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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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紹介

売り込みをしている商人を見ながら休憩をしていると女性係員が手にトレーを持って帰って来た。

 女性係員が持っていたトレーにはカードが乗っている。

 あれが商業ギルドの会員証何だろう、鈍い銀色をしているけど鉄製なのかな?

 俺が考えている間に女性係員はカウンターに座り直し説明を始めた。


「お待たせいたしました。こちらがギルド証になります。

 ギルド証には魔法で預金残高と倉庫利用情報が記録されております。

 無くされると再発行に1万リル掛かり、本人確認に1週間かかりますので。ご了承ください」


女性係員は説明をしながらトレーを置きトレーごとカードを差し出された。

 俺はそれを受け取る前に俺は自分の売るものとそれを買ってくれそうな店を紹介して貰うことにした。


「ありがとうございます。後私の販売したい商品、酒なんですが買い取って頂けそうな所は御座いますか?」


俺が紹介の件について質問しながらウィスキーの入った瓶をポシェットから取り出した。

 女性係員は瓶を見て俺を見直すと提案をし始める。


「お酒に限らず食品から日常生活品、武器や防具に至るまで商業ギルドで買い取りを行っています。

 もしよろしければ買い取り致しますよ?」


女性係員の提案に俺は悩んでしまった。

 う~ん商業ギルドなら転売の心配は無いか?でも買い取るからには自分達の利益は乗せるよな。

 それにできればルーデンスに売った物がバームサルンの領主の手に渡ってから売り出したいな。

 それにできれば飲み屋で飲んでもらいたい、瓶に入れてそのまま売ったら必ず転売に遭うだろうから出来ればその場で飲む所に売りたい。

 

俺は少し考えてから女性係員に答えた。


「いや、出来ればその場で消費する場所に売りたいのですが、何処かありませんか?」


俺が販売先を聞くと女性係員は「少々お待ちください」と一言声を掛け奥へ行く。

 その様子を見送り、俺はどうするか考えていた。

 俺の現在知ってる酒が飲める場所は冒険者ギルドの食事処だけだ。

 でもあそこは高い酒を置いても売れるとは思えない、だからと言って安い酒はビールや酎ハイ位か焼酎ぐらいしか知らない。

 ビールや酎ハイは冷たくないと美味しさがな~それに炭酸が抜けるとマズイよな。

 焼酎は癖があるし好みが分かれる、それに焼酎だってウィスキーと値段変らない。

 

う~ん難しいな、いっそ鏡、辺り安価で販売するか癖が無さ過ぎて酒を飲んでいるという気分になれないんだよな。

 でも癖が無さ過ぎて売れないかもしれない。

 まあ売り込んで買てくれるなら売ってみようかな?値段は火酒より安くしないと売れないかな。

 幾ら飲み易くてもどう考えても火酒の方が美味い、そりゃ割るなら癖がない酒の方がいい。

 でもストレートで飲むと飽きる。この世界では果物が1個200から300リルするんじゃ中々果汁を使った酒は高くて飲めんよな。


俺が考え事をしていると女性係員が戻って来る。

 その手には大きな本の様に紐で端を閉じられた紙の束があった。


「お待たせしました。何度も退席してしまい申し訳ございません」


女性係員は退席を謝罪してきたが俺は気にしてはいない。

 彼女が退席した理由も分かっているので問題無いことを伝えると女性係員は笑顔を深くしお辞儀をした。

 自分の為に動いてくれた人に怒る人なんているのか?もし怒るような奴がいたらちょっとカルシウムが足りていないかもしれないから。

 腹いっぱい牛乳を揉ませてあげよう、なに俺の親切だよ?


俺が気にしていないことを伝えた女性係員は本の様な厚い紙束を開き話始める。


「お客様のご要望でございますとお酒を扱う食堂もしくはレストランや酒場になります。

 この町内に有る店だけでも12件ございます。ですが全部回られますか?流石に多いですので絞りますか?」


女性係員の言葉に俺は悩む、さすがに高いから買える店が少ないだろう。

 そのことを考えてから俺は追加で絞り込むことにした。


「いえ俺の提供する酒は高いですので買える所のみになってしまいます。

 この一瓶で1万リルです。ですのでコップ一杯注いでしまうと1500リルぐらいになってしまいます。

 そうなりますと高級店でのみしか出すことはできませんよね」


俺がウィスキーの説明をすると女性係員は目を丸くして「それわぁ~」と言いながら明らかに躊躇しているのが見て取れた。

 分かる、分かってるんだけど騎士団に売ってしまった手前安く出来ても5千リル。

 そうなると高級店にしか下ろせない、一瓶5千は流石に買ってくれる所が限られる。


俺の説明に引いていた女性係員は気を取り直して紙束を開きめくっていく。

 そして該当しそうな店を見つけたのか顔を上げ話し始めた。


「お客様の話から買ってくれそうな宿屋で1軒のみです。

 そちらは貴族様のご利用する宿で“黄金の庭亭”と言います。

 消費する場所でなければ大きな商会でしたら買い取って貰えると思われます」


女性係員がスラスラと説明してくれるので、俺は取り合えずそちらに売り込みに行くことにして、一応紹介状を発行してもらった。

読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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