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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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装備作り

「あっと言う間だな、すげースピードで剣が出来てくから夢でも見てるんじゃねーかと思ったぜ」


ジェフがまだ唖然としながら出来上がっていく剣と槍を見つめる。

 護衛組の目の前には白い柄の武器が人数分置かれていた。

 うん、装飾の無い実用一辺倒だけど作ることができた。

 鍛冶師が見たら頭かち割られそうだが、実用性だけを考えて作ったから装飾が全くないのが少し面白みがないな。

 もし今度作るならもっと装飾に凝った物も作ってみたい。

 

「それにしてもこの柄に使われてる素材なんだ?やけに軽いんだが?」


目の前に置かれた槍を手に取ったロナルドが手の上で転がしながら聞いてくる。

 

「う~んなんていえばいいんだろう石油って言っても分からないだろうし、説明がしずらいな。

 固まると硬くて軽い素材になる液体としか説明できない、丈夫さは保証する。

 その柄に使っている素材で鎧も作ろうと思うけど良いか?」


俺がポリカーボネートの説明に悩みながら質問するとロナルドが首をひねりながら聞いて来た。


「この柄の素材で鎧を作るのか?それは大丈夫なのか?直ぐ割れたりしたら困るが・・・」


ロナルドが思案しながら槍の柄を叩いたり膝の上に乗せ折るように力を加えたりしていた。

 俺はそれを見ながら提案する。


「なら剣で切り付けてみてくれ、棒状だからそこまで丈夫じゃないかもしれないからな。

 でもそこらの鎧よりは頑丈なはずだ」


俺が支持を出すとロナルドが槍を持ちジェフが剣で切りかかった。

 何度も打ち付ける音がしてそのたびに槍の柄が凹む、だが断ち切れるまでは至らなかった。

 一頻り打ち合い満足したのか二人は打ち付けた剣や槍を見ていた。


「この分なら全然大丈夫そうだ、剣を受けた所は凹んで切れ目が出来ているが完全に断ち切れることはなかった」


ロラルドは槍を検分しながらつぶやく。


「こっちもあれだけ切り付けたのに刃が凹んでない、だがこの柄はマズいなツルツルして滑る。このままだと手汗ですっぽ抜けそうだ」


ジェフがそう言いながら剣の柄を見詰めていた。


あ~滑り止めになる凹凸作って無かったから滑るのか、考えてなかったな直ぐに改良しないと。


「すまん滑り止めは考えてなかった直ぐ改良するから待っててくれ」


俺は言い終わる前に柄の部分を改良し始める。

 先ずは剣の柄には巻くような溝を付けた物や菱型の溝がある物、指の後の様な浅い溝を左右に付けた物、等間隔に低い突起が付いたものなどを作ってみた。

 槍は剣の柄ほど凝った物は作らず下半分に網目状の溝を作ってみた。

 後は全体をザラザラになるように仕上げる。

 

