INT+1
俺がステータスを呼び出し眺めていると男の子が俺のステータスボードを覗き込んできた。
「おっちゃん、ホントに弱いんだな・・・」
男の子はそう呟き哀れむような視線を俺に向けてきた。
え?俺のステータスそんなに弱いのか?不思議に思ったから聞いてみた。
「どの辺を見て弱いって思ったんだ?」
俺が質問すると男の子は自分のステータスボードを俺に見せてきた。
名前 ジン
年齢 10
レベル 3
戦力 33
スキル INT+1、農業、
「俺でさえ戦力30有るんだぜ、父ちゃんは確か110は有ったと思う、なのにおっちゃんは50しかないんだからそんなじゃ直ぐに追いついちゃうよ。
それに見たこと無いスキルだけど3個しかないし、おっちゃんが自分で弱いって言う理由解ったよ。
でも盗賊は捕まえたんだよな~、おっちゃんって強いのか弱いのか分からないな」
ジンと言うらしい男の子にナチュラルにディスられて俺はその場で膝から崩れ落ちそうな感覚に陥っていた。
落ち込んで俯いてしまった俺を見たジンは明るい声で俺に話しかけてくる。
「でもおっちゃんは村を救ってくれたことは凄いと思ってるんだぜ、だからスキルの使い方教えて貰いたかったんだ!」
ジンは努めて明るく俺に声を掛けてくれる、でも俺はジンに慰められて逆に落ち込んでしまった。
この年で子供に気を使われるってすごい恥ずかしいな、でもそうか俺って弱いんだな。
盗賊捕まえたぐらいで調子に乗ってたよ、もっと慎重にならないとな。
俺はジンの励ましを聞きながら、自分の強さについて考えていた。
どうもジンの言う事が正しければ俺は弱いらしいから、余り調子に乗らないでおこう。
俺が決意を固めているとジンが服の裾を引っ張って来た。
「おっちゃんそんなことより、スキルの使い方教えてくれよ」
ジンは俺の裾を引っ張りながら話しかけて来るので、そちらを見るとジンのステータスボードを見せてきた。
そこにはINT+1と農業と書いてあった。
農業は手伝いでもしていて付いたのかな?これについては分かってるだろう。
だけどINT+1は普通に見ただけじゃ解らないかもしれない、俺だってゲームの知識しかない。
確かゲームだとINTってインテリジェンスの略だったよな、確か意味は知性とか知能だったか?
でもステータスボードには能力値なんて出て無いよな?有るのは戦力だけ、戦力が能力値なんだろうけど、細分化されてないから何がどのくらい高いのか分からないな。
俺はジンのステータスボードを見ながら顎に手を当てて考え込んでしまった。
「おっちゃんなんかわかったか?」
ジンは不安そうに俺に尋ねてきたので俺は頷きジンの頭に手を置いた。
「まあなんとなくな、ジンのスキルは頭が良くなるんだ。
このスキルは多分常時発動型、あ~つまり使おうと考えなくても勝手に使われてるんだと思う」
俺が説明するとジンは頷き。
「じゃあこのまんまでもいいの?」
俺の言葉にジンは質問してきたので俺は悩んでしまった。
このままで良いのかな?いくら頭の回転が良くても教わって無い物は分からないんじゃないか?
なら数学とか科学の基礎を教えたら、もしかしたらこの世界で初めての科学者になれるんじゃないか?
でも俺の知識なんて初戦は高卒程度の知識しかない、しかも長年勉強何かしてこなかったから日常に使う物しか覚えてないって言うね。
俺は自分の知識の無さにガッカリしながら、取り合えず使えそうな数学知識と科学知識を教えようと思い、その辺に落ちていた石で地面に先ずは算数から書いて教え始めた。
俺が地面に書いた数字を見ながらジンは真剣な顔で自分も落ちていた石を拾うと地面に書き始めた。
俺がそれをし始めると子供達や大人も寄って来て俺が教える算数を聞いたり地面に書いたりし始めた。
そうしているとべリアラ婆さんが近付いて来て話掛けて来る。
「何だいセンは計算できるのかい?こんな村だと教える所が無いから出来る人間と出来ない人間で分かれちまうねぇ」
婆さんはそんなことを言いながら俺が計算を教えている様子を眺めていた。
俺は婆さんに見守られながらよく使う計算を教えていった。
しばらく計算を青空の下で計算を教えているとあっと言う間に空が茜色に染まりだしたので、俺は切りの良い所で終わらせ皆に別れを言うと婆さんの家へ帰っていった。
あ、マズい魔石のこと忘れていた、明日行ってもまだあるかな?
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