魔石
木材から取れた樹液が油の様に使えることを発見した俺はこれを何かに使えないかと考えていた。
一番身近なのは蝋燭の代わりだな、後危ない使い方も考えついた。
これだけ火が付きやすいとアレが作れちゃうよね、手軽な攻撃手段で古くから使われている。
よく過激な暴動の現場でも見かけるあれですよ、火炎瓶!
アレが有れば少しは村の防衛に使えるんじゃないかな?
まあ火だから下手したら自分の家とか火事の元だけど、うまく使えば魔物から村守るのに使えそうだ。
そしてこの樹液が燃えやすいってことは、今から作る家も燃えやすいってことだから、どうにかしないとな~。
家が燃えにくくする方法は有るんだけど、まだ家も出来て無いから今使っても仕方ないよな。
帰ったらべリアラ婆さんに相談してみよう、もしかしたら平和的に灯りとして使ってくれるかもしれないからな。
「旦那行きますよ」
俺が樹液で実験しているとテスが声を掛けてきた。
そちらを向いて手を上げてから火を消した俺は、獲物と樹液を浮かせながらテス達と合流する。
エスたちは馬に木を引かせる準備を整えて俺を待っていた。
「済まない、待たせましたか?」
俺が誤りながら聞くとテスは笑いながら手を振り。
「待ってませんよ、じゃあ行きますね」
テスの号令でお馬さんに木を引かせながら進む、その時運びやすい様に払った枝を敷いて車代わりにする。
おかげで少しはお馬さんも楽になるだろう、無かったら地面を無理やり滑らすことになるからな。
俺達は馬と歩調を合わせて村え戻る、と言っても村は目と鼻の先なんだけどな。
「ただいま~」
俺がべリアラ婆さんの家に着いて帰宅の挨拶をすると中から答える声が帰って来た。
中に入ると婆さんはテーブルで何か書いていた。
お、婆さん何か書いてるな何だろう、村の修繕費でも計算してるのかな。
「何だいぼうっと見てんじゃないよ、獲物は取れたのかい?」
婆さんは書類から顔を上げ睨みつけてくる。
俺はそんな婆さんの前に今日取って来たレッドバレットとザブラアが入った水球を見せる。
婆さんは俺の取って来た獲物を見て頷き、テーブルから立ち上がる。
「着いて来な、それを調理するにゃ家じゃ狭いからね、広場でやるよ。
肉に頭も持って来たのかい、ザブラアの角は魔術師の杖の材料として高く売れるから町に持って行って売るといいよ。
魔石はどうしたね、毛皮と一緒かい?」
婆さんは俺の戦利品を見ながら説明してくれる。
でもマセキ?そんな物有ったのかな?俺は不思議に思いながら首を傾げて婆さんに聞いた。
「マセキって何です?それらしい物は無かったと思うんですけど?」
俺が首を傾げながら婆さんに聞き返すと婆さんは一度深くため息を突き、俺を睨みつけると話し始めた。
「魔石ってのは心臓の近くにある石のことだよ、魔物は大体心臓か眉間に有る奴が多いねぇ。
ザブラアは魔法を使うから必ず有るはずだよ、内臓ちゃんと調べたかい?」
俺は婆さんに言われて解体の様子を思い出していた。
確かに内臓はグロくて確認せずに捨てちゃったからな、失敗した。
マセキ、魔石ね、その存在は小説で聞いたことあるから知ってたけど、まさかこの世界でも有るとは思わなかった。
魔石ってあれだろ魔法の威力上げてくれたり電池みたいに使える石だろ。
内臓の中に手を突っ込むのは流石に難易度高すぎだ!
あ、でもしっかり洗えばホルモンだ・・・それなら大丈夫か?
食べないよ食べないけど、でも心臓なら寄生虫とか怖くなさそうじゃない?
俺はそんなことを考えながら婆さんに着いて行くと何時もの広場にテーブルと調理器具が用意されていた。
その前には村の女性達が集まって談笑していた。
広場に俺が来るとみんな嬉しそうに歓声を上げ喜んでいる。
そりゃそうか、この近くの魔物は強くて狩れないんだもんな、みんな肉が食えることなんて少ないんだろう。
俺はテーブルに近付き水球の中からザブラアとレッドバレットを出すと女性陣で手早く肉を切り分けていく。
その様子を見ながら俺は婆さんに話しかけた。
「婆さん皮を下処理してくれる人ってこの村に居ますか?」
俺が魔物の皮を両手で持って見せると婆さんはそれを見つめて俺から受け取ると頷いて持っていった。
その後ろ姿を見送った俺は途端に暇になってしまった。
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