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学祭の初日

学園祭、それは皆が出し物を決め合い披露する場、

あるものはステージで歌い、あるものはクイズを出す。

そしてあるものはお店を…

今日は学園祭初日、真琴たちの高校では色々な出し物が行われている。

ダンボールなどで作ったお化け屋敷やテントで行われているバザー、

体育館ではカラオケ大会や学生によるステージも行われていた。

勿論これには佐藤江利奈がエクストラとして出演予定だ。

そんな中霊学部は…

「あと10分で開店か…それにしてもこの衣装はなんだ?これじゃまるで…」

真琴は黒い真琴の服とよく似ているコートを着ていた。だが色が白だ。

「あら、結構似合ってますよ?華原さん。」

ドレス姿の衣装に身を包んだ未理恵が少しお世辞を入れながらそう言うと真琴が言う。

「なんでこんな衣装させんだよ…あれか?イヤミか?」

すると綺麗な執事姿に身を包んだ俊が答える。

「いえ、この衣装をしてもらった理由は黒華原様の情報を集めるためでございます。半分は、ですが。ぷっくくくく」

未理恵が言う。

「私の記憶と俊の記憶を下に再現した衣装ですのでやはり本物の黒華原さんとは細部が違うかもしれませんが大丈夫でしょう。」

真琴はめんどくさそうに言う。

「で?俺は注文とっていったらいいんだよな…」

すると俊と同じ衣装に身を包んだ涼が言う。

「確か俺とマテリアルと俊は注文とる、そして香崎と杏芽條のお嬢さんが頼まれたのを調理して持っていく、佐藤はヱリだとバレない衣装でステージ時間が来るまで調理って形か?」

赤いドレス姿の衣装に身を包んだ優美が言う。

「なんだか私たちは忙しいね…もしお客が多くなったら霧崎くんが調理を手伝ってくれるんだよね?」

俊が答える。

「はい、万が一にもそんなことはないと思いますが念のためでそうさせていただきます。」

真琴は部室内を見て言う。

「しっかしよくもまぁこんなに豪華そうな飾り付ができたもんだな。予算って確か10Kだったよな?」

未理恵が答える。

「はい、1万円以内の3000円で飾り付けは行いました。以外に俊の腕が役に立ちました。」

すると俊が時計を見て言う。

「それではそろそろ時間でございます。さぁ!みなさん持ち場について!開店でございますよ!」

そして涼と俊が入口の扉を開き精霊喫茶がオープンした。


アルカは珍しく霧子と校内を歩いていた。

「あ、あの、アルカさん?本日はどのような任務でしたか?」

霧子が少し焦って言うとアルカが冷静に答える。

「私の護衛ですよ、いや、彼女役といった感じですかね。一応霊学部には君の顔は割れてそうだったからメイクとピンク色の髪のうさみみを付けたのだが何か問題でもあったか?」

霧子の衣装は何かのコスプレのような服で髪型はピンクのうさみみでいかにも学園祭にいそうな格好だった。

「問題は、な、ないんですが…ちょっと目立ちすぎでは…」

するとアルカは言う。

「よく周りを見ろ、派手な格好は学園祭の定番じゃないか。」

周りには仮装したりコスプレしたりしている生徒も少なくはなかった。

「なら、いいんですが…」

霧子がそう安著するとアルカが言う。

「まぁ、本当は最近こき使いっぱなしだったからこんな形でも羽休めしてくれたらいいと思ってたんだ。他の所員も含めてな」

すると霧子が尋ねる。

「それでは所員の皆さんも今ここにいるんですか?」

アルカが答える。

「一応黒い華原真琴が現れるかもしれないということで潜入させているが各自自由に警戒するようにと言ってあるし怪しいこともするなと警告しておいた。恐らく羽を休めろなんて言う前に勝手にくつろいだり楽しんでいるだろう。」

