第十五章:誰もがサーカスを愛してる
拍手は絶望を隠すための音楽。
檻の中で繰り広げられる「コメディ」は、誰の血も流さずに、ただ尊厳だけを削り取っていく。
笑い声が響くたび、君の魂は少しずつ、サーカスの所有物になっていく。
サイラスはすでに座り込んでいた。湿った床は、時折長い糸状の繊維が混じる、吸盤のような粘り気のある肉塊で覆われていた。彼は深く、重い呼吸を繰り返した。
「……ここがそうか。ここがサーカスの底なんだな」
サイラスは息を整えながら呟いた。暗闇からの返答はなく、ただ巨人の疲れ切った喘ぎ声だけが聞こえていた。
「……まあ、そうなんだろうな。……にしても、暗すぎやしないか? 案内役の光くらいあっても良さそうなもんだが」
サイラスは、ここがアトラクションとしてもっと屈辱的な場所であることを想像して尋ねた。
「……黙りなさい、さもないと食われるわよ。ここが、あんたがいるべき場所。観客に見せる時が来れば、嫌でも分かるわ」
頭たちが一斉に喋った。ユニゾン(合唱)のように聞こえたが、その疲弊した声からは、彼らの意見が一致していないことが見て取れた。
「……なるほどな。周囲は獣だらけってわけだ。死肉漁り(シデムシ)、ハエ、クモ……そして見世物。だろ?」
サイラスが問うと、隣でパチンと弾けるような音がし、彼の心臓が跳ね上がった。
「……カレウチェに連れてかれちまえ! 今度は何だ!?」
驚いて声を上げると、いくつかの頭が彼を冗談の種を見るような目で見ているのに気づいた。
「……ふん、私は……いや、忘れて。でも、あんたの周りには何匹か潜んでいるわよ、新入りの見世物さん」
巨人は、ハエたちがサイラスを惑わそうと何かを投げ込んだ場所を、鋭く警戒して見つめていた。
「……俺にはハエか、あるいは騙そうとしてるクモのように見える。何かが投げられた音はしたが、この肉の絨毯のせいで正体が掴めねえ」
サイラスは持論を述べた。警告を受けていたにもかかわらず、硬くて白い何かが自分の周りに降り注ぐのを感じていた。
「……違う。これはクモの仕業じゃない。忌々しいハエ共め!」
巨人が暗闇に向かって叫ぶと、影の中から人間とは思えない、彼が知るハエとも違う何かが返ってきた。
「……素晴らしい! これが新しい検体か! このミミズは……もっと大きいのかと思っていたよ。もっと『開いている』のかと。いや、いや、そうじゃないな。……おそらく、こいつには『形』がないんだ!」
洗練された声が独り言のように響いた。サイラスは怪訝な顔をしたが、シデムシは無関心を装い、ハエたちは暗闇の中を支離滅裂に逃げ惑った。
「……十分に『皮(人間)』じゃないってことか?」
シデムシの真ん中の頭が、モノローグの主が言葉を見つける前に答えた。
「……十分に『皮』じゃない! それだ!」
その声は、自分が言いたかったことを思い出せたことを誇るかのように弾んだ。相手がシデムシであることを無視して。
「……あんな風になるべきじゃなかった。私はヘルナンデス家が外の馬鹿共を信用するのが大嫌いなんだ……」
男の声は、それが最大の苦行であるかのように不平を漏らした。
「……同感だ。俺もじいさんに言ってたよ。ゴンザレス、ルイス、グティエレス……どいつもこいつも信用できねえってな。フェルナンデスなんかに会おうもんなら……」
サイラスはその声の主がどこにいるか分からなかったが、自分の祖父の派閥リーダーたちと同じ考え方をしていることに気づき、言葉を返した。
「……そいつが何かを喋ったり、その骨張った指で指し示したりする前に、迷わず火の中に放り込んでやるんだがな」
