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全世界配信断罪! 〜嘘つき聖女の化けの皮をリプレイ検証で剥いだら、視聴者数が一億人を突破して王家が丸ごと買い取れそうです〜  作者: 月読 宵


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4/9

第4話:真実は、リプレイの中に。

「リ、リプレイ検証……? 何を言っている、リリアーヌ! 魔法で変えられない過去を弄ぶつもりか!」


 シリウス王子の叫びが会場に響く。

 だが、私の指先が空中で魔法陣をなぞると、四方の壁に投影された映像が――シュルシュルと、奇妙な音を立てて逆回転を始めた。


「殿下、時間は巻き戻せませんが、『映像』はいくらでも遡れますのよ。私がこの配信魔石を起動させたのは、実は今朝、学園に登校した瞬間からですわ」


「なっ……なんだと!?」


 映像は急速に巻き戻り、数時間前の出来事を鮮明に映し出し始めた。

 学園の西塔、あの長い石造りの階段。

 そこには、私と、エレンの二人が立っていた。


『あ、映った……!』

『おい見ろ、リリアーヌ様、めちゃくちゃ不機嫌そうな顔してるぞ』

『やっぱり突き落としたのか?』

『待て……エレンのやつ、今リリアーヌ様の袖を自分で掴んで引っ張らなかったか?』


 チャット欄には不安げな言葉が並ぶ。

 映像の中の私は、確かにエレンに向かって何かを言っているようだった。


「さあ、殿下の主張によれば、私がここで聖女様に罵声を浴びせ、突き飛ばした……とのことでしたわね? ――スロー再生、開始」


 私の合図で、映像の速度が極端に落ちる。

 エレンが足を滑らせ、後ろに倒れようとする瞬間。

 そこには、私が彼女を突き飛ばした形跡など……微塵もなかった。


 むしろ。

 エレン自ら、足首を不自然にひねり、私の腕をわざと掴んでから――自分から背後へ、ダイブしていたのだ。


『え……!?』

『今、自分で飛んだ……よな?』

『【鑑定完了】自作自演率 100%www 聖女様の跳躍力すげーな!』

『待て、スローでもう一回見せろ! リリアーヌ様の手、エレンの服に触れてもいないぞ!』


 会場にどよめきが広がる。

 私はさらに、操作パネル(意識)を一点に集中させた。


「皆様、見てくださいまし。エレン様が落下を始めた直後の、その『お顔』を。……拡大ズーム!」


 石段を落ちていくエレンの顔が、巨大な壁面にアップで映し出される。

 恐怖の表情であるはずのそれは。

 私を見上げながら、獲物を罠にハメた安堵と――薄気味悪い『勝ち誇った笑み』を浮かべていた。


「ひっ……!」


 エレンがパーティー会場の床にへたり込む。

 彼女の美しい顔が、今、壁に映る数時間前の自分の『邪悪な笑顔』と対比される。


『うっわ……暗黒聖女じゃん』

『この顔、子供が見たらトラウマになるぞ……』

『王子、こんな女のためにリリアーヌ様を断罪しようとしたのか? 正気かよ』


「そんな……嘘……魔法で……映像を捏造しているんですわ! シリウス様、信じて!」

「そ、そうだ! リリアーヌ、貴様は魔女だ! 映像を書き換えるなど……っ」


「捏造、ですわね? でしたら殿下。こちらのログ(記録)をご覧くださいな」


 私はもう一つの水晶板を出現させた。

 そこには、魔法のパケット……もとい、魔力波形の連続性が証明されていた。


「この魔力記録には、一切の断絶がありませんわ。もし捏造していれば、魔力の波がここで大きく跳ねるはずですもの。――ねえ、そこにいらっしゃる学園の教官様? 魔力鑑定の専門家として、この映像に『繋ぎ目』があるかどうか……確認していただけません?」


 指名された教官が、真っ青な顔で壁の魔力波形を見上げた。

 彼は王家に従いたい一心だったが、この全世界に配信されている状況で、専門家としてのプライドを捨てて嘘をつく勇気はなかった。


「……ま、魔力の連続性に、一切の乱れはありません。この映像は……混じり気なしの、真実です」


 王子の、そしてエレンの「無謬の正義」が、ガラス細工のように音を立てて砕け散った。


【システム:視聴者数 150,000人突破。世界ランキング:1,200位】

【通知:大衆の『疑念』が『確信』へと変わりました。聖女エレンの信仰値が、25%減少。】


「さて……次は、殿下がこの嘘を『知っていて共謀したのか』、あるいは『まんまと騙された無能なのか』を、検証していくべきかしら?」


 私は、震えるシリウス王子の鼻先に、空中に浮かぶ『カメラ』をグイ、と突きつけた。


第4話、お読みいただきありがとうございました!

本作『完璧な断罪をありがとうございます。撮影準備はよろしくて?』、リプレイ検証、ついに決まりましたわね!


スローモーションで自分の嘘を全世界へ放送される……これほど精神的にくる処刑はありませんわ。聖女様の「勝ち誇りスマイル」がドアップになった時の、会場の冷え込みようといったら……まさに「神回」の予感ですわね。


次回、第5話「騎士の誇りか、画面の評価か。」。

この状況を見て「王家にもう勝ち目はない」と判断した近衛騎士たちが、面白い行動に出ますわ。裏切りのエンターテインメント、お見逃しなく!


もし「このリプレイ検証、スカッとした!」と思っていただけたら、最後にチャンネル登録ブックマークや評価(いいね・応援スパチャ)をお願いいたしますわ。

皆様の高評価が、リリアーヌの次の配信をさらに豪華に彩る「スポンサー料金」になりますのよ!

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