すると霧子が質問する。

「そういえばアルカさんって学生の頃の学園祭では何をされていたんですか?」

アルカが少し考えながら答える。

「あの時は確か…高校の時は論文を書くのに必死だったからな…クラスの出し物に少し手を貸したぐらいしか覚えていないな…当時の私も変わり者扱いされていたしな…」

すると霧子が校内玄関の金魚すくいに興味を示す。

「あ、あの…アルカさん…えと…そこの」

アルカは言う。

「あぁ、金魚すくいか、確かに最近やったことがなかったな…よし、少し勝負しないか?」

霧子が答える。

「え?いいんですか?…本気で行きますよ?」

そういうと二人は金魚すくいの出し物の方へ向かった。


蒼井家の清子と清武も来ていた。相変わらずの私服だった。

「兄さん、大丈夫かな?」

清子が心配そうな顔をして清武を見上げる。

「多分、大丈夫だろう。話しかけられなければいいんだ…そう…他人に話しかけられなければ…」

そう、この二人はコミュニケーションが苦手、初対面の相手には挨拶さえもできないのである。

「それに流石に私服を着ている人に道を尋ねたりする人はいないだろう…」

清武がそう言うと後ろから声がする。

「あのー」

清子と清武は驚いてゆっくりと振り返る…

「よかったらうちのクラスのクイズルートに参加してくれない?あ、このポケットティッシュ持ってきてくれれば景品がプラスされるから是非来てみてね」

そう声をかけてきてポケットティッシュを渡してきたのは真琴と同じクラスの蔵川茉絵(くらかわまえ)だった。

「あの…えと…」

清武はキョドっているが一応ポケットティッシュを受け取る。清子も同じように受け取る…すると茉絵は言う。

「それじゃ、来てよ。」

そのまま茉絵は去った。

「…兄さん?」

清子がそう清武に問いかける。清武も尋ねる。

「…なんだい?我が妹よ」

清子は清武の目を見て真顔で言う。

「私服なら話しかけられないんじゃなかったっけ?私服こそ至福って言ってたの兄さんだよ?」

清武は少し震え声で言う。

「…悪かった妹よ、うん…これはただのイレギュラーだ…もう話しかけられることはないはずだ…」

すると目の前から呼び止められる。

「あ、君たちカップル?なら俺らのキューピッドルーレットやらないか?」

すると清子と清武は顔を見合わせて言う。

『だが断る!!』


真琴の母と永子も学園祭に来ていた。目指すは一番上の階にある精霊喫茶。

「それにしてもここの階段はいつもきついわぁ…私ももう歳だからね…永子ちゃんは元気そうで羨ましいね」

疲れた様子の真琴の母がそう言うと永子が言う。

「真琴たち…美味しいもの…食べたい!…でもお母さん…心配…」

すると真琴の母は言う。

「クス、母さんは大丈夫よ、ちょっとそこの椅子に座って休んでるから先に言って美味しいもの食べてらっしゃい」

永子はそれを聞くと少し考えてから言う。

「いや…私も…休む…」

そう言いながら永子は真琴の母のとなりの椅子に座る。

「先に行ってても大丈夫なのよ?母さんあと5分ぐらいは休むし」

真琴の母が永子にそう言うと永子は答える。

「みんなで…食べなきゃ…美味しくない…昨日テレビで言ってた…」

すると真琴の母はクスッと笑って言う。

「クスッ、そうね、やっぱりみんなで食べたほうがお話もできるし楽しく食べれるもんね。ありがとね、永子ちゃん。」

すると永子が尋ねる。

「真琴…前はどんな性格…だったの?」

すると真琴の母が答える。

「そうね、あの子は小学校の頃ゲームとかで失敗がどうのこうので喧嘩があったみたいなの、それまでは賢かったし人付き合いも良かったんだけどね…でもそれからどんどん関わってくれる人が減っていって中学の頃はずっとネットゲームやネットにのめり込んでいってたわ…永子ちゃんや優美さんが来なかったらまだあんなことばっかを延々とやっててそうだったわ…そういう意味でもありがとね、永子ちゃん。」

