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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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商談

「ではお売りします。黄金の庭亭に売るつもりだったものでよろしいですか?そちらでしたら1.508.200リルになります」


俺が値段を言うとウォルトは少し目を見開き顎に手を当ててから話し始めた。


「セン様の商品は酒と言う事でしたが、それは樽でのお値段と言う事でよろしかったでしょうか?

 そうなると瓶だと5万リルになると思うのですが、そのような高価な酒は流石に売れないのでは?」


ウォルトは考えるような素振りを見せながら俺に問いかけてくる。

 まあ確かに酒に5万はなかなか手が出ないのは分かる。

 でもすでに騎士団に瓶で3万になるように販売した後だからなかなか値下げは出来ないよな。


「確かに瓶で5万の商品はなかなか手が出ないことは分かります。

 ですがすでに騎士団にも1樽売っておりますので、値を下げてまで売ろうとは思っていません。

 私が用意した酒は醸造したからと言って直ぐに飲めるものではございません。

 ですので安くするにしても騎士団に売った値段までです。それ以上安くしてしまうと領主様に顔向けが出来なくなってしまいます」


俺が値段とその値段の理由を言うとまた考えるように顎に手を当てた。

 それから俺に向き直り頷くと笑顔で話し始めた。


「分かりましたそのお値段で買いましょう。ここで割引してもし次回お売りいただいた時に高くなっていたらまた文句を言ってくる可能性は有りますからね。

 それにそれだけ自信を持ってこの値段にしているのは、何か理由が有るのでしょうからその値段で買わせていただきます。

 お値段通りの価格で買うと言ったのはこちらですから、その値段で買いますよそれでいくつ売っていただけるのでしょう?

 できればお持ちの分は売っていただきたいのですが・・・」


ウォルトはそう言いわれ俺は直ぐに「今用意できるのは2つです」と答えそれを聞いたウォルトは立ち上がり。


「では代金を用意してきますのでしばらくお待ちください」


ウォルトが離れた後、俺は少し考えごとをしていた。

 これ以上この町でウィスキーを売るのは難しそうだ。

 確かに高く売れるけどならどこから持って来たんだって思われるよな。高い商品なら仕入先はどんな商人も気になるだろうし調べるだろう。

 そうなると俺のスキルに気付くかもしれない。それで面倒事に巻き込まれないとは言えないからな。

 用心して置いても問題ないだろう。


俺が考え事をしている間にウォルトは料金の入っているだろう袋を持ってカウンターに戻って来た。

 そして「それでは行きましょう」とだけ声を掛け俺を共だって一階に降りていく。

 一階に降りた俺達は俺の荷車に行き樽を運ぶため、ウォルトが近くにいた従業員に声を掛け樽を運ばせた。

 もちろん運ぶ前には中に黒ニッカを入れて置くことを忘れない、買ったのに中身が入って無かったなんて言われたら犯罪になりかねないからな。

 

「それではこちらが代金になります。大口の契約になりますので大金になりますが預けて置きますか?

 そうすれば盗まれる心配は有りませんよ」


ウォルトの提案に俺は直ぐに頷き俺達は一度2階に戻る。

 一度戻った俺達はカウンターに着くと俺はギルドカードを渡し貯金してもらう。

 それが終わった所で俺が今日商業ギルドに来た理由を思い出しウォルトに切り出した。


「ここに来たのは倉庫を借りられないかと思いまして」


俺がそう言うとウォルトが納得したように頷き。


「ですがあなたは行商人でしたよね。それならマジックバックの方が都合がいいのでは?

 倉庫は料金が支払われなくなって3か月で中の物はギルドの所有物になります。

 行商ですと倉庫の賃貸料金が払えなくなりますと帰って来た時には商品が差し押さえになる可能性が有りますよ」


ウォルトの説明に俺はマジックバックの事を思い出した。

 確かにウォルトの指摘通り行商人をするのならマジックバックの方が良いか?マジックバックって樽も入るのかな?

 ここに居続けなければいけないわけでも無いんだから、そっちの方が良いかも知れないな。

 俺がウォルトの言葉に納得して頷いた。

 

「分かりましたではマジックバックを買いにいって見る事にします。

 ありがとうございました。あのこれウィスキーの試飲用に使ってください」


俺は礼を言い、頭を下げカウンターを離れる前にポシェットから黒ニッカが入った瓶を一つ取り出しウォルトに渡す。

 瓶を受け取ったウォルトは笑顔で俺を送り出してくれた。

読んでくださりありがとうございます。


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