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それは命の泉沸く  作者: 渡海
マルクス村
30/93

過去

GW中は1日一回投稿されますので暇つぶしにでも読んでいただければ幸いです。


俺は男の案内で今、男達の村の近くの林に身を潜めている。

 村では女性と子供が一所懸命畑を耕し雑草を毟っている。

 その様子を遠目で見ながら俺は一緒に来た男に話しかけた。


「それで、ここまで来たけどどうすっかな~、一番簡単なのは闇夜に乗じて夜逃げするのが一番簡単なんだけど。

 いきなり言っても逃げる準備に時間掛かるよな~、あんた住民を説得できるか?」


俺は考えを言葉にしながら案内してきた男に声を掛ける。

 男は顎に手を当て少し考えてから提案をしてきた。


「俺が自分の家に行って話してきます、逃げ出す時はどのくらいにしますか?」


男の提案を聞いた俺は少し悩んでから答える。


「そうだな、月が一番高い時に村人を連れ出そう、もしばれたら光を見える様に火を焚いてくれそれで突入する」


俺が計画の内容を言うと男は真剣な顔で頷いたので俺も頷くと男は村の方へ走っていった。

 

男と別れた俺は林に隠れて夜になるのを待っていた。

 この村に付いたのは夕方だったためそんなに待たずに居られるだろう。

 俺は待っている間、あることを思い出していた。


俺には妹がいた。

 妹は俺より3つ年下で活発な子だった。

 俺が18の時、妹が交通事故であっさりといなくなってしまった。

 

妹と俺は仲も良かったし俺は兄として妹を守ってやらないとなんて一丁前に思ってたことを覚えてる。

 それなのに妹はあっさりと交通事故で行ってしまったんだ!

 

それだけなら単なる事故で終わったかもしれない、俺達家族にとっては一生忘れられない大切な者との別れだけど・・・。

 

今でも思い出してしまう、そのたびに自分の弱さを実感してしまうんだ。

 何もやることが無くなると思い出してしまう、あの苦い記憶を。


俺は月が上って来るのを見上げながら過去に思いを馳せていた。

 

月も上がり俺は村へ向かう、隠れられそうな場所は俺が隠れていた林しかない平原を少し背を屈めて一気に村で一番近い家の影迄走り寄る。

 俺は走り寄った家から村の中を確認するとまだ家の灯りが付いている家もたくさんあった。

 しまったあの男と連絡する手段がない!?月が天辺に上がったら家から出て来てくれるかな?

 

俺がどうするか考えている間に少し遠くの家の扉が空き中からあの男と嫁さんかな?20代位の女性が出てきた。

 俺はそれを確認すると男のいる場所に走り寄った。

 俺が近付いてきたことに気付いた男は手を大きく振りこちらに合図を送って来る。


「村の人たちには話は付けれたのか?」


俺は男に近づくと首尾を聞く、すると男は頷き答えた。


「ええ、俺と嫁で全部の家を周りました。後は逃げるだけです」


男の言葉を聞いて俺は頷き一応の保険として追いかけられても困るから村長の家も聞いておこうと考えた。


「村長の家って何処に有るんだ?」


俺が質問すると男は左を指さしながら「そこの角を曲がった先です」と答えてくれた。俺はそちらに走っていった。

 向かった先には他の家より少し大きな家が見えてきた。

 だがその家からは光が漏れていた、


うん?まだ起きてんのか?そうなると邪魔されそうだな。こんな所で人なんて殺したくないぞ・・・。

 仕方ないこうなったら出口を全部水で閉じよう。

 俺が村長の家に近付きながら水で塞ごうとした扉が突然開け放たれた。

読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。

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