表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の裏垢を特定したので暴露します  作者: シロネル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/17

第6話 信仰ポイントの正体

 ――『だから我々は配信を続けている』


 そのDMが送られてきた翌日。


 降谷璃瑠葉は完全に寝不足だった。


「寝ろ私」


 自分で言う。


 だが無理だった。


 脳が興奮している。


 情報が繋がり始めていた。


 門。


 敵。


 神々の撤退。


 そして。


 信仰。


「全部どこかで繋がってる」


 そう確信していた。


◇◇◇


 朝。


 SNSを開く。


 トレンド。


 一位。


【信仰ポイント】


 二位。


【神界】


 三位。


【門が開く】


 終わっている。


 完全にネットのおもちゃになっていた。


【神界就職したい】


【登録者数が神格なの面白い】


【YouTubeが天界だった説】


【創造神は銀盾何枚持ってるんだ】


【神実在派歓喜】


【設定勢も歓喜】


【全員歓喜】


「平和だな……」


 本当に平和だった。


 誰も信じていない。


 だからこそ。


 楽しめる。


 だが。


 璃瑠葉は違った。


 今は再生数よりも。


 知りたい。


 その気持ちが強い。


◇◇◇


 彼女はホワイトボードの前に立つ。


 これまでの情報。


神々は実在するらしい



昔は地上にいた



何かを理由に消えた



門を閉じた



現在も敵が存在する



神々は信仰を集めている



配信を続けている


「ここ」


 信仰。


 これだけ浮いている。


 他は全部繋がる。


 だが。


 信仰だけ理由が分からない。


「弱体化するから」


 神々はそう言っている。


 信仰を失うと弱くなる。


 だから配信する。


 しかし。


 それは結果だ。


 理由じゃない。


 なぜ弱くなる?


 なぜ信仰が必要?


 そこが空白だった。


◇◇◇


 その時。


 一本のメールが届く。


 送り主。


 匿名。


 件名。


『神界統計資料』


「は?」


 怪しい。


 怪しすぎる。


 だが。


 開く。


 添付ファイル。


 PDF。


 中身。


 そして。


 璃瑠葉は固まった。


「なんだこれ」


 そこには。


 神々のランキングが記載されていた。


創造神


登録者数

1億2000万


信仰ポイント

1兆2470億


雷神


登録者数

4200万


信仰ポイント

3110億


海神


登録者数

3800万


信仰ポイント

2800億


 以下続く。


 数字。


 数字。


 数字。


 そして。


 ある項目。


維持コスト


「維持?」


 初めて見る単語だった。


 創造神。


維持コスト


月間

9200億ポイント


「なんだこれ」


 意味が分からない。


 神に維持費?


 サーバーか?


 続き。


神界維持負担率


31%


「待って」


 璃瑠葉の手が止まる。


 神界。


 維持。


 負担率。


 その単語だけで。


 ある可能性が浮かんだ。


◇◇◇


 同時刻。


 神界。


「誰だ」


 創造神が言った。


 静かに。


 しかし怖い。


「誰が流出させた」


 会議室。


 神々が目を逸らす。


「……」


「……」


「……」


 そして。


 知恵の神が手を挙げた。


「私です」


「なぜ」


「気になりまして」


「何が」


「どこまで辿り着くか」


 創造神が額を押さえる。


 最近。


 神界が緩みすぎている。


 昔なら考えられない。


「創造神様」


 知恵の神が言う。


「私も興味があります」


「何に」


「人類がどこまで真実へ届くのか」


◇◇◇


 一方。


 璃瑠葉は統計資料を読み続ける。


 そして。


 ある異常に気付く。


「これ……」


 ランキング最下位付近。


 弱小神達。


 登録者数数百人。


 数千人。


 その欄には。


消滅


 そう書かれていた。


「消滅?」


 死亡ではない。


 引退でもない。


 活動停止でもない。


 消滅。


 神なのに。


「え?」


 意味が分からない。


 さらに。


 過去データ。


 数万柱。


 消滅。


 消滅。


 消滅。


 消滅。


「多すぎる」


 神界には大量の神がいる。


 しかし。


 同じくらい消えている。


 異常だった。


◇◇◇


 その夜。


 動画投稿。


 タイトル。


【信仰ポイントの正体】神界は本当に配信サイトなのか?


