55 暗黒神と土地神 その1
神殿に戻ったところで、めでたしめでたしで終わるわけでもない。
なにせ人口が倍になったのだ。
やっと解決しかけていた住宅問題その他が、再燃する事になる。
やっと仕舞い込んだ天幕が、再度大活躍である。
「もっと落ち着いて移動できれば、家ごと引っ越せたのにな」
余計な連中が迫っている中では、家財道具などを根こそぎ持ってくるのがやっとだった。
それでも、有用な品はだいぶある。特にありがたいのは、隠れ里で育てていた作物とその種苗だろう。
だいぶ種類が増える。
「あの連中を始末した方が楽でしたか」
ヒイが思案顔で言う。
虫も殺さぬような容姿で、発言は相変わらず武闘派である。
「一緒に領兵らしき連中もいたからね。一人でも逃せば十倍以上になって返ってくるよ」
「少しは時間は稼げても、村全体を持ってくるのは無理ですか」
「そゆこと」
重量物の周囲に転移陣を描く事で、転移させる事は簡単だ。
だけど親局に転移させたあと、それをどかす必要がある。
実際、ミカゲの本体である黒御影石を転移させたあと、それをどかすのがちょっと面倒だった。
魔法でどかすのだけど、慣性を殺すのにちょっとコツがいるのだ。
もう会得したので大丈夫だが、オーガの男性3人ほどが頭や肩に打撲を負ってしまった。
ま、尊い犠牲という事で。
本当はねー。親局についたら、直接別の目的地に運ぼうかと思ったんだけど、設置予定地に新たな子局魔法陣を描くために転移する必要があったんだよね。
いや、盲点盲点。
今ある子局は建物の中だから、直接岩を転送させるわけにもいかない。
結局、岩を親局からどかす。親局から転移。新しい設置場所に子局魔法陣を描く。親局に戻って岩をセット。岩を設置場所に転移。という面倒くさい手順を踏む事になってしまった。
いや、計画って大事だな。
こんな面倒くさい手順になったのは全て、ミカゲの本体を神殿の村ではなく、ダミー用の村に設置する事にしたせいだ。
短めですみません。
生活リズムをなんとか取り戻して、執筆速度を上げたいです。
あまり変わっていないという噂もありますが…