永子は少し顔を赤らめて言う。

「うん…出来れば…真琴にはもっと前をむいてほしい…と思う…」

すると真琴の母は立ち上がり言う。

「さて、そろそろ行こっか。充分休んだし」

真琴の母と永子はそのまま霊学部の部室、精霊喫茶へ向かった。


「はぁ…いらっしゃいませー…」

やる気のなさそうに真琴は黒い真琴と同じような白色のコートを着て接客していた。

「お前…相変わらずやる気ゼロだな…」

そう言いながら清武が入ってくる。真琴は言う。

「俺だって脅しさえなければこんなとこでこんなことやってねえよ…はぁ、めんどくせえ…」

すると清子が入ってくる…

「え…嘘…嫌ああああ!!!」

清子の悲鳴が部屋に広がる。そう、真琴の衣装は黒い真琴とソックリだからだ。

「どうされました?大丈夫ですか?」

そう言いながらいつものドレス姿の未理恵が近寄る。

「なんでこいつがいるの!!コイツは!!」

清子がそう叫ぶと未理恵がなだめる。

「蒼井さんすみません、落ち着いてください。こちらはただの華原さんですよ」

すると真琴がめんどくさそうに頭をかきながら言う。

「ったく…だからなんでこの服なんだよ…今のところ情報は愚か叫ばれたじゃねえか…」

清子はそれを見ると未理恵に尋ねる。

「…えと?ただの…華原さんなんですか?」

すると俊が近づいてきて言う。

「いらっしゃいませお嬢様。こちらの方は華原様でございます。あくまでた・だ・の華原様です。衣装については黒華原様の情報を集めるためにこの衣装にさせていただきました。」

俊がそうなだめると清子は安心してため息をつくが他の客は清子の方を向いていた。

「おやおや、こんなところに誰かさんの仕掛けたびっくりトラップが…いやはや面白いことをする方もおられるようですね。ぷっくくく」

俊がそう誤魔化すと他の客は少し笑いながら清子への視線を逸した。

「あの、ありがとうございます。妹はまだ黒いコイツに恐怖を覚えていて怯えてるんです。」

清武がそう未理恵に言うと未理恵は言う。

「いえいえ、私の方こそトラウマを思い出させるようなことをして申し訳ありませんでした。それと華原さん?少し精算の方へ回ってください。決められた言葉を言うくらいは出来るでしょう?」

真琴が答える。

「あ、あぁ、分かったよ…じゃあまたな清武、」

真琴は会計の方へ向かった。

「成る程、今の黒色が有名な黒い華原真琴ってわけか…」

清武がそう言うと未理恵が尋ねる。

「あら、ご存知でしたか?」

清武は答える。

「いや、妹から少し話を聞いただけだから実物を見たことはないんだよ…だからあんな感じの目が青色なんだろうなーって想像してな…」

すると清子が言う。

「うん、一瞬だけどほんとにびっくりしたわ…でもめんどくさそうな態度が何時も通りの華原さんでよかった…」

未理恵は言う。

「万が一にも私達は彼を味方にする気はありませんしあちらも恐らくそうでしょう。とりあえずこんなくらい話は置いておいてせっかく来て頂いたんですから何か食べていってください。」

