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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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冒険者ギルドへの売り込み

黄金の庭亭を出た俺は荷車を引きながらこれからどうしようか考えていた。

 今は丁度昼を過ぎた当たり、町中には様々な人が歩き賑わっていた。


さてこれからどうするか・・・ウィスキーは自分で断ってしまった。

 まあ次の手は考えてある。ウィスキーだってあそこだけが売り先と言う訳じゃない。

 王都へ行けば買い手も見つかるだろう。


ウィスキーの代わりに売る物も考えてある。

 鏡の事を思い出した時に鏡には色んな味が当た事を思い出した。

 鏡は日本のスーパーなんかでかなり安く手に入る焼酎だ。

 特にいろんな味が有るから家飲みする時に重宝した。

 あれなら売れるんじゃないかと思う。

 ここにきてカクテルなんて見ないしフルーツが高いなら酒を割った飲み物は火酒位の値段にすれば売れるだろ。

 

それに女性には火酒は強く感じる人もいるだろうしワインとエールの二択じゃ飽きる。

 そこにフルーツの味の酒が出てくれば売れると思う。

 飲み過ぎてつぶれる女性も多くなって男どもが喜ぶかも知れんけどそこは飲み過ぎないでくれと祈るしかない。


俺はそれを売りに有る場所に向かって荷車を引く。

 途中で串焼きを買って腹ごなしをしながらそこに向かい、到着した俺は荷車を建物の裏に置き中に入る。

 俺が目指したのは冒険者ギルド、ここなら提供者と消費者が揃ってる。

 しかも酔って暴れても止めてくれる人もいる。

 ここで提供してみて消費量を調査できれば良いな~。


そんなこれからの事を考えながら冒険者ギルドの扉を潜る。

 扉の先には昼なのにまだ人が多く居た。特に多いのは買取カウンターだ。

 俺はギルドホールに入り依頼カウンターには向かわず一直線に食事処へ向かう。


食事処では昼なのにすでに酔って顔を赤らめている男達がいた。

 そんな冒険者達を見ながら俺は空いている席へと向かう。

 俺が開いて居る席に座ると直ぐにウェイトレスの女性が近付いて来た。

 

「なんだい、あんたかい。今日はどれにするんだい?」


俺のことを覚えていたのか女性は俺の顔を見ると微笑みながら話しかけてきた。

 まあ流石に覚えてるか、でも今日は食事をしに来たわけじゃ無い。

 

「すいません今日は食事をしに来たんじゃないんです。

 私は酒を扱ってる商人でも有るんですが、もしよろしければここに酒を卸させては戴けませんでしょうか?」


俺はセールスモードで商談を持ちかける。

 すると女性は怪訝そうに眉を顰め、俺の顔を見つめ。


「ギルドじゃ特定の商会から酒を買ってる。だからその商会以外から買うのは付き合いも有るから中々変えられないと思うわよ」


眉を顰めながら女性が事情を説明してくれた。

 え?商会から買っていてあれなのか?エールも痛み始めていたし、ワインなんてひどいもんだった。

 唯一火酒だけがまともだった。そんな物を売る商会なら俺が代わりに下ろしても問題ないだろう。

 だけど定期的に下ろすとなると定住しないといけないからやはりここは既存の酒じゃ無く鏡の果汁味の物を進めてみるか。


「私が売るのはこのギルドで扱っている物以外の酒の果汁割です。まあ飲んでみてから考えては貰えませんか?」


俺は簡単な説明をしながら取り合えずアセロラ味の鏡から試飲してもらうために、ポシェットから空き瓶を取り出す前に中に満たして置きコップと一緒に取り出す。

 そしてウェイトレスの目の前でコップに注ぎ差し出した。


ウェイトレスは中を覗き込みコップの中に入った透明な酒を見るとそれを一気に飲み干した。

 その瞬間、ウェイトレスは目を開き空になったコップを勢いよくテーブルに置いた。

 その後俺を睨みつけて「ちょっと待ってな」とだけ言うと厨房へと向かって行ってしまった。


俺は取り残されていると直ぐにコック姿をした赤い髪と髭で顔がほとんど隠れた恰幅の良い男を引っ張って来た。


「あんたか?ベッキーに新しい酒を売り込んだって奴は!」


コック服の男は外見に伴った大きな声で俺に問いかけてくる。でも別に怒ってるわけではなさそうだ。

 コックは来たので俺はコップにまた試飲用に注ぎ話を切り出した。


「はい、こちらなのですがよろしければ是非こちらで扱っては戴けませんか?」


俺はコップを差し出しながらコックに言うとコックは俺からコップを受け取りそれを一気に煽った。

 コックは酒を煽った状態で停止してしまい動かなくなってしまったので、俺は少し心配になった。

 俺が声を掛けようか悩んでいるとコックは俺に顔を寄せ。


「美味いじゃねーか!でも果実酒なんて高いだろ?一体幾らで売るつもりだ!?」


コックは大声で喋るのもだから次第に周りの冒険者がこちらの様子を窺い始める。

 

「そうですね一瓶でしたら瓶代千リルを入れて3100リルでいかがですか?一樽でしたら638.200リルでお譲りしますよ」


俺が値段を言うとコックは大きな声で「買った!!」と叫び声を上げた。

 その叫び声に合わせてギルド内の全員がこちらを見る。

 注目されている状態で言いずらかったが他にもあるんだよな。


「他の味も有るんですがどうされますか?」


俺がそう言うとコックは大きな声で。


「おうそれも貰おうか、樽で一つずつ貰うことにする。638.200リルなんて果実酒じゃありえねーくらい安いからな!」


コックはそう言うと右手を出し「俺はサイラスだよろしくな!」と言った。

 俺はそれに習い「センです、よろしくお願いします」と言いサイラスと握手をするのだった。


読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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