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それは命の泉沸く  作者: 渡海
マルクス村
27/93

残党

ゼブラアを狩って来た日の夜、俺はトイレの為に家の外に出た。

 外はまだ暗く月明りに照らされる村の様子は静まり帰っていた。

 俺は用をたす為家の裏に回り込み用事を済ますと家に戻ろうとした。


その時俺は自分の張った水の壁に誰かが触る感覚を液体感知で感じることができた。

 うん?盗賊が水の壁から出ようとしてんのか?まだ逃げる気力が有ったんだな。

 仕方ない捕まえ直すか、もし抵抗するようなら・・・。



だがこの夜中に盗賊達を捕まえていた広場から声が聞こえて来る。

 俺は盗賊達が逃げる算段でもしているのかと思い、静かに広場の見える場所まで近寄った。


そこには俺の張った水の壁に囲まれた盗賊達と水の壁の周りをウロウロとしている3人の男がいた。


「なんだこの水の壁!中に仲間がいるのは見えるが触ると弾かれるぞ!

 これ突っ込んでも大丈夫なのか?少し触っただけでも指が上に持ってかれて弾かれたんだが?」


水の壁の前にいた男の一人が水の壁の感触を言う、他の男達も不気味な物を見る様に水の壁を見る。

 水流を上に勢いよく流れる様にしてあるから、もし突撃何かしたらそのまま粘度の高い水に絡め捕られて紐無しバンジー体験ができるな。

 村人に見張りをお願いするのも忍びなかったので壁を改良して設置して置いた。

 実はこの壁子供の背丈で触ってもベタベタするだけなんだよね、大人が触るとダイナミック高い高いにご招待されるけどな。


いや~液体操作マジで使えるわ~操作出来なかったらただのベタベタする水だからな。

 もっとうまく操作できるようにならないといけないな。

 

「どうすんだこれ、入り口とかあるのか?仲間がこのまま騎士団にでも連れていかれたら村の場所がバレちまうぞ!

 そうなったら俺達も指名手配になるかもしれないぞ、そうなったらこの国から逃げ出さないといけなくなる!」


1人の男が静かに怒鳴ると言う器用な話し方をしながら他の2人の意見を求めた。

 残る二人はお互いの顔を見るとひとりが決心したように頷き話し始めた。


「分かった、一か八か突っ込んでみる!それで突っ切れたら仲間の縄を解くよ」


頷いた男がそう言うと走って水の壁に突撃していく、だが男の身体が半分ほど入った所で男の身体が浮き上がり空へと巻き上げられていった。


「うわあああぁぁぁ・・・ぁぁぁああ、ぐは!」


男は星空に溶ける様に上空へ吹き飛ばされ、少しの間滞空したのちに地面へと叩きつけられた。

 落ちた男は痛みに呻いている所に仲間たちが近寄って来て声を掛けた。


「お、おい、大丈夫か?スゲー吹っ飛ばされたみたいだが・・・」


駆け寄った仲間が声を掛けると呻いていた男は、手を上げ大丈夫であることを仲間に伝える。

 その様子に安息した仲間は改めて水の壁を眺める。


俺はその一部始終を家の影から眺めていた。

 それにしても見事に飛んだな、上手くいったのは良いんだけどちょっと危ないな。子供の背丈の水は対流させてないとは言っても危ない事には変わりないな。

 皆が起き出すころには消す様にしとこう、もし間違って突っ込んだら高い高いされちゃうからね。


俺は考えをまとめると男たちの方へ歩き始めた。


「おい、お前ら盗賊の仲間か?」


俺は水の壁に気を取られていた男達に後ろから近づいて声を掛ける。

 男たちは驚きながら剣を抜き俺の方に向き直った。

 その様子を眺めながら適当な距離で立ち止まる、相手に声が聞こえる所まで近づき立ち止まった。


「なんだテメー!この村の奴か!」


前に出た男が俺に怒声で答えてくる、だけど俺は努めて冷静に男を見て声を掛けた。

 

「いや、この村に厄介になってるけど、この村の人間じゃないよ。

 いやあんた達に盗賊を助けられちゃ困るから捕まえようと思ってね」


俺は男達に声を掛けながら自分に注意が来るようにする。

 それと同時に男たちの足元に水を這わせていき捕まえる準備をしていた。

 

男達はそのことには気付かず俺に怒鳴って来た。


「さてはテメーだな!?仲間をこの水の壁に閉じ込めてんのは!早く出しやがれ!」


男は剣をチラつかせながら俺へ近づいて来ようとした。

 だが少し近づいた所で男の足元から水を踏む音が聞こえてきた。

 それに気付かなかった男はさらに踏み出した所で足元から水が男の足を絡め捕り始める。


「なんだこれ、水か?なんで水が身体に巻き付いて来るんだ!くそテメーだなふざけんな!この水止めやがれ!」


男は必死に藻掻きながら俺を怒鳴りつける。

 でも俺が水を止める気配がない為、俺から目を離して自分の身体を這い上がって来る水に恐怖し我武者羅に身体を動かしていた。

 その様子に他の男達は仲間を回り込むように俺に近付こうとしたが、最初の男が近付いたぐらいの距離になると同じ様に身体に水が巻き付き始めた。


「クソ、ふざけんな、ぜってー後悔させてやるからな!」


最初の男は水に全身を包み込まれ、水球から頭を出した状態で悔しそうに俺を睨んでいた。


「おー怖い怖い、怖いから死んでもらおうか?」


俺は肩を竦めながら呟くと睨みつける男の頭を水で覆いつくす。

 いきなり頭を水で包まれた男は顔から水を剝がそうとするが、水は掴めず足掻くことしかできなかった。

 少し苦しい思いをした所で水を顔から剥がしてやると、大きく噎せて荒い息をする。


「大人しく捕まるならこれ以上はしないけど、まだ反抗するならめんどくさいから死んでもらうよ」


俺は軽い調子で男達を脅す、もちろん実際に殺すつもりは無いんだけど反抗されても面倒だし。

 それで犠牲が出たら俺は自分が許せなくなる気がするから、脅すことに躊躇いは無い。


俺の脅しを聞いた男達は最初は俺のことを睨んでいたが説得(物理)で最後には大人しくなってくれた。

 最後の方は水じゃなくてハバネロ先生を顔に張り付かせていたから相当効いたと思う。

 男達を捕まえた俺は眠気に勝てなかったため、取り合えず男達を水牢に突っ込み朝まで眠ることにした。

 もちろん縛り上げるのも面倒くさかったので水球に入れたままだ。

読んでくださりありがとうございます。


 ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。

誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。


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