仕事の説明
部位欠損が治ったロナルド達は一頻り喜び合ってから落ち着いたので、俺は話しを切り出した。
「それでは5人には朝と夜交代で警備についていただけるとありがたいです。
他に配達も頼むことがあるかもしれません、よろしくお願いします」
俺が説明するとロナルド達は口々に了承の返事をくれた。
それからロナルド達にはこれからの警備について話し合いを始めた。
その様子を見て俺は次の作業に移ることにした。
「それじゃサム達にもこれからする作業を覚えてもらおうかな」
俺が子供たちに向き直り声を掛けるとサムたちは整列して聞いてくれた。
「俺達は何をしたらいいんだ?」
サムの言葉に俺は頷きマジックバックから糸車を取り出し設置していく。
そして全部の糸車出したところで先ずはサムに声を掛けた。
「それじゃあ作業の仕方を教えるからサム座ってくれるか?」
俺は糸車の前に来てサムを呼ぶと糸車の前に座らせる。
サムが糸車の前に座ってくれたことを確認してから説明を始めた。
「それじゃあ今から糸の原料を出すから回す準備をしておいてくれ、原料は熱いから原料には絶対触らないでくれ。それじゃ出すぞ?」
俺は注意をしてから原料になる溶けた金を液体生成で作り出す。
それを芯に巻き付けたところでサムに指示を出し糸車を稼働させた。
サムが勢いよく糸車を回している間に原料の金が無くならないように少しずつ液体生成で増やしていく。
そうして芯が太くなってかなりの量になった所で停止の合図を送った。
「こんな感じで糸を作ってもらうのが主な仕事だ、もう一度注意するけど原料に触らないようにな」
注意をするとみんな頷いてくれたので俺も頷いて続きを始めようとしたところで護衛組から声が掛かった。
「そ、それ金じゃないのか?どうやって・・・いやスキルの詮索するのはマナー違反か?」
ロナルドが金糸を指さしながらどうやって金を出したのか聞きたそうにしていたが聞くのを控えてくれた。
まあ聞かれても出すことができるスキルが有るというだけなんだが。そりゃ吃驚するよな。
「あ~これは俺のスキルで出すことができるんだ。どうも俺が知っている物なら出せるらしい」
俺は説明をしながら水球を作り出し自分の横に浮かせる。
それを見た護衛組は感心し、イザベラたちも驚いていた。
そういえばイザベラの前では溶解した金を出すしかしてなかったな。
子供たちはサム以外は驚いている。サムはゴロツキを捕まえるのを見ているから驚きはしなかったが何処か自慢げである。
「なるほどユニークスキル持ちなのか、だから護衛も必要なんだな」
ロナルドが納得したように言うと他の面々も落ち着いてきた。
そんなみんなを見渡してから俺は改めて子供達に声を掛けた。
「それじゃあみんな、糸車に付いてくれ。作業を始めよう」
俺は声を掛けると子供達とイザベラが元気な声を上げて糸車の前に付いた。
俺は直ぐに溶けた金を芯に繋げる。すると子供たちが一生懸命糸車を回し始めた。
それを見た後俺は護衛組に向き合うと支持を出した。
「では入口の警備お願いします」
俺は頼むとロナルド達は顔を見合わせて済まなそうに声を掛けて来た。
「警備に付きたいのは山々なんだが俺達生活のために武器を売っちまって武器がないんだ。
できれば雇い主である旦那に武器を買う金を出してくれないか?」
なるほど武器が無いか、確かに武器は雇い主が揃えるのは当たり前なのか?
まあ武器無しで護衛しろなんて無茶だよな、だからと言って武器っていくらするのか分からないしな~。
ここは試しに作ってみるか、液体制御もかなり上達して思い通りの形にもできるようになったし出したことのない素材も使って見たい。
「分かった少し試して見たいから買いに行かずに作ってみたいんだけど良いか?」
俺が作ると言うと護衛組は一瞬キョトンとしてから納得したような顔になり頷いた。
それを確認してから俺は早速武器を作り始める。
う~ん先ずは槍は必要だよな、後は剣か防具も必要だよなそうなると材料はどうしようか?
槍や剣の柄が木でできてるのは衝撃を吸収するためだって聞いたことがある。
でも木はさすがに液体にはならないだろ、と言うことは液体になって衝撃を吸収してくれる物となると一つしかないな。
ポリカーボネート、現代でよく使われてるのは車のライトカバーと工事用ヘルメットあたりかな。
ハンマーで殴っても刃物で切り付けても簡単には壊れない、なんせ警察の暴徒鎮圧用の盾に使われてるような物だから頑丈さは保証できる。
他にも繊維強化プラスチックも思いついたけどこれは欠点があるんだよね。
“繊維強化”って着くだけあって液体の中にガラス繊維が入ってる。
だけど俺のスキルじゃ繊維までは生成できないんじゃないかと思う、金属も冷えて固まると制御できなくなるからな~。
俺は考え事をしながら先ずは槍の穂先と剣の剣身を液体制御で人数分作り出す。
材質は鋼で作る、鋼以上の素材で良い物が浮かばなかった。
タングステンとか使えたらよかったんだけど、どうしても溶けている状態が想像できなかった。
ステンレスならできそうだけど今回は鋼で作ってみる。
素材を決めたら早速、穂先と剣身を作っていく。
穂先と剣身を人数分同時に作り形が出来たら水の中に入れる。そうして冷えて固まるまでに形を整え後は研ぐだけの状態にする。
冷え固まった穂先と剣身を手に取り今度は研ぎ始める。
研ぐために研磨剤を多く含んだ水を回転砥石の様に回転させ刃をつけるために研いでいく。
そして研いでいる間にポリカーボネイトで柄を作り、鍔や石附を鋼で作って置く。
そうして流れ作業で剣と槍を作り上げたのだった。
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