売れ行き
それから俺は眠くなるまでガラス細工を練習してついにビー玉の中に宇宙の様な物を作ることに成功した。
まさか予め中に入れる物を作って置けばそれを包み込むように液体のガラスを操作するだけでできた。
気付けば意外と簡単だったな。液体の状態で入れようとしていたため混ざってしまっていたけど一度固まった物を中に入れる方法なら案外簡単にできた。
ただそれでも最初は液体のガラスが包むのが早すぎて中に入れたガラスの表面が溶けてしまった物も有った。
それは商品にならない為、部屋に置きっぱなしになっている。持ち歩いていてもどうしようも無いからね。
翌日俺はいつも通り朝食を摂ると早速荷車を引いて先ずは鏡の売り上げを具合を聞きに行くために冒険者ギルドへと向かう。
樽を6個摘んでいるため中身がからでも重く感じる。だが中身が入っていたら流石に一人じゃ引けないんじゃないかと考えてしまった。
まあその時は誰か荷運びとして雇うことにするか?まあ稼いで倉庫を借りられるようになったら考えよう。
俺はそんなことを考えながら冒険者ギルドの裏手に周り、昨日樽を搬入した裏手の搬入口から中を覗き込み声を上げた。
「まいどー!サイラスさんいませんかー?」
俺は某国民的アニメの勝手口に来る酒屋のように声を上げる。
すると直ぐに料理をしていたサイラスが振り返りドタドタと俺の方に掛けてきた。
「おう!セン待ってたぜ!あんたが何処に泊ってるのか聞き忘れてたんでどう連絡取ろうか考えてた所なんだ!
あの後あの酒出したんだが、うちの飲兵衛どもがモノスゲー勢いで飲みやがって直ぐに一樽無くなっちまった。
一樽じゃ全然足りねーぜ卸せるだけ卸してくれ、金はシッカリ払うからよ!」
サイラスは俺の両肩を掴むと鼻が突きそうな距離まで顔を近づけてきて昨日の顛末を話しながら注文をしてくる。
俺はその勢いにかなり腰が引けていたがガッチリと両肩を掴まれていたので逃げることができなかった。
ヤメロこの髭達磨!分かったから顔を近づけてくるな!しかも肩を掴まれてるせいで抜け出せねーどんな力だよ!
俺がサイラスの髭面に軽い恐怖を感じながらなんとか声を絞り出す。
「わ、分かりましたから取り合えず手を離していただけませんか?今日持って来た樽は6個ですので3個ずつアセロラとライチでよろしいですか?」
俺が何とか今日の樽の数と提供する分を伝えるとサイラスは笑顔になり、俺の肩から手を離してくれた。
「おう!それで構わない頼むぜ」
サイラスの言葉を聞き、俺は早速積んできていた樽を下ろし昨日と同じ場所に樽を下ろしていく。
そうして置き終わった樽に酒を満たしてから次の樽を持ってくることを繰り返した。
本来は売上を聞きに来ただけだったんだけどな。
また樽買ってこないといけないな。
そうだ空になった樽引き取って、その分割引するかそうすれば樽を買い足しに行く回数も少なくなるよな。
俺は今思い付いたことをサイラスに提案してみることにした。
「サイラスさんもしよろしければ空いた樽を回収した分だけ値引き致しますよ」
俺が提案するとサイラスは少し目を見開いてからニヤリと笑い。
「そうしてくれるなら頼むわ。ワインを卸している商会とはえらい違いだな。
おそこは空いた樽を引き取りはするが値引き何かしてくれねーからな」
サイラスは俺に話しかけながら思い出したのか少し不機嫌になる。
その様子に苦笑を浮かべながらその間も俺は樽を運び中を満たした。
「よしこれで全部ですね。全部で3.812.800リルです。樽2つ分は割引させていただきました。次からは3.780.000リルいただきますね」
俺が金額を言うとサイラスは一度どこかに行ってしまい俺は待たされることになった。
サイラスが厨房から出て行くとギルド内から歓声が上がり今度は厨房にベッキーが走り込んできた。
「センさん来てたんだね。サイラスさんがあせろら?と、らいち?が入荷したって言ったもんで飲んだくれどもが早速注文し始めやがった。
まったく稼いだ金全部飲み代に使っちまいやがってまったくこれだから冒険者は・・・っとこんな所で愚痴ってる場合じゃ無かったね。
酒出さなきゃ暴動起こしかねないからあたしはいくね。またね」
ベッキーは愚痴るだけ愚痴ると俺が置いた樽から酒を注ぎ、足早に厨房から出てってしまう。
取り残された俺はため息を一つしてサイラスを待つことになった。
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