黄金の庭亭
商業ギルドでギルド証を発行してもらった俺はギルドで紹介して貰った黄金の庭亭へ向かっていた。
黄金の庭亭は貴族や大商人が泊まる宿だ、俺はその宿へ向かていると他の建物より一回り高い建物に向かった。
外装も豪華で金の装飾や緻密な細工がされ、入り口には護衛だろう武装した男達が扉の両脇に立っていた。
アレが黄金の庭亭、随分と豪華だな。しかも一階分高い、五階建てか?この辺の建物の中では一番高いな。
広さは流石にギルドの方が広そうだが、商業ギルドより装飾は豪華だ。
だけど装飾がかなり過剰に感じる。ちょっと成金ぽいな。
俺はそんなことを考えながら黄金の庭亭を見つめ、正面に到着した。
俺が入り口に止まると護衛の男が俺に近づいてきて怒鳴りつけてきた。
「おい!こんな所で止まるな!入られるお客様の邪魔になるだろうが!」
男は俺に近付きながら怒鳴りつけてくるので俺は少し引いてしまった。
うわぁ、護衛だから仕方ないのかもしれないけどその態度は接客業としてどうなの?
俺は護衛の態度に若干やな予感を感じながらポシェットから紹介状を取り出し護衛に話しかけた。
「こんにちは、こちらは黄金の庭亭でよろしいでしょうか?私は行商人なのですが一級品の酒を手に入れまして、もしよろしければ買取お願いできましたら幸いです」
俺が紹介状を渡しながら深々とお辞儀をする、護衛は片眉を上げ訝し気に俺を見た後紹介状を受け取り紹介状を確認した後に俺に向かった話始めた。
「フン、行商風情が!だが紹介状も有るから支配人には合わせてやる。だが無駄だと思うがな、こっちだ」
護衛の男は吐き捨てる様に言うと俺を馬車置き場迄案内する。
俺がそこに荷車を置く様に男は言うと裏口から中に案内された。
裏口から中に入ると階段とカウンターに挟まれた細い廊下を歩きカウンター前にでる。
カウンター前には客を迎えるために受付嬢と荷物を運ぶためのスタッフ、そしてカイゼル髭を摘まみ客を待つ金髪を肩まで伸ばし整えた男性がいた。
裏口から入って来た護衛の男と俺を見て、カイゼル髭の男はフンと鼻息荒くため息を突き護衛の男に尋ねた。
「何ですかそのみすぼらしい男は我が黄金の庭亭には似つかわしくないですね。すぐに摘まみ出しなさい」
カイゼル髭の男は俺の格好を見て護衛に指示を出す。
確かに今の俺の格好は普通の庶民と同じ、だからかカイゼル髭の男は俺を追い出す様に命令した。
だが護衛の男は困ったように眉を顰め、俺の渡した紹介状をカイゼル髭の男に見せながら話した。それを聞いたカイゼル髭の男はまたため息を付き。
「なんだ、商業ギルドからの紹介状か。いるんだよ、大したものじゃないのにギルドに紹介状貰って売り込みに来る者が。
まあ一応は見せてもらうが大したものでなかったらただき出すからな」
カイゼル髭の男は俺を見下し話す、俺はもう帰りたい気持ちを押さえカイゼル髭の男に自己紹介をする。
「私は行商をしているセンと申します。今日はいい酒が手に入りましたので買い取られないかと伺いました」
俺が丁寧に挨拶するだがカイゼル髭の男は見下した態度を変えず。
「支配人のマルセルだ」
マルセルは相変わらず不遜な態度で俺に名乗る。
名乗ったマルセルは着いて来いとばかりに顎で指示をしてカウンターの奥に有る部屋に入って行った。
俺はマルセルへ付いて行くとカウンターの奥は応接室になっていた。
うん?口では憎まれ口をたたいているけどちゃんとした部屋に案内してくれるんだな。このおっさんツンデレか?
俺はマルセルの対応に不思議に思いながら応接室に有るソファーに座り回りを見回す。
俺が案内された応接室はこれまた豪華な内装で絵画や壺などが所狭しと置かれていた。
俺はその部屋を見てルーデンスの部屋を思い出していた。
あの飾りっけの無い部屋、ルーデンスの信念を体現したような質実剛健を体現するが如く質素な部屋を思い出す。
俺はどちらかと言うとそう言う部屋の方が好きだ。別に贅沢が嫌いなわけじゃ無いけど長く付き合うならルーデンスの様な人間の方が好感が持てる。
俺が部屋を見回しルーデンスの部屋と真逆なその部屋を見てあの隊長を思い出していた。
「それでお前が持って来たって言う酒はなんだ?ワインか?まさか火酒などと言うなよ。
ワインこそ至高の酒だ。私は火酒など酒と認めんぞ!?」
俺の前に座ったマルセルはカイゼル髭をいじりながら断言する。
なんだその私はブルゴーニュ産ワインしかワインと認めない、みたいな極度のワイン信仰者みたいな言葉に呆れてしまった。
俺は呆れながらもポシェットからウィスキーを取り出す、それを机に置くとコップを取り出してコップにウィスキーを注ぎ差し出した。
「こちらが私の手に入れた酒でございます。生憎ワインではございませんが高貴な方にお出しするのでしたら悪くわないかと・・・」
俺がウィスキーを差し出すとマルセルは片眉を上げ俺を睨みつけるとコップの中を覗き込む。
そしてフンと鼻で笑い話始めた。
「どうせ火酒の類であろう、確かに火酒は直ぐ酔えるが熟成したワインほど味わいは無い。
熟成したワインこそ幾ら金を摘んでも惜しくない物なのだ」
マルセルは力説しながらコップに口を付け目を見開いた。
そして口の中で転がすような仕草をしてから飲み込み俺を睨みつけた。
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