男の声は、興味を惹かれたように応じた。
「……ほう、このミミズは少し特別らしいな?」
サイラスは背後の柔らかい床が流動し、肉のハリケーンのように渦巻き始めるのを感じた。
「……人間のように見え、人間の匂いがする……まあ、半分死んでいるが。だが理解はしているようだ。喋り、頭を使っている。……魅力的だ」
サイラスの周りに足音が近づいてきた。最初は形を持たない音だったが、やがて素足で歩く音になり、最後にはその話し方と同様に、繊細で洗練された足取りへと変わった。
「……どうも。俺の名前はサイラス。ソロモンの孫、『グランドキャニオン』派閥の者だ。……お名前を伺っても?」
サイラスは、祖父とエリアスから教わった正式な挨拶の作法で自己紹介した。
「……ソロモン・ヘルナンデスだと? ヘルナンデス大公会議の先代パトリアルカ(族長)の?」
声は驚きに満ちていた。肉のペーストが形を成し、人間のような、あるいは醜悪な鏡合わせのような人型を形作っていく中で、その音は響いた。
「……ああ、その通りだ。俺はサイラス・ヘルナンデスだ」
サイラスが答えた瞬間、遠くでいくつものライトが次々と点灯し、彼らの元へと近づいてきた。
「……すげえな。ここ、本当に広いんだな……」
絶対的な暗闇の後に突如現れた光に、サイラスは戸惑いを隠しながら言った。
「……ありがとう! みんなそう言ってくれるんだ」
それが最高の褒め言葉であるかのように、その主は高らかに笑った。
「……なんでだよ! いつも同じことをしやがって、不愉快だ! ここに光はいらねえ、焼けるんだよ!」
光に照らされた周囲には、エキゾチックな装甲のような鱗状の皮膚を持つ巨人が、光を嫌って文句を垂れていた。少し離れた場所には、もはや人間としての理解を超えた「ハエ」たちがいた。彼らの肉は引き裂かれ、それを突き破るように生えた剛毛(キチン質)に置き換わり、鋭く異常な四肢と、多色の複眼を持っていた。
「……おぞましいな……」
サイラスは男たちの成れの果てを見て呟いた。彼はさらに周囲を見渡したが、上の階の暗闇と同様に、この光もすべてを窒息させるマントのようで、一定の距離以上のものは判別できなかった。
「……皆様の人生を照らす私の栄光ある能力に馴染めないとは、哀悼の意を表するよ。……さて、話を戻そう。自己紹介を。私が皆様に愛される『ホスト(主催者)』だ! 私たちを見つめる子供たち全員の恋人だよ!」
サイラスは振り返り、目の前に厳かに立つ、細長く巨大な姿に目を見開いた。
「……お会いできて光栄です……主催者殿……」
光のせいで目が痛かったが、それ以上に「主催者」を自称するその「顔」を見ることが苦痛だった。
「……ありがとう、なんて礼儀正しいんだ。どうやら君の頭を割って中を見る必要はなさそうだね」
主催者は、自分の皮膚で構成された分厚いマスクのような顔を動かして言った。その体躯に反して目は小さく、巨大な眼窩の奥からサイラスを凝視していた。空虚な微笑みの奥で、喋るたびに歯がカチカチと音を立てる。
「……職務以外のことに時間を割いていただき、感謝します。……それに、あなたの能力は実に並外れている。あの暗闇の中での出来事とは大違いだ」
サイラスは必死に機嫌を取ろうとした。主催者は、その姿がはっきりと見えすぎるがゆえに、他の何よりも恐怖を感じさせた。
若者が気づいた時には、主催者と喋っていたはずの一瞬の隙に、彼は檻の中にいた。
「……なるほど、『檻』ってのは、本当に檻のことだったんだな……」
サイラスは古く、無骨な鉄格子に触れた。それは異常なほど冷たく、触れた瞬間に手の皮膚が張り付き、剥がれ落ちた。
