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黒衣の素顔

黒衣の男は何を考えているのか…

そもそもその素顔は?

永子との関係はなんなのか…

今その一端が夜とともに明らかになる…

「さてー風呂だ風呂だー…えっと、確か青が男湯…だよな?」

真琴が青と赤の扉の前でそう言いながら青い扉に手をかける。すると俊が言う。

「華原様、普通の温泉ならそうですが偽装されないためにも杏芽條家では色ではなく模様で…」

すると真琴は質問する。

「え?まさか赤いほうが男湯なのか!?」

俊は答える。

「その通りでございます。模様をよくご覧下さい…」

真琴は赤い扉と青い扉の模様を見比べる。

「…マジか…ほんとに赤い扉に男湯って書いてある…てかこれ偽装する奴なんているのか?」

俊は答える。

「以前江利奈様がいらっしゃった時に偽装をされましてそれ以来、このようにしてあります。」

すると真琴は質問する。

「まさかとは思うがお前…杏芽條のお嬢さんの…見たのか?」

すると俊は答える。

「いえいえ、見られたのはむしろ私でございます。あの時は私のうっかりもありましたし…ですがあまり思い出したくはない事件ですので追求はお控えいただけますか?」

すると真琴は言う。

「ま、まぁ誰でも追求されたくないことはあるしな…さて、入るか。」

真琴は赤い扉を開ける。

「…ふーんふん♪…ちょ!?何よアンタたち!?」

扉の先には風呂に入るために服を脱いでいる途中の下着だけの江利奈がいた。

「…あのな、それは俺らの質問なんだが…」

真琴が呆れた顔をして右手で頭を掻きながらそう言う。どうやら江利奈はどうゆうことかわかっていないらしい。

「っぷくくく…江利奈様、以前江利奈様がここで行なった男湯と女湯の扉を入れ替えた件、あれからここでは赤い扉に男湯の文字を、そして青い扉に女湯の文字を彫ってあります。尚、お嬢様は勿論、ほとんどの使用人が知っているはずですが江利奈様はどうやら知らなかったご様子ですね。」

江利奈は直ぐに服を着て赤面して焦った口調で言う。

「そんなの聞いてないわよ!この変態!!まずノックぐらいしなさいよ!!…訴えてやる!!」

すると俊がその言葉を切る。

「訴えてもらっても結構ですが私を訴えるということは杏芽條家を訴えるということ…そして火種は江利奈様です…とても勝てるとは思えませんが…」

同時に真琴も小声で呟く。

「まず男湯にノックしてから確認なんてしないと思うが…そもそも男湯に女がいるなんて普通は…」

すると服を着てタオル等の入ったバスケットを抱えた江利奈が怒りを隠しきれない顔で言う。

「そこのヲタク!?何か言った?」

すると真琴は答える。

「いえ、特になにもありません。」

江利奈は赤い扉の男湯を急いで出る。すると未理恵たちが青い扉の女湯の扉を開けて入っていっていた。

「あら?江利奈?先に入るんじゃなかったんですか?そもそも何故男湯から?」

すると江利奈は大声で未理恵に言い放つ。

「この馬鹿未理恵!!」


アルカは一人で静かに歩いて風呂場へ向かっていた。

「そういえば、着替え持ってないんだが…やはり風呂は遠慮すべきだったか…」

するとアルカは今日の出来事を考えていた。

「…A-15…あれさえ回収すればとばかり考えてはいたが…あの男が気になる…邪魔された以上、恐らく次も邪魔される可能性は極めて高いだろう…あの男…出てくるときはいつも突然の癖にこちらが探したらまるで見つからない…所員番号24の情報だとあの男は空間をねじ曲げることが出来ると言う…ということはあいつは空間の中に潜んでいるということか?…だとしたら監視されていると考えたほうが自然だ…だがどうやって?」

アルカはそんな風に考え込んでいると風呂場まで着いていた。

「赤い扉と青い扉か…随分と風変わりだな…」

アルカは青い扉に手をかけようとするが途中でやめる。

(まてよ…これは杏芽條の罠かもしれない…監視カメラは…ん?女…湯?)

