魔物の縄張り
昨日の夜べリアラ婆さんに狩りに行くことを伝えた俺は朝起きて直ぐに準備をし始めた。
と言っても持ってく物なんて特にないんだけど、俺の持ち物なんてこの世界に飛ばされた時に持ってた物ぐらいしかない。
なら婆さんが用意してくれた物を持って行くぐらいだな、武器とか必要無くて身軽だな。
「おはようございます」
俺が朝の挨拶をすると婆さんが頷き朝飯を用意してくれる。
婆さんと朝飯を食べながら今日の予定を話すことにした。
「婆さん今日はどうすれば良いんだ?木樵や男達を護衛するだけでいいのか?」
俺が婆さんに質問すると婆さんは頷いて話し始めた。
「そうさね太い木を10本切ってくれば家の立て直しは出来るだろうけど・・・あの森で木を言ってると木を切る音で魔物が寄って来ちまうのさ。
だから必ず戦闘になると思っとくれ、魔物どもは野生動物と違って人間がいると解りゃ襲ってくるからねぇ」
べリアラ婆さんの言葉を聞き俺も考えこんでしまった。
野生動物は熊でさえ人に自分から近づかないって聞いたことが有る、でも魔物は違うのか。
何でだろう?闘争本能が強いのか?それとも食欲かな?どちらにしても襲ってくるなら戦わなきゃいけない。
「持ってく物ってありますか?」
俺が婆さんに聞くと婆さんは頷いて話してくれた。
「とりあえず鉈とロープ、後は携帯食料と解体ナイフを持ってきなここは昨日説明したベルザークの縄張りだからね。
ベルザークは獰猛な魔物だけれど森から出ないから、ベルザークが出たら森から出れば逃げ切れるよ」
婆さんの言葉に俺は納得して頷いた後厨二心が擽られあのセリフを言ってしまった。
「だが、倒してしまっても構わないのだろう?」
俺がドヤ顔で宣言すると婆さんは呆れた顔で俺を見た後溜息をついて話し始めた。
「何言ってんだい、ベルザークが森から出ないから儂らはこんな森の近くに村を作れて暮らしていられるんだよ。
もし他の魔物だったらこんな村なんか一瞬で襲われて潰されてるだろうよ、だからベルザークは脅威だけど森の外なら大丈夫なのさ。
だからベルザークと出会ったら逃げるんだよ、センならもしかしたら倒せるかもしれんが、ベルザークには生きていて貰わないと儂らが困るからね」
婆さんの話を聞いて俺は頷く、その様子を見て婆さんも頷いてくれた。
なるほどベルザークの縄張りと習性を利用してるのか、でもそれだと他の魔物も来ないんじゃないのか?
俺の肉はどうなるんだ?肉が食いたいから狩りに行くのに獲物がいないんじゃ話にならんぞ?
俺は不思議に思って婆さんに聞いてみることにした。
「婆さんこの近くはベルザークの縄張りなんですよね?そうなると他の獲物はいないんじゃないですか?」
俺が首を捻りながら聞くと婆さんはフンと鼻で笑い。
「何もベルザークの縄張りだからってまったく獲物がいないってことは無いさね、昨日もいったメイルサス何かはいい例だね。
ヤツは硬い皮膚に覆われてるし突進力も強いから、ベルザークも余り手を出さないのさ、ベルザークがメイルサスに手を出す時なんて相当腹が減ってる時だからねぇ。
そんな時に出会っちまったら最悪さね、まあ頑張って森から逃げるしかないねぇ」
婆さんは笑いながら言うけど俺はこれから森に入るんだ笑えないよ。
折角だから倒しやすい魔物を教えて貰っとこう、肉の確保のためだ。
それに魔物の情報はこんな世界だ、有って無駄になるってことは無いだろう、俺に物語の冒険者の様なことができるか分からないけど。
働き口としては考えといても良いと思ってる、それに憧れるよな冒険者!やっぱこんな世界なら冒険したいじゃん、大量の魔物に囲まれても無双する主人公って心躍る物が有るよな。
なら必殺技の一つや二つないといけないか、ウォーターカッターは必殺技になるかな?
ハバネロ先生は必殺技って言うより暴徒鎮圧用の技だから必殺じゃないよな~。
何かもう一つぐらい考えとこう、俺がそんなくだらない事を考えている間に食事も終えていた。
「そうだ婆さん他に狩りやすい魔物っていますか?」
俺が聞いておこうと思っていたことを聞く、すると婆さんは頬に手を当て考え込む素振りを見せてから話し始めた。
「そうさね、草食系の魔物なら狩りやすいかねぇ、ザブラア何かは比較的おとなしい魔物だよ、鹿の様な枝分かれした角の生えた馬の魔物で草食だから人を襲う事は無いねぇ。
でも風魔法を使って外的を排除しようとするから、気を付けないと風の刃でズタズタにされるよ。
後はレッドバレットって赤い毛の兎の魔物がいるが、早くて捕まえられないだろうさ」
婆さんの話を聞いて俺は一筋縄にはいかないことを感じていた。
読んでくださりありがとうございます。
ブクマ、評価、感想、とても励みになっております。
誤字脱字等がありましたらご報告よろしくお願いします。




