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それは命の泉沸く  作者: 渡海
マルクス村
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コンソメ

俺は見つけた水筒の水をこっそり出すと中にハチミツ医師を生成した。

 これで最初っからハチミツが入っていた様に見えるだろ、他に用意できる物も無いし仕方ないよな。

 

「ご飯できましたよ、そちら終わりましたらご飯にしませんか?」


俺が声を掛けるとみんな集まって来たので渡された袋から食器を取り出しスープを盛りつけて渡していく。

 一番先に手に取ったケインが匂いを嗅いで微笑み頬を緩めた。


「お、美味そうだな、あの材料で良くこんなに美味そうに作れるな」


ケインはスープをまじまじと見て聞いて来たので、俺は笑いながら口の前に人差し指を立て。


「企業秘密です」と答えて誤魔化した。


そんな俺の答えを聞いたケインは怪訝そうに片眉を上げ俺を睨んでから焚火の近くに腰を下ろしスープ皿を下に置いてから祈りを捧げ始めた。


「太陽神と月の女神にこの糧をお与え頂いたことを感謝します」


ケインは手を組み祈りの言葉を捧げた後スープを持ち直して口に運んだ。


「うま!これで野営の料理なんて信じられん!なんだこの美味さは!」


ケインはスープを一口食べ驚愕しながら声を上げた。

 その様子に他のみんなも取りに来てスープの入った皿を受け取ると祈りを捧げた後スープを飲み始めた。

 

そんな中俺はずっとヘルムを被って喋らなかった騎士に目を向けた。

 ずっとヘルムを外さないから気になっていたこともそうだが、顔を知らない相手と話すのはやっぱり緊張するからな。

 確認のためにヘルムの騎士を見ていると騎士はヘルムを脱ぎ始める。ヘルムからは綺麗な長い銀髪がヘルムから流れ落ち、浅黒い肌に整った顔立ち鋭いが澄んだ紫の瞳が現れた。

 顔立ちからは女性だと解るが鎧のせいで断言はできない、そんな銀髪の騎士はヘルムを自分の横に置いてスープを食べ始めた。

 美味しかったのか銀髪の騎士は目を見開き薄く笑うとスープを食べていた。


それにしても寡黙、全然喋らないな。

 俺が銀髪の騎士を観察している間にサルトも俺からスープを受け取りスープを食べて感嘆の声を上げた。


「美味いじゃ無いか!よくあの材料でこれだけの味を出せたものだ。

 王都の一流料理店で飲んだスープの味に近いな、これだけの味が出せれば店を出したら儲かると思うぞ。

 王都のレストランは高いからな、騎士の給料ではとてもじゃないが食べに行けない」


サルトは俺のスープを飲んで感想と共に愚痴を零す。

 レストランはどの世界でも高いんだな、でもそこの味に迫ると言う事はこの世界の料理技術はそんなに低く無いのかな?

 少なくてもコンソメスープは有るらしい、まあコンソメって作るのにやたらと時間が掛かるし透き通るほどの物は火加減や灰汁取り後は気候にも左右されるって聞いたことが有る。

 そんなスープ安くはないよな~美味い物は高い、これはどんな世界でも共通なんだろうな。


俺がサルトの愚痴を聞いて自分の考えを纏めているともう一杯飲み終わった皿を持ってケインが物欲しそうにしながら俺に聞いて来た。


「すまない、おかわり頼めるか?」


ケインが言いながら皿を出してきたので俺は頷き「良いですよ」と言うと皿にスープを注ぎ渡した。

 その様子に他のみんなも次々とおかわりをし始めた。

 俺は直ぐに自分の分だけは確保してあったので後はみんなが満足するまでコンソメスープを増やし続ける。

 もちろん中の具は早々に無くなってしまったけど、スープだけでも満足して貰えた。

 

でも余り増やし過ぎると怪しまれるので鍋2杯分までにしておいたが、バレなかったと思いたい。

 その間に俺は水袋の中に出したハチミツ医師を回しながら説明した。


「取れたハチミツを水袋に入れて来てますので、よかったらどうぞ」


俺は声を掛けながら水袋を渡すとみんな回してパンに掛けていった。

 特に銀髪の騎士は気に入ったらしくパンを齧るたびにハチミツを掛けて食べては顔を綻ばせていた。

 

「それにしても魔法も使えて料理も上手いとは本当に惜しいな」


サルトは名残惜しそうに俺の顔を見て言うのでおれは苦笑して答えた。

 明確に言うと魔法じゃないけど見た目変わらないからな、それに多分液体って言われても何が出せるのかピンとこないんじゃないかな。

 

みんなは俺のスープを堪能して食事を終えると寝る準備を始めた。

 野営の見張り番は順番にすることになり、俺は一番最初の見張りをするように言われたのでみんなが起きた時の為に飲み物を用意して置く、と言ってもこの場に有ったらおかしい物は入れない。

 俺的にはコーヒーが欲しい所だけど、村から来た人間がコーヒーなんて持ってたらおかしいからここは麦茶で我慢した。

 麦茶って言ったら夏に冷たいのを飲むイメージがあるけど、温かい麦茶も美味しい物で香ばしい香りが心を落ち着かせてくれる。


ポットに麦茶を入れた俺は麦茶を飲みながら月夜に煌めく星を見ながらのんびり過ごしていた。

読んでくださりありがとうございます。


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