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42 ダークエルフ、ぶらり旅 その2

「あれ、なんだと思う?」


目的の山の麓。

草原地帯が終わり、針葉樹の森が広がり始める辺りに天幕が10程も張られている。


冒険者らしき人間が警戒に立っているようだ。


ミイたちは隠蔽の奇跡を使っているので、そう簡単には見つからないはずだ。


「冒険者たちの野営地だろうが、規模が大きいな」


観察を続けながらヨーが言う。


「見張りだけで3人いる。天幕の規模から言って、20人くらいいても驚かないな」

「なんか冒険者といってもガラが悪い」


なかなかヒドい事をミイが言うが、気持ちは判る。

冒険者と言うより盗賊と言いたくなるような格好の者が多い。


「どうする?」


ミイは簡潔に尋ねた。


「目的もわからないんで、近付かないに1票」

ヨーは右手を軽く上げながら言う。ミイも、同じく右手を上げた。


二人は、そのまま野営地を避けて山に入って行く事にした。

結果的に言えば、二人はもう少し野営地の観察を続けるべきだったのかも知れない。

まあ、結末は大して変わらなかったであろうが。




「山に入ってからの方が、緑豊かなんだけど」

「魔物も豊かだけどなっと!」


話しながらも、襲ってきた角猪をヒラリと避けながら、一撃を加えている。ヨーは剣で、ミイは蹴りで。


角猪は悲鳴も上げられずに絶命した。


「今日の夕飯かな?」


手早く血抜きして内臓も処理する。


二人は、旅をするため大目に印を与えられている。水魔法で大量の水を出して、血抜きするなど簡単な事だ。


皮まで剥いでから、皮と肉を収納に収めた。

肉の処理をしているうちに日も陰ってきたので、野営地を探す事とする。


少し歩くと少し平らになった場所を見つけたので、そこに天幕を張ることにした。

木々が多く見通しが悪いが、冒険者たちには見つかりにくいだろう。

だいたい見通しが悪いのは、山の中どこも変わらない。


「夕飯はいいけど、火を使うと冒険者たちに見つかるな」


天幕を手早く張って、さて食事の用意となってヨーが手を止めた。


「でしょうね。奇跡で直接温めるしかないわ」


魔法で直接肉や汁を熱すれば、焦がさない限り煙は出てこないし、当然光も発しない。

暗くなってきたが暗視を使っているので、明かりも必要ない。これで隠蔽も使用していれば、ほぼほぼ誰かに見つかる恐れはないが、今二人は隠蔽を使っていない。


冒険者たちにはともかく、隠れ里の者には見つけて欲しいからだ。


「麓が草原で獣が少なくて、山に木々が多くて獣が多いなんて、ホント変わってる」


ミイが先ほどの話題を続けた。


「たぶん山の方が魔素が多いんだろうな」

「確かに奇跡も使い安いかも」


ミイたちは奇跡と呼んでいるが、暗黒神から直接授かっただけで、ようは魔法だ。威力や発動のし易さは、周囲の魔素の濃度に影響される。


「いずれにしても、何者かが隠れて住むには、いい場所だ」

「隠れ里の噂も噂だけじゃなさそうね。できれば、同胞もいればいいんだけど」


暗闇の中、温かい食事を取ったのち、二人は交代で休む事にする。


隠れ里の住人たちからの接触があったのは、その晩のことだった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 「レンジでチン!」に近い魔法有るんだ(スットボケ
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