すると清武は言う。

「もちろんそのつもりで来たんだ。とりあえず席に着こうか妹。」

清武たちは席に着くと未理恵からメニューを渡される。

「お決まりでしたらそこのベルを鳴らしてくださいね。それでは」

清武たちはメニューを考え始めた。


真琴の母と永子もようやく霊学部部室、精霊喫茶前にたどり着いた。

「さて、行くわね。」

真琴の母が扉を開くと俊が出迎える。

「いらっしゃいませ、ご婦人と…これはこれは永子様、ようこそ、すぐにお嬢様が…」

「永子ちゃん!?来てくれてありがとうございます」

俊が言いかけると既に未理恵が来ており永子を抱きかかえていた。

「お嬢様、今回はお客様ですよ…」

俊がそう言うと未理恵が不満そうな顔をして言う。

「でも栄子ちゃんですよ?話したくありません。」

俊が言う。

「では本日の夕飯についてはなしといった方向でお父様にお告げしておきますね。」

すると未理恵が不満そうに永子を下ろして言う。

「はい…でも何故お父様は使用人に食生活の指導をさせてるのかしら…」

真琴の母はそのやり取りを見てクスッと笑うと言う。

「クス。とてもユニークなお店ですね。じゃあ母さん達はどこに座ったらいいかな?」

俊が言う。

「私がご案内いたします。こちらです。」

そのまま俊は真琴の母と永子を席に案内した。


真琴はほぼ棒読みで会計をしていた。

「えーと、こちらのデザートはおまけですのでお会計は1290円になります。ありがとうございました。」

少し一段落すると涼が来る。

「おいお前ちゃんと仕事してるか?」

真琴は言う。

「一応な、めんどくさいったらありゃしない…」

涼は言う。

「ちゃんとしたほうがいいぞ。これよく働いた方が金多くもらえるし。上手くいけばバイト代一ヶ月分くらいの金が取れるかもしれないんだぞ。」

真琴はだるそうに言う。

「それだって客が多くなけりゃダメだろ…下手すりゃ5Kもらえるかもらえないかだろ?」

すると涼は真琴の肩に手を置き言う。

「何事もやらなければ起きない。ガチャだって同じじゃないか?引けば当たる引かなければ当たらない。」

真琴は呆れ顔で答える。

「はいはい、そうですね、そろそろお前仕事に戻ったらどうだ?注文受けるのをしくられたら会計が責任負うんだからな…あぁ、面倒くせえな…」

涼はそれを聞くと言う。

「だな、俺はもどるよ。それはそうとお前の母さん来てたぞ?お前の衣装見せてやったらどうだ?」

真琴は言う。

「会計してるのに行けるか!」

すると手の空いた優美が来る。

「華原くん、会計変わる?私ちょっと空いたから」

真琴は言う。

「え?お前空いたのか?でも結構調理班人員不足してないか?もう数時間したらヱリもいなくなるのに」

優美は答える。

「いやいいよ、それより華原くんのお母さんの注文とってきて」

真琴はそれを聞くと理解して真琴の母の方へ向かいながら言った。

「違算出すなよ、後々面倒だからな」

優美は言う。

「華原くんよりはしっかりやるよ!」


「あ…黒い真琴?…いや白?…?」

永子が少し戸惑う。すると真琴は言う。

「俺はただの真琴だよ…なんか情報集めとやらでこんな服装させられてるだけだ…それはそうと母さんは注文決まった?」

真琴の母は言う。

「そうねーこのソフトブラックチョコパフェとコーヒーをお願いね、あと真琴?客商売するならもう少し敬語を使ったほうがいいわ。」

真琴は答える。

「んーなこと分かってるって…ソフトブラックチョコパフェとコーヒーだな、永子は?」

永子は答える。

「ストロベリーミルクパフェと…苺クッキーと…アップルジュース」

真琴は答える。

「分かった、それじゃ注文はとったから調理班に伝えてくるわ…それではごゆっくりお楽しみください…」

真琴はそう言うとその場を去った。


「兄さん、私ちょっとトイレ行きたい…」

清子が清武にそう訴え掛ける。すると注文を受けていた涼が言う。

「トイレならこの真下の階に階段近くのお手洗いがあったはずだ。」

清武が質問する。

「一人で大丈夫か?」

清子は答える。

「うん、全然大丈夫だから、じゃ、先に食べてて」

清子はそういうとちょっと小走りで下の階のトイレに向かった。


「えと、ここか!」

清子はそのまま女子トイレの個室で用を足すと手を洗い戻ろうとする。すると奇妙な違和感の扉が目に留まる。

「あれ、この扉…老朽化してるけど…誰かいる?」

恐る恐る清子はその扉に手をかけて中に入る。

「あの…誰か…?」

すると声がする。

「おいお前!そこに入るな!ぐぁ!?」

清子が足を踏み入れると足場が抜け、老朽化した床が抜ける。清子とその男は下の階に落ちた。

「いててて…なんてことしやがる…」

落ちた先の部屋は薄暗く何も見えにくい…だが清子はその声に聞き覚えがあった。

「あ…華原さん?…あんなところで何をしてたんですか…?」

真琴?は言う。

「俺は少し調べてただけだ、だがとんだ邪魔が入ったがな…」

すると清子が言う。

「とりあえずココはなんなんですか?」

真琴?は答える。

「霊力の力場だ、ただちょっと気になることがあったから調べてたんだが…ここから上に上がるのは無理そうだな…だからと言ってドアもない…それに時空も歪まないか…」

すると清子が何かを見つける。

「あ、あの、華原さん?これって…」

未理恵「皆様、大変お待たせしました、これで今回の話は終わりです」

真琴「本当に忙しかったから仕方ないんだろうけどな」

江利奈「そういえば忙しいのに退屈っていう人いるけどあれってどうゆう意味なの?」

優美「やってることが楽しくない…じゃないかな?私もよくわからないですよ。」

涼「まぁとりあえず何もしたくないんじゃね?」

真琴「それだと退屈って言わないだろ…」

俊「それではきりのいいところで時間ですよ。来週も遅れるかもしれませんがご理解を…」

真琴「今回みたいな遅れはもうないようにしてもらいたいな」

未理恵「では次回は」

江利奈「突如落ちてしまった蒼井清子と華原真琴?」

優美「彼らは無事に出られるのか!」

永子「来週(仮)に続く…」

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