43 ダークエルフ、ぶらり旅 その3
(起きろ。何者かが接近中だ)
その晩、ミイが天幕で就寝中の時間帯の事。ミイは念話で起こされた。
ヨーが天幕のすぐ外にいるにも関わらず、念話を使用したのは、もちろん万が一にも接近中の存在に、気付いた事を悟られないようにだ。
ミイも、手早く準備を整えたが不用意に天幕を出るような事はしない。
(状況は?)
(二人組の連中に見つかったらしい。一人が引き続き警戒中で、もう一人はいなくなった)
(応援を呼びに行った?)
(たぶんな。山頂側からきたんで、冒険者たちの可能性は低い)
(つまり、わたしたちの目的からすれば、このまま待っていればいい?)
(そういう事)
この山にあると思われる隠れ里に接触したい、ミイたちにすれば、願ってもない展開だ。
そのまま、態と動かずにいる事30分程。人の気配が一気に10人に増えた。
左右に分かれて、挟むように接近するようだ。
(いきなり襲われないかね?)
(その時はその時でしょ)
結界を使っているので、いきなり魔法を叩き込まれても、さほど問題にはならない。
気配は、徐々に接近しミイたちを取り囲むような位置で停止した。
暗視を使っているのか、一切明かりを持っていない。その為、ほんの3メートルほど先にいるのに、通常の視力ではその存在は捉えられない。
「なにか御用かな?」
しばらくそのまま動きがないので、ヨーの方から声をかけてみた。
気付かれていると思っていなかったのか、半分程がピクリと身を震わせるのがわかった。
「真夜中に不躾で申し訳ないが、その天幕の中を改めさせてもらえないだろうが」
全く動きを見せなかった影の中の一つが、声を発した。
低目ではあるが若い女性の声だ。
なんと言おうかヨーが考えているうちに、ミイは天幕から出た。
「どうぞ」
出て来た天幕の入り口を押さえて、ミイは促す。
「灯りは必要?」
一人近く女性に声をかけた。
「どうもありがとう。必要はない」
そう言いながら女性は、天幕の中を一瞥する。
「いないな」
そう取り囲む影たちに伝える。
「お探しなのは、人かな?」
ヨーの問いに、女性はジッとヨーたちを観察しているようだった。
「3人の子供を探している。見なかったか?」
女性の言葉に「サクラ!」と鋭い声が上がった。
「子供は見なかったな。麓で冒険者たちらしい集団を見たが」
「お前らも、その仲間だろうが!」
先程と同じ主と思われる声が上がった。
「わたしたちは、あなたたちの中にダークエルフがいないか、確かめに来ただけだ」
「ダークエルフ?」
「そう。わたしたちの仲間にダークエルフがいてね。その同胞を探している」
「ダークエルフは、もういない」
サクラと呼ばれた女性が、仲間達のもとに帰りながら言った。
「もう?」
「100年近く前まで、近くに里を作っていたが、立ち去ったそうだ」
「どこに行ったか知らないか?」
サクラは、立ち止まり振り向いた。
「暗黒神様を探しに行ったそうだ」
「暗黒神様を?」
ミイとヨーは、顔を見合わせた。
読んでいただき、どうもありがとうございます。
対花粉症用マスクとティッシュが、心細くなっていて、ハンカチやタオルで代用する毎日ですw
だからというわけじゃないですが、ちょっと執筆量が減るかも知れません。
週2の更新は、なんとか頑張っていくつもりですが。
それにしてもマスクはともかく、ティッシュは不足デマに惑わされず、
不必要に買うのはやめてほしいですね。
この歳で鼻垂れ小僧は、キツいですw




