↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子ボートレーサーと市役所職員  作者: 池井 けい
第14章 五郎と志乃のシュークリーム  ~「ねぇ、私あと何日で死ぬの?」〜
PR
123/145

123 ★五郎と志乃のシュークリーム(その3) ~妻のガンが転移~

【03】 ガンが腎臓にも転移


 それから2カ月が経った。手術や投薬により、妻志乃の入院は長引いていた。

『美浦第一病院』の診察室で、五郎は医師の前に座り、静かに言葉を待っている。

医師「奥様の経過は良くないです」

五郎「と、言いますと」

医師「ガンが腎臓に転移しています」

五郎「……」

 五郎は、言葉を失っていた。


医師「かなり難しい状況です。もともと糖尿病があり腎機能が衰えてました。そこにガンが転移しましたので、これからは人工透析を始めなければなりません」

五郎「はい。お願いします」

 五郎には、なんとなくこれからの想像がついた。

医師「奥様には、明日私から話します」

五郎「よろしくお願いします」

 自分から妻にガンが転移していることは言えなかった。


医師「ご主人様は、今日何も聞かなかったことにして、明日奥様から話を聞いてください」

五郎「はい」

医師「ご主人に伝えるよう話しておきますので」

五郎「先生が妻に、人工透析を始めることは伝えるとして、ガンが腎臓に転移していることも、伝えるのですか?」

医師「そのときの様子を見て決めます。まかせていただいてよろしいですか? それとも話した方がいいとか、話さない方がいいとか、ご希望がありますか?」

五郎「いえ特にありませんので、よろしくお願いいたします」

 そう言うしかなかった。すでにもう五郎の頭の中は考えるだけの余裕がなくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。