ギルド証剥奪の危機
ベッキーと別れ、直ぐにサイラスが戻って来て俺に酒の料金を渡してくれた。
渡された革袋の中を確認した俺は直ぐにポシェットの中に入れ冒険者ギルドを出ることになった。
あ~また樽が無くなったな。また買いにいかないと、それとも先に倉庫を借りに行こうか。
倉庫って幾らかかるんだろう?最低でも樽が10個以上20個入れば良いなと思ってる。
俺はそんなことを考えながら取り合えず商業ギルドへ向かっていた。
商業ギルドに着くと相変わらず人が多くそれと同じだけ馬車も多かった。
俺は駐車場に荷車を置くと2階に上がり置いているカウンターを探す。
生憎どのカウンターも空いて居なく俺は一番人の少ないカウンターに並んだ。
暇になった俺はぼおっとギルド内を眺めていると近くの列に並んでいた商人が知り合いの商人と話している声が聞こえてきた。
「昨日黄金の庭亭の支配人がギルドに怒鳴り込んで来たらしい」
「ああ、あのワインフリークが?なんだかったワインが古くでもなってたのか?」
「それがギルドの紹介で来た商人があちらが買うと言ってるのに売らずに帰ったらしい」
「そりゃあれだろ?あの支配人のことだから傲慢な態度で相手を不快にさせたからだろ?
俺だったらマルセル何かに商品売り込みに行くのはできれば遠慮したいからな」
「そりゃそうだ。だがマルセルが買うって言ってるのに売らなかった商品が気になるよな。
マルセルは性格はあれだがこの町一の宿屋の支配人だ、その男が買おうとした商品なら物は確かなんだろうよ。
もし買い取れれば売れ残る心配が無いだけ買って損は無い」
2人の商人はそんなことを話しているのが聞こえてきた。
マズいな紹介されていったのが失敗だったか?俺もつい頭にきて売らずに立ち去ってしまったけど、ギルドに苦情に来るとは、これでもしかしたら何らかのペナルティが有るかもしれない。
俺はギルド申請したばかりな新参だもんな。もしかして資格剥奪なんて事になったら酒が売れなくならないか?
そうなったらどうするか、代理で商業ギルドに登録してくれる人を探さないといけないかもしれないな。
俺は商人たちの話を聞きながら順番待ちをしていると俺の順番が回って来た。
「こんにちはギルドカードの提出お願いします。登録がお済でない場合はギルド登録が必要になります」
受付にいた女性係員が挨拶と同時にギルド証の提出するように言われたので俺はポシェットからギルドカードを取り出し提出した。
女性係員は俺が提出したカードを見ると「少々お待ちください」と言いカウンターから立ち上がり奥へ行ってしまう。
待たされた俺はやな予感を感じながらそわそわと落ち着かなかった。
あ~これはもしかしたらもしかするかも知れないぞ、叱られるだけならまだいいがギルド証剥奪なんて事になったらどうしようか。
俺はビクビクしながら待っていると1人の男性がカウンターに付いた。
男性係員だろう男はギルドの制服をきっちり着こなし、にこやかな笑顔を称えこちらを見つめる。
その顔を見た瞬間俺はキツネの様だと思ってしまった。
「こんにちはセンさん、私は接客主任のウォルトと申します。
今回はマルセル様より苦情を戴きまして、せっかくの紹介状が無駄になってしまったらしく。
当ギルドと致しましては残念な限りです。つきましては今回の諍いの原因となった商品をギルドで買い取り致しまして今回はそれで納めさせていただきたいと思います。
もちろん商品はお値段通り買取させていただきたく思います」
ウォルトの説明を聞いてなるほど、と納得した。
要するにマルセルとの諍いは本人同士の商談をせずギルドが仲介をする。
代わりに俺から買い取った商品の値段にギルドの手数料を乗せた金額が販売価格になると言う事だ。
ようはギルドで買い取ったんだから誰に売ろうが問題ないだろう?と言う事だ。
まあ間違いなくマルセルの所に行くのだろうが・・・俺の心情ではあのワインフリークに売りたくは無いけどギルドに売らない訳にいかないよな。
迷惑かけたのは俺なのだからここは何も言わずに売るとしよう。
あんまり聞き分けの無いことをしているとギルド登録剥奪されそうだからな。
読んでくださりありがとうございます。
ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。
誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。




