24 暗黒神、光の騎士に出会う その4
夜なべして、魔道具編んだだよ。
いや、編んだのは魔法式だが。
ヒイとフウに強制終了されようとするのに、なんとか抵抗して完成した。
2人とも、俺の肉体年齢を真正面から捕らえ過ぎなんだよな。
実際は、不眠不休で3連勤なんて余裕なんだけどな。
元公務員舐めんなよ。
しかも一切、生産性のない仕事で、だぞ。質問取りとか、答弁案作成とか、調査資料作成とか(号泣)。
もの作って徹夜なんて、楽しすぎて困る。しかも、仮にも神の肉体だから疲労もさほどでなく、集中力も持続する。
いつも幼児のフリで、2人に甘えてるから過保護になるのも分かるけどね。
完成した魔道具は、靴と腰紐の留め具に仕込んである。
できれば蝶ネクタイ型も作りたかったが、この世界には蝶ネクタイがないようなので、断念した。
新品の魔道具をきっちり装備して、みんなで1階の食堂に降りていく。
この宿の朝食は、宿代に含まれている割に、気合いが入っていて、気にいっている。
「あら。おはようございます」
食堂には先客がいた。
リシュルたち一行だ。
「おはようございます?」
思わず疑問形になる。
「なぜ、あなた方がここに?」
ヒイが代表して疑問を口にした。
「もちろん、ここに泊まったからです。思った通り食事も美味しいですし、いい宿を紹介してもらいました」
優雅に紅茶を飲みながら、リシュルが微笑んだ。
いやいや、光明騎士って格から言えば、町長とか代官とかに接待されて、その屋敷や町一番の高級宿に泊まるもんじゃないの?
スオナーデに、そんなモンがあるかどうかは、良く知らんが。
俺たちの表情にそんな思いが出ていたのだろう。リシュルは悪戯っぽく微笑んだ。
「私たちは、いつもこういった宿に泊まるの。いろんなことが、わかるしね」
そりゃ一般庶民の生活は、分かるかもしれないけど。
リシュル一行を見廻す。
いずれも十代後半から二十代前半の可愛いらしい女性ばかりだ。
いろいろ絡まれ安いと思うんだけどな。
「私はもちろん、全員がそれなりに使えますから」
リシュルは左の二の腕をポンと叩いた。
「だいたい、あなたたちだって、同じようなものでしょ?」
それは確かに。
というか幼児がいる分、こっちの方が危ういか。
他人の事は全く言えないな。
「クラキ殿たちは、今日は何を?」
お付きの侍女たちは、俺たちに目礼すると、次々食堂を出て行ったが、リシュルは一向に腰を上げる気配はない。
それどころが、朝食を食っている俺たちの隣りで、優雅にお茶を飲んでいる。
素っ気ない厚手の布地の上下に、簡素な革製の胸甲つけた、戦士風の出立だが、なんとも言えない品が感じられる。
こ、これが真の上級国民って奴かッ!
「ん〜。牛や羊を買いたいんんで、その下見かな」
こっちは品も何もないんで、口一杯に食事をかき込みながら応える。
ヒイが、頬についた汁を拭いてくれる。
「ありがとう」
そう礼を言うと、満面の笑みを返してくれた。
「牛や羊。ということは、周辺の田園に行くのね。面白そうだわ」
え?もしかすると付いてくる気?