「それじゃあ自分の好きな柄を使ってくれ、整備しやすいようにすぐに交換できるようにしてあるから。

 それと作ってほしい柄が有れば言ってくれ、さすがに材質は今の物が一番丈夫で軽いからその方がいいとは思うけど相談には乗るよ」


俺が説明すると護衛組は各々で握ってみて感触を確かめ始めた。

 その様子を見ていた俺は次に防具を作り始めた。

 材料は柄と同じポリカーボネートで色は白のまま後は冒険者ギルドや街中ですれ違った冒険者の防具の形状を参考にしてパーツを作っていく。

 そうして出来上がったのは真っ白な要所要所を守れる作りの防具だった。

 全身を全部覆うのでは無く胸当てに肩当、小手に脛当てそして肘と膝を守る鎧だった。


真っ白な所がかなり目立つけど頑丈さならそこらの鉄の鎧より頑丈で軽いはずだ。

 どうしても鉄の鎧って着て戦闘しなきゃいけないため結構薄く出来てるもんだしな。

 前に日本刀と西洋剣の試し切りで軍曹っぽいおっちゃんが鉄の鎧を切り付けてた動画を思い出して俺は作った鎧を厚くしていた。


出来上がった鎧を護衛組に見せるとみんな一様に呆れた顔をしていた。


「どうしたんだ?鎧作ってみたんだが何処か変だったか?」


俺が呆れた顔をした護衛組に聞くとジェフが苦笑しながら話してくれた。


「いや旦那の作った鎧だからかなりいいものなんだろうけど、色がな・・・。

 冒険者は森の中を歩き回るから落ち着いた色の物を着てるからな。

 鉄鎧着てく奴だって光を反射しないように上にマントなんか着て日差しを反射しないようにするからどうしても白は目立つな~と・・・」


ジェフの説明になるほどと納得してしまった。

 確かに冒険者ギルドでも目立つ色の防具を着ている人は見なかった。

 たまに鉄鎧を着ている人も見たけど言われた通りマントを上に来てる人が多かった気がする。

 そんなことを思い出しながら聞いてみた。


「じゃあこの防具お蔵入りか?せっかく作ったんだけど・・・」


俺は少しもったいなく思いながら呟くとロナルドが声を掛けて来た。


「いやそのままでいいんじゃねーか?どうせ旦那の護衛しかこれを着てないんだ、目立てば誰の護衛か直ぐ分かるしこちらの実力も分かってくればいい威嚇にもなるだろう」


ロナルドはそう言いながら鎧を手に取り中を触ったり叩いてみたりしていた。

 その様子を見ていたジェフも肩をすくめ「それもそうだな」と納得してくれた。


その後はひたすら人数分鎧を作りできた端から護衛組が着て動きを確かめていた。

 その間に俺は鎧の使い方や手入れの方法、そして替えはいくらでも作れることを説明した。

 

「ハハ!それにしても軽いな皮鎧並みに軽いのに硬いなんてこんなの売りだしたら鉄鎧が売れなくなりそうだな。

 それに整備も皮鎧みたいに面倒じゃないとくれば欲しがる奴も多そうだ」


バーナードが豪快に笑いながら言うと護衛組はみんなそれぞれ頷いた。

 それから追加で盾も作り出し護衛組の装備は整った。

 その後も護衛組は警備の割り当てのために話し合いを始め、俺は糸を巻いている子供達を見ながら生活のためのベッドや生活に必要な物をマジックバックから倉庫内に出していく。

 そうしながら生活拠点を整えていく、そうして倉庫内での護衛組は話し合いを終え代表としてジェフが準備をしているところに来た。


「旦那、取り敢えず護衛の割り当てが決まったぞ。

 昼は2人夜3人の交代制に決まった。それと渡された装備は使わせていただくぜ、食事はどうする?

 普通は依頼人が食事の用意をしてくれるがたまにケチな依頼者だと自腹になる。

 旦那なら食事代ぐらいは出してくれるだろうけどな!」


ジェフは言いながら豪快に笑う、俺はジェフの顔を見て苦笑いを浮かべた。


「ああ、わかった。食事代は出すけど良かったら全員の分も買って来てくれないか?

 飲み物はこちらで用意する、まあ酒は出せないがな」


俺は苦笑しながらジェフに金を渡す、するとジェフは嬉しそうに笑い。


「了解だ!でも酒は売ってもらえると助かるぜ、帰った後に飲むならいいだろ?」


ジェフはこちらの顔を窺うように聞いてくる。

 あ~解った解っただから上目遣いで聞いてくるなよ、おっさんの上目遣いとかどこに需要が有るんだよ!


「解った勤務中でなければ1本分だけ支給ってことであげるよ。

 ただしそれ以上欲しい場合は料金を戴くけどね」


俺がそう言うと喜び勇んで昼ごはんを買いに行ってくれた。

 その間に護衛組は二人が倉庫の前に立ち残った二人は俺が渡した武器や防具の点検を始めた。

 

俺は二段ベッドを並べると布団を敷こうとして少し考えていた。

 目の前には木でできた床板、叩くと硬そうな音が返ってくる。

 さすがにこのまま布団を敷いたら体が痛そうだ。

 

そうだよなこの世界にマットレスなんて有るかどうかわからないけど宿屋にはなかった。

 そうなるとやっぱあったとしても高いんだろうな。

 俺ならコイルを作り出すこともできると思う、どうせなら作って置くか。


俺は硬そうな床板にそのまま布団を敷かずに鉄を出しコイルを作っていく。

 今の液体制御力ならコイルもお手の物だ。

 早速コイルを作っていると食事を買ってきたジェフが木の皿に大量に乗った串焼きを持って帰った来た。


「待たせたな。串焼き買ってきたぞ!」


ジェフは串焼きを机に置きながら大きな声で言った。

 それを合図にみんな集まって来て食事となった。

読んでくださりありがとうございます。


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