するとアルカは赤い扉を確認する。

「男湯…危なかった。もうすぐ教師という顔が潰れるところだった…さて、監視カメラも罠もないようだし入るか」

アルカは赤い扉を開けて中へ入った。


未理恵達は湯船に浸かりながら話をしていた。

「え?じゃあ江利奈さん…もしかして男湯入っちゃったんですか?」

優美は少し笑いながらそう言うと江利奈が溜め息をついて言う。

「あんまり大声で言わないでよ…まさか今度は私が罠にかかるとは思ってなかったわ…未理恵も未理恵よ!教えてくれたらよかったのに!」

それを聞くと未理恵はクスッと笑って言う。

「クス…ごめんなさい江利奈、実はあなたが最初疲れたから先に風呂行ってくるって行って部屋を出て行って30秒くらいして気づいたんです。皆さんにはここに来る途中でお話していたんですが…クス」

すると真琴の母が言う。

「まぁ話を聞く限りは江利奈ちゃんが悪いところもあると思うわ、流石に扉を入れ替えるのはやりすぎだと思う。」

すると永子が江利奈に言う。

「疑問…江利奈、扉入れ替えたのいつ?…俊…入ってる時?」

すると優美が言う。

「確かに、いつ変えたんですか?俊さんは結構敏感そうですし音がすればすぐにわかると思うんですが…」

すると江利奈が説明する。

「えっとね、あの扉の時は色だけだったから偽装は案外簡単だったの。確か扉と同じ色形をしたでかい用紙を用意したの、もちろん青色と赤色の2個ね。あとは未理恵にトイレと嘘をついて扉にそれを貼り付けて俊が入ったのを確認して剥がせば完成。その後その使ったあとの用紙をトイレに隠して部屋まで戻って着替えとかタオルの入ったバスケットをを持って未理恵と一緒に風呂場まで行けば俊がちょうど服を脱いでたの。まぁ、なんか電話してたみたいだからうまく禁断部分だけは見せてなかったけど…」

未理恵は溜め息をついて言う。

「私は何よりよくこんなことが思いついて実行出来るのかが分かりません…」

優美は夜景を眺めていう。

「でもまぁ、色々あったけど今日は楽しかったかな?最後はなんだかんだでスリルあったし…そういえば部長さん?あの変な服装の永子ちゃんを狙ってた人たちの素性ってわかったんですか?」

すると未理恵は答える。

「正直なところ、確証はありませんが何かしらの研究者たちであるとは推測できます。ただ、服装ですがおそらく偽装した服装だと思われます…その他の証拠は全くありませんし…」

すると優美は言う。

「あ、そうだ、銃弾から割り出しはできないんですか?一応一個拾っといたんですけど」

すると未理恵は残念そうな顔をして言う。

「残念ですが銃弾からの割り出しは難しいですしもし割り出せたとてそれが完全な証拠にはなりません。他の組織も同じ銃弾を使ってたら一緒ですから。」

江利奈は背伸びしながら呟く。

「結局、なーんにも分からないってことでしょ?それなら次取り押さえればいいだけじゃない?」

未理恵はそれを聞くと力が抜けたような顔をして言う。

「あなたはいつも緊張感に欠けてますね…まぁそれが一番手っ取り早い方法ですが…」

すると永子が言う。

「そろそろ…熱い…」

真琴の母はそれを聞くと永子に言う。

「永子ちゃん?そろそろ上がる?」

永子は答える。

「…うん」

すると先程まで話をしていた未理恵が言う。

「さて、お腹も好きましたしそろそろ上がりましょう。」

未理恵達は風呂を上がった。


お風呂を終えた一同は8人は座れる長いテーブルの周りに座っていた。テーブルの上には多くの料理が置かれている。全て作りたてのようで美味しそうだ。席順は未理恵の両端に江利奈と俊、そして俊の横に真琴、真琴の横にアルカ、そして江利奈の横に優美、優美の横に真琴の母とその横に永子が座っていた。

