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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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マックスポーション

子供達の服を買い着替え、子供たちを連れて今度はゼルン商会へ向かった。

 そこでは主に人数分の布団を買いそれと一緒に小物を買いそろえた。

 そうして買い物を終わらせると俺達は倉庫へ帰ってきた。


「ただいま」


帰宅のあいさつをするとイザベラの声がすぐに返ってきて倉庫の中を見回すとイザベラが縫物を手に顔を上げていた。

 だがそれ以外にもジェフと知らない男女が4人椅子に腰かけこちらを見ていた。


「ジェフさんその人たちが?」


俺が部位欠損をした男女を見回しながらジェフに声を掛けるとジェフが立ち上がり頷いて話し始めた。


「こいつらも元冒険者で魔物に腕や足を食い千切れちまった連中さ、家に籠ってた奴らを引っ張り出してきた。

 ランクはそんなに高くねぇけど護衛には使えるから治してやってくれねーか旦那?」


ジェフの言葉に俺は頷きながら近づき先ずは男女の前で止まり自己紹介から始めた。


「俺はセン商人であり冒険者ギルドにも登録しています。

 今回は私の作ったポーションで部位欠損の治療ができるか実験させてもらいまして、ジェフさんの左腕も治癒することができました。

 あなた方の治癒はジェフさんに使ったポーションより高い治癒力があるものを使って見てどの位治癒されるかを観察する目的があります。

 ジェフさんに使ったポーションは5本で完全回復しましたが、それより治癒力が高いポーションを使うので、もしかしたら1本で部位欠損が治癒されるかもしれません。

 ポーションの代金はいただきませんが最低でも護衛として働いていただきます。

 給料はジェフさんと同じだけお支払いいたします。いかがでしょう?」


俺はポーションの説明をしてから護衛の説明をする。

 まあ部位欠損が治ったからと言ってはいさようならじゃ困るからね。

 せめて護衛として働いてもらわないと。


俺は護衛について考えながら話を切ると左腕を失ったニヒルな見た目の男が手を上げ質問してきた。

うお!ジョン・ウィックのキアヌリーブスみたいだな。部位欠損しててもイケメンだな。モテるんだろーな、チクセウ!


「センさんだったか、俺達はそのポーションを使わせてもらう代わりにどれだけの期間護衛の仕事をしないといけないんだ?

 一生使われ続けるとなると少し躊躇するんだが?」


ニヒルな男が髪を掻き上げながら質問をしてくる。

 その質問に俺は笑顔で頷いてこちらの条件を提示した。


「そうですね護衛の期間は半年ぐらいを考えています。給料は1日2千リルでいかがですか?」


俺が給料についていうと男女たちは目を見開き顔を見合わせた。

 その様子を見ながらニヤニヤとしているジェフと事の成り行きを見守るように静かにイザベラと子供達が見つめていた。

 しばらく見つめあっていた男女は頷きあうとニヒルな男が俺に向き直り返事を聞かせてくれた。


「俺達はそれでいい、元々部位欠損なんて治すほど高額な治療費出せねーからいまだに片腕なんだ。

 だまされたとしても半年の護衛で1日2千リルもくれるんなら食いっぱぐれねーだけありがてーんだこっちから頼むぜ。

 改めて俺はロナルドだよろしく旦那」


「あたしはキャサリンよろしくな!」


「私はロレッタですよろしくお願いします」


「俺はバーナードだよろしく!」


ニヒルな男、ロナルドが挨拶をすると他の四人も口々に挨拶をしてくれた。

 キャサリンは赤髪をボブカットにした日に焼けた女性だ、右足が膝当たりまで欠損しているらしく傍らには松葉杖が置かれていた。

 ロレッタは顔の半分が火傷後でケロイド状に引きつっていて見るからに痛々しい、他にも左手も同じように火傷後が見えていた。

 バーナードは黒髪のガッシリした筋肉質だったが右足と右手が欠損していた。

 

みんな元気に振舞ってはいるが瞳には期待と不安が入り混じった感情が見え隠れしていた。

 これまで色々試して欠損を治すのにかなりの金額が掛かることが分かって諦めていたんだろうな。

 この世界の部位欠損は相当高度な神聖魔法か、かなり上級のポーションでしか治らないらしい。

 そうなると治療費も相当な金額になるだろうからあきらめてしまうのも仕方ないのかもしれない。


「では早速ですけどポーションの実験をしていきましょう。

 とはいってもハイポーションはすでにジェフさんに確認してもらっていますので、今回はさらに上のマックスポーションを飲んでもらいます」


俺は説明をしながらポシェットからポーション瓶を4本取り出しその中にマックスポーションを満たす。

 そして4人が座る机に4本のポーション瓶を並べた。

 ポーション瓶を見たロナルド達は瓶を手に取りお互いの顔を見詰めあってからポーションを一気に呷った。

 

ポーションを垂下すると同時に全員の体が輝き怪我をしていた箇所に光が集まると欠損していた部位を形どり、光が消えると欠損の無い健康な肉体を取り戻していた。

 

「俺の腕が・・・ある、あるぞ!!」


「あたしの足が元に戻ってる!」


「腕の火傷が無くなってるわ!顔も引きつりがないわ!」


「お、俺の手と足が有る!!有るぞ!!」


ロナルドは呆気に取られたように自分の左腕を見詰め涙を流し、キャサリンとロレッタはお互い抱き合い喜びに咽び泣いていた。

 バーナードは治った手と足を確かめるように手を握ったり立ち上がって歩き回り満面の笑みで手足が有ることを確かめていた。

 そんな4人を眺めイザベラたちは自分のことのように喜び、ジェフは何度も頷きながら涙を流していた。

読んでくださりありがとうございます。


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