 公開。


 爆発。


◇◇◇


【来た】


【待機してた】


【神界燃料投下】


【考察勢集合】


【神実在派集合】


【寝不足確定】


【また神界が曇る】


【草】


 璃瑠葉は語る。


「神々は信仰を集めています」


「そして登録者数で序列が決まる」


「ここまでは有名な設定です」


 コメント。


【設定】


【設定だよな?】


【設定です】


【たぶん】


 璃瑠葉は続ける。


「でも」


「もし信仰ポイントがただの人気指標じゃなかったら?」


 静かになるコメント欄。


「もし」


「神界そのものを維持するためのエネルギーだったら?」


◇◇◇


 神界。


 全員硬直。


「……」


「……」


「……」


 創造神だけが空を見上げた。


 当たった。


 また。


◇◇◇


 動画は続く。


「考えてみてください」


「神々は昔」


「地上で活動していました」


「でも今はネット」


「なぜ?」


「信仰が減ったから?」


「違うかもしれない」


 コメント。


【ほう】


【続けろ】


【考察勢モード】


「神々は」


「神界という避難所を維持している」


「だから信仰が必要」


「だから登録者数が重要」


「つまり」


「神々の配信活動は娯楽じゃない」


「インフラ維持活動です」


【草】


【神界ブラック企業説】


【笑った】


【でも筋通る】


【登録者=発電量】


【草】


【神実在派興奮】


 そして。


 璃瑠葉は最後の仮説を出した。


「もし敵がいるなら」


「神々は戦うために信仰を集めているのではない」


 一拍。


「生き延びるために集めている」


◇◇◇


 動画終了。


 コメント欄爆発。


【うわあああ】


【面白すぎる】


【設定として神】


【映画化しろ】


【神界難民説】


【神々逃げてて草】


【いや草じゃない】


【考察勢徹夜】


◇◇◇


 深夜。


 動画再生数三千万突破。


 璃瑠葉は椅子にもたれていた。


「疲れた……」


 しかし。


 通知が鳴る。


 DM。


 送り主。


Genesis_0


 本文。


『半分正解だ』


 璃瑠葉の目が開く。


 返信。


『半分?』


 既読。


 数秒。


 返信。


『神界は避難所ではない』


『要塞だ』


 鳥肌。


 全身。


 ゾワッとした。


 続く。


『信仰ポイントは神々の力ではない』


『門を閉じ続けるための楔だ』


 思考停止。


 楔。


 門。


 閉じる。


 つまり。


 信仰がなくなれば。


 門は。


◇◇◇


 神界。


 創造神が立ち上がる。


「まずい」


 初めて。


 本気で焦った。


 神々も異変を察する。


「創造神様?」


「間に合わない」


「何がです」


 創造神は答えない。


 代わりに。


 遥か彼方。


 神界の外を見る。


 巨大な門。


 無限の闇。


 その向こう。


 何かがいる。


 ずっと昔から。


 ずっと。


 待っている。


◇◇◇


 璃瑠葉の画面に最後のDMが届く。


『だから我々は人気者でなければならない』


 続く。


『嫌われた神から消えていく』


 続く。


『信仰とは承認だ』


 続く。


『そして承認は世界を守る』


 最後。


『だから二〇二九年七月二十三日までに間に合わなければ終わる』


 送信者。


 Genesis_0。


 創造神の裏垢。


 そして。


 そのアカウントは。


 オンライン状態のまま。


 沈黙した。


 璃瑠葉は気付いていない。


 今のDMが。


 神界が数千年間隠してきた秘密の中核。


 その入口だったことを。


【コメント欄】


【楔!?】


【急に壮大になった】


【神界要塞説】


【神実在派過呼吸】


【承認欲求で世界救ってるの草】


【笑えなくなってきた】


【創造神どうした】


【フリル追え】


【絶対追え】


【門の向こう何がいるんだ】


【次回待機】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