第5話
『あなたは死にました。スコアは30ptです。特典を選択してください』
「あのクソ上官! 躊躇いなく殺してきたぞ! 酷いじゃないか!」
エリックは己の首筋を撫でながら悪態をつく。
己の首が切り離される感覚は決して良いものではなかったのだ。
ひとしきり怒りを発散した後、エリックは冷静に分析する。
(今回はもらえる数字が低い……長く生き残るほど、強い特典を選べるのか?)
エリックは目の前に展開された巨大な羊皮紙を見上げる。
そして端にある文字に触れた。
「……ひとまずこれでいいか」
『特典【魔力微増】を選択しました。時間を遡行します……』
そこからのエリックは、死を前提にした効率的な立ち回りを意識するようになった。
彼は過去に戻された途端に行軍を無視し、魔術部隊に突撃する。
そして殺されることでポイントを稼ぐ。
単に生き残るだけなら、他にやり方もあっただろう。
しかしエリックは魔術部隊に勝利することを目標にした。
だからこそ、死にながら突破口を模索したのである。
「何度だって死ねるんだ。いつか必ずぶっ潰してやる……!」
根気よく死に続けて、そのたびにポイントを得る。
そして特典を取得することで、エリックは少しずつ強くなっていった。
『特典【反射速度Ⅰ】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【体力増加Ⅰ】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【筋力三倍】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【魔術耐性Ⅱ】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【加速疾走】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【身体強化Ⅰ】を選択しました。時間を遡行します……』
『特典【魔力防御Ⅰ】を選択しました。時間を遡行します……』