床は革のような質感で、柔らかい音を立てていた。彼の肌と同じだが、より古く、汚れている。
「……少し大きめの檻を与えたよ、サイラス。それに値することを証明したまえ」
主催者は言い残し、光の中に消えていった。
「……あとはその山高帽にキスでもすれば完璧だったぜ、新入りの見世物さん」
少し離れた檻から、シデムシが皮肉を飛ばした。檻にはそれぞれ異なるクリーチャーが収容されていた。サイラスのように一人の場合もあったが、多くはグループで詰め込まれていた。
「……黙れ。消されたいのか? カニの餌になりたいなら勝手にしろ。俺は五体満足でいたいんだ」
見世物たちの視線がサイラスに集まった。目がある者も、ない者も、彼を注視していた。
だが、サイラスが本当に懸念したのは、その奇妙な部屋に入ってきた人々だった。彼らは村人や船乗りのように見え、笑いながら檻を指差していた。
「……紳士淑女の皆様! お坊ちゃんにお嬢ちゃん! あらゆる世代の皆様! 皆様を驚かせ、悪夢を見せる、我が誇るべき『見世物コレクション』をご紹介しましょう!」
遠くの光の中から、主催者の声が響き渡った。
「……見て! すごい!」「うわ、気持ち悪い!」「本物よ!」
空気は人々の多様な反応で満たされた。誰もが指を差し、誰もが笑っていた。
「……さあ、近くへ寄って、見世物たちの演技をご覧あれ! お一人お一人の楽しみのために展示いたしましょう!」
主催者の声は雄弁で、かつ威圧的だった。
「……やれ! やれ! 肉だ! 血だ! 行けーっ!」
人々は叫び、走り、特等席で見ようと、弱者を押し退け、踏みにじりながら殺到した。
サイラスは観察していた。瞬きをするたびに、誰かが檻から消え、何らかのパフォーマンスで観客を沸かせていた。
「……一体何が起きてるんだ? おい、あんた……」
サイラスが巨人に尋ねようとした時、すでに彼の姿はなかった。代わりに、別の檻にはボロボロになり、肉を剥き出しにして戻ってきた者たちがいた。
「……まさか、戦わされるのか……肉と肉のぶつかり合い(カルネ・コントラ・カルネ)か!」
サイラスは周囲を見渡した。自分以外に人間らしく見える者は誰もいなかった。「ノミ」たちは小さく見えたが、棘だらけの折れ曲がった体は、どんな疫病よりもおぞましい気配を放っていた。
「……これも運命の再会かしらね」
自分の檻の中から、聞き覚えのある声がした。振り向くと、光景は一変していた。それどころか、彼自身もはや元の場所にはいなかった。彼の「出番」が来たのだ。
「……やあ! 会えて嬉しいよ。あんたたち、相変わらず綺麗だ。……ああ、お兄さんも相変わらず表情豊かだな……」
サイラスは、戦闘になればシデムシに勝てる道理がないことを悟り、乾いた喉で生唾を飲み込みながら言った。
「……私も嬉しいわ! あんたがどんな味がするのか、楽しみよ!」
頭の一つが、再会を心から喜んでいるかのように声を弾ませた。
「……馬鹿、愛想良くするんじゃない。こいつを叩き潰すのよ」
不快そうに別の頭が言った。
巨体が動き出した。素早い動きで助走を始め、急造の舞台の上で二人の距離を一気に詰める。
サイラスは避けることができなかった。ハリケーンに飲み込まれたネズミのように、凄まじい暴力で鉄格子へと叩きつけられた。その極寒の感触が彼を固定する。
「……最悪だ……だが、記憶に残るようにやってやる……」
氷のような冷たさで張り付いた鉄格子から引き剥がそうと抗いながら、サイラスは辛うじて呟いた。
「……盛り上がってきた! 面白いぞ! やれやれーっ!」