すると未理恵が言う。

「さて、今日はお疲れ様でした。赤田先生も助けようとしてくださりありがとうございます。そしてお疲れ様です。では食事にしましょう。ご自由にお食べください。」

未理恵がそう言うと皆話をしながら食べ始める。

アルカは真琴の母と話をしており真琴はそれを見て不安な顔をしていた。

すると優美が言う。

「華原くん?授業中の態度が悪いからそうなるんだよ?」

真琴は否定はしなかった。だが不機嫌そうな顔をしながら携帯の電源を付ける。

「!?」

真琴は電源を入れた携帯の画面を見て席を立つ。

「どうしたのですか?華原さん?」

未理恵が疑問にそう言う。真琴は答える。

「ちょっとトイレ行ってくる。飯はまあ、すぐ戻る。」

すると真琴は外へ出ていく。


黒いロングコートを着た男は別荘の裏にいた。

『さて、話はしたようだな、そろそろいい頃合いだ…』

黒いロングコートの男の手には黒い携帯があった。黒いロングコートの男は携帯をコートのポケットにしまう。すると別荘の玄関から誰か走ってくる音がする。

『来たか、華原真琴…』

真琴の顔は怒りにも似た冷静な表情だった。その手に持った電源を入れたばかりの携帯の表示画面にはDAINEの表示が出ており差出人不明のメッセージが表示されていた。メッセージにはこう書かれていた。

【そんなにも俺の正体が知りたきゃこのメッセージを見たあとすぐに別荘裏へ来い。安全は保証する。】

真琴は尋ねる。

「何の真似だ…今日はなぜ俺たちを助けた?そしてお前は永子とは兄弟か何かか?」

黒いロングコートの男は答える。

『そんなにも俺の正体が知りたいか?そんなにも気になるか?なぁ?』

真琴は冷静に言う。

「知りたいに決まっている。お前は香崎や杏芽條のお嬢さん、俊や佐藤江利奈の前には姿を現してないだろ?今日以外。何故俺に固執する?」

黒いコートの男は不敵に笑いながら言いながら真琴の方に振り返る 。

『ハハハッハハハハ!!それはなぁ?俺は…』

真琴は黒いロングコートの男の顔を見ると今までの冷静が嘘のような表情をした。

「え…なんで…なんでお前が…」

黒いロングコートの男の顔は永子と同じ青い目、そして髪は漆黒のような黒…そして顔は…

なんと真琴と瓜二つの顔だった。

『俺はお前なんだよぉ?ネットに逃げ込み毎日毎日ゲームしか知らねえお前だ!ハハハッ!!』

黒いロングコートの男の声は真琴の声になっていた…いや、声の偽装をやめたというべきだ。

「お…お前が俺?…そんな馬鹿な!?お、お前は…何なんだ…そ、そうだ!名前を教えろ!」

真琴がそう尋ねると黒いコートの男は言う。

『名前だぁ?そんなもの俺がイレギュラーなんだからお前らがつけるべきだろぉ?まぁいい…前に呼ばれてたのは…確か黒い真琴だったっけな?全体的に黒いイメージがあったとか言ってたが…』

真琴はもう一度質問をする。

「お前の名前だ!名前ぐらいはあるだろ!!」

黒いロングコートの男は不敵に笑いながら言う。

『…ククク、ハッハハハハ!笑わせてくれるな!俺はお前だぞぉ?なら名前も一緒だろぉ?考えりゃあ分かるよな普通?』

その時、黒い真琴の真下の地面から俊が出てくる。

「おやおや?先程は助けてくださったのに今は敵ですか…全く…ご勝手な方で」

俊はそう言いながら黒い真琴を殴る。

勿論当たらない黒い真琴は俊の後ろに移動していた。

『甘いんだよ…クソガキが!』

黒い真琴は俊を殴る…が俊はいない。

『何!?』

次の瞬間黒い真琴の体が正面に飛んでいく。俊が蹴ったのだ。

「甘いのはあなた様ですよ…黒き華原様…案外、決めゼリフを言わず、静かに攻撃を行うと命中率が上がるのですよ。っぷくくく…」

すると真琴の後ろから声がする。

『そうだなぁ?前より断然強くなってるじゃねぇかぁ?…ック…』

黒い真琴は瞬時に真琴の後ろに移動はしたものの俊の与えたダメージは聞いていたようだ。

すると別荘から未理恵達も駆けつける。

「華原さん?大丈夫ですか?」

未理恵が声をかける。真琴は答える。

「お…俺は何もされてない…それよりあいつだ!あいつ!」

真琴は黒い真琴の方を指差す。

『おやおや?我がお母様や輪廻永子まで?グフ…そうだな…貴様ら全員と会うのはもうずっと先になるな…さぁて?』

黒い真琴がそう言うと未理恵が質問する。

「霊学部部長として、あなたに尋ねます。あなたは誰ですか?もしかして永子様のお兄様ですか?」

黒い真琴は答える。

『どいつもこいつも…まぁいいちょっと違うがそんな感じかもなぁ?さて、俺も今回はそこのクソガキにダメージを食らわせられたしとっととトンズラさせてもらうよ。これ以上は知られたくないからな…』

