45 ダークエルフ、ぶらり旅 その6
「魔力は使えるか?」
男の声にヨーは頷く。
ミイは先ほど印を見せているので、答える必要がない。
「では、ついてこい」
(丁重にって言ってたのに)
ミイの呟きに、ヨーは苦笑いを漏らした。
一行は真っ暗な山中を驚異的な速度で駆け抜けていく。
ミイもヨーもついていく事は可能だったが、道案内がなければ出すことが不可能な速度だ。
30分はたった頃。一行は足を止めた。
「着いたわ」
サクラが言うが、周囲は暗闇に沈み集落らしきものは見当たらない。
「なにもない。いえ、なにか感じる」
ミイの呟きに、サクラは薄く笑った。
「良く分かったわね。こっちよ」
そう言いながらサクラが一歩踏み出すと、彼女の姿が見えなくなった。
「結界の一種か?」
「ああ。ミカゲ様の結界だ」
ヨーの言葉に男たちの一人が、誇らしげに頷く。
結界を通る際には、特に抵抗などはなかったが、見える光景は全く違っていた。
篝火が煌々と焚かれ、家々の間を何人もの人々が行き交っている。
全員が黒髪に黒い瞳、少し赤みがかった肌をしている。言ってみれば日本人に近い。いや、顔は彫りが深いので、理想の日本人といったところだろうが。
「こんな村を隠し通す結界とは、恐れ入ったな」
「それにしても夜中というのに、賑やかね」
「子供が3人、行方不明だからな。探し回っているのさ」
サクラの言葉に改めて周囲を見回せば、確かに心配気な顔が多い。結界を出て行く者たちもいる。
「こちらへ」
そんな中、サクラたちは集落の奥にミイたちを案内する。
篝火も少なくなり喧騒から遠ざかる。そのためだろうか、厳かともいえる雰囲気がした。
一辺2メートル程の、四角い黒御影石が鎮座していた。
案内してきた一同が、膝をつく。
「御命令通り、旅人を連れて参りました」
「ご苦労でした」
岩の上には一人の幼女が。
年齢はクロキと同じくらいか僅かに下であろう。
艶やかな黒髪をおかっぱにして、赤や黄色の美しい柄の見慣れぬ服を纏っている。
クロキが見ればおそらく、こう言ったろう。
「座敷童みたいだ」
と。
「暗黒神の眷属の方々。お初にお目にかかります」
幼女は丁寧に頭を下げた。
ミイたちを取り囲んでいる里の者たちが、ザワリとする。
「わたしは、かつて暗黒神様よりこの地の鎮守を仰せつかった、サクラと申します」
軽い酸欠状態が生んだキャラ、登場です。
ちなみに私はロリコンではなく、おねーさまに弄ばれたい系男子のはずデス。
いやぁ、酸欠状態の脳って思いもよらぬ妄想を見せますねw
まあ、真面目に全く構想になかったキャラなので、今一生懸命ストーリーの修正中です。
次話以降、全くダークエルフでもぶらり旅でもなくなる模様。
当初構想では、時代劇風の話の予定だったんですがね。




