにゃ」
『時とともに、
イオラの森も、
天空の村も変わっていく?
冗談じゃないのわん!
アタシが、
このミーナさまが先導して、
変えていくのわぁん!
んでもって必ずや、
アタシ色に、
染め上げてみせちゃうのわぁん!』
「にゃあんて、
張り切っちゃうせいでにゃ。
ほとんど毎日、おわび、にゃもんにゃあ」
《相手の怒りを避けるため、ウチの後ろに隠れているのにゃん》