そう言うと黒い真琴は夜の闇に溶けるように消える。

『あ、あとそこの教師!お前はとっとと死ねよ?邪魔だから。ククク…じゃあな諸君。せいぜい惨劇のその時までお元気で』

俊は未理恵の近くに行き膝をついて謝る。

「申し訳ありませんお嬢様、取り逃がしてしまいました…」

未理恵は言う。

「どこが申し訳ないのですか?あなたは彼にダメージを与えてましたし、大事なことも全て聞いていたようですし」

すると真琴の母は質問する。

「何故真琴が二人に?私の息子は真琴だけなのに…」

俊は言う。

「恐らく華原様のクローンではと思うのが自然ですが…どうやら周囲に人はいませんでしたし恐らく一人で行動していたと考えるとクローンの可能性は低いかと…」

すると優美は未理恵に質問する。

「あの、部長さん。これは推測になるんですが霊ってどんな形にもなれるんですか?」

すると未理恵は答える。

「不可能です。時の風化によって変わることはあってもどんな形までは不可能ですし万が一あの黒い華原さんが霊だとしても実体化は不可能です。」

すると俊も言う。

「それに私は彼を蹴り飛ばしました。そしてダメージも受けていました。ですので人間そのものです。」

江利奈はアルカに話しかけていた。

「あのー赤田せんせー?大丈夫ですか?」

アルカはボーッとしていた…というよりは思考をしすぎて周りが見えなくなってる感じだ。

「…っは!」

アルカが江利奈の声に気づく。江利奈は言う。

「赤田先生?大丈夫ですか?…まぁ、確かにあんなほぼ化物に死ねって言われたらビビるのも分かるけど…って先生!顔が蒼白ですよ!」

アルカは答える。

「あ、あぁ、問題はない…少し疲れてるみたいだ…悪いが部屋で休ませてもらうよ…」

すると未理恵があるものを取り出しアルカに差し出す。

「赤田先生、これはチョコレートです。杏芽條家特製の特注品ですので元気が出ます。今日は部屋でお休みください…」

アルカはチョコレートを受け取って答える。

「あ、あぁ…ありがとう…」

アルカはそう感謝の言葉を言うと、別荘へ戻っていった。

「はい、ここは先程襲ってきた人達がまだいるかもしれません。すぐに別荘へ戻りましょう。」

未理恵がそう指示すると皆戻ろうとする。

「そういえば黒い俺のことも気になるがお前どうやってきたんだ?」

真琴が俊にそう質問する。俊は答える。

「あぁ、アレですか。実はそこの木下やあそこの木下、人一人なら簡単に入れる昔の防空壕跡の入口になっているのでございます。まぁ、結構浅く先程のように火薬を少々仕掛けるとすぐに防空壕の天井が割れるのですがですが」

すると真琴は言う。

「成る程、つまり俺の後をつけてきて、防空壕跡に入って黒い俺の真下まで声だけで移動したわけだ。そりゃご苦労様、」

俊はそれを聞くと言う。

「いえいえ、下手をしたら華原様がどかんでしたとも…ぷっくくく…皆様お食事はまだ済ませてないのでこのあとは楽しい晩餐会にいたしましょう。」

すると真琴は言う。

「そうだな、一難去ってまた一難だな今日は…」

(とはいえ俺も結構怯えてる…あいつが何者なのかを考えるたびに寒気がする…また現れるのだろうか…)

そう考えながら別荘へ入っていく真琴を、黒い真琴は木影から見ていた。

真琴「今回は案外色々あったな」

優美「そうですね…でも一日も時間がたってないよ?華原くん?」

真琴「は?何やってんだあの作者…」

俊「しかもいつもと同じ6000文字…彼は夏休みではないのでしょうか?」

真琴「まぁいい、そろそろ時間だ」

優美「はい!ついに明かされた黒い男の素顔」

俊「それはまさかの華原様と瓜二つの顔でした…」

真琴「そしてアルカに告げられた死亡宣告…」

俊「彼もこの事態に何を考えるのでしょうか?」

優美「次回へ続くから」

永子「見て…ね☆」

真琴「最後綺羅星で割り込みか…」


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