観衆は叫び、彼らのエンターテインメントを求めて熱狂していた。鉄格子から剥がれる際の激痛に耐えながら、サイラスはその観衆に軽蔑の視線を向けた。
「……ほら、そんなに早く終わらせないで。観客に相応しい演技を見せましょうよ」
巨人が唸った。今度はサイラスの目の前で立ち止まり、観客を一瞬黙らせるほどの破壊的な一撃を放った。
「……なっ!? ……壊れていない!?」
シデムシは驚愕した。観衆はその一撃に割れんばかりの喝采を送ったが、サイラスはその背後へと逃げようとしていた。
「……臆病者! 男らしく立ち向かえ! 逃げるな、ミミズ野郎! 尊厳を持って死ね!」
真ん中の頭が獣のように咆哮した。その豹変ぶりに、他の頭たちですら困惑した。
「……いいか、マンボウ面。俺の首が欲しいなら、まず捕まえてみろ! このナマコ野郎!」
サイラスが挑発すると、その不遜な態度に観客から爆笑が沸き起こった。
シデムシは答えず、ただ叫び声を上げて怒り狂い、死の突進を開始した。
「……情けねえな! それだけか? 観客はどう思う? もっと見たいか、それともこいつが転げ回るのを見たいか!?」
サイラスは怒りで思考を奪おうと、さらなる挑発を重ねた。観客は熱狂し、さらなる刺激を求めて叫んだ。
「……ほら、行くぜ、小さなティアムトゥム。観客の前で恥をかかせるなよ」
サイラスは、かつて彼女を激怒させたあの名前をあえて繰り返し、煽り続けた。
巨人が視認できないほどの速度で踏み込み、サイラスを直撃した。
「……惜しい! だが、俺にクリーンヒットを当てるには、あんたは少し小さすぎるぜ、ティアムトゥム!」
笑いながら答えるサイラスだったが、その笑みは片腕を失った激痛を隠すためのものだった。傷口からは赤黒い胆汁が溢れ出していた。
「……貴様……スル・ニム! ル・ニ・ズ・ウグ!!」
シデムシは理性を失い、他の頭たちの制止も耳に入らない完全な獣と化していた。再び突進する。今度はサイラスがその下を潜り抜けるようにかわした。そのアクロバティックな回避と、続く嘲笑に観衆はさらに沸き立つ。勢い余った巨人は鉄格子に激突した。鉄格子は断末魔のような悲鳴を上げ、多くが歪み、いくつかは完全に弾け飛んだ。シデムシは痛みを感じていないかのように身を引き剥がした。
「……どうした、ティアムトゥム? 俺一人相手に手こずってるのか、ティアムトゥム?」
サイラスは軽やかに跳ね回り、残った腕を振って観客を楽しませた。巨人は距離を詰め、サイラスを粉砕せんばかりの一撃を放った。二人は弾き飛ばされ、舞台のあちこちに激突した。
サイラスが立ち上がる間もなく、巨人が覆いかぶさろうとする。彼は必死に跳躍し、再び巨人を鉄格子に激突させた。
「……この馬鹿! 私たちの話を聞きなさい! 鉄格子を壊したわね!」
それまで一度も口を開かなかった最後の頭の声が響いた。すべてを沈黙させるような、重く、しゃがれた声だった。
「……あのミミズを殺すまでは終わらん!」
真ん中の頭が憎悪に駆られて答えたが、他の頭たちはその無謀な決断に厳しく反対した。
「……ここから出しなさい! アヌンナキがこの『亀裂』に気づく前に!」
普段は喋らないあの頭が、冷徹なまでの厳しさで命じた。
「……やっている、だが、外れないんだ……」
男の頭が苦悶の表情を浮かべた。彼の体は鉄格子に食い込み、悲鳴を上げていた。
「……貸せ、手伝ってやる! だが二度と馬鹿な真似はするなよ!」
サイラスが毒づきながら近づき、巨人を鉄格子から引き剥がそうとした。観衆はその光景を好まなかったが、それでもパフォーマンスとしては上出来だった。シデムシの皮膚が剥がれ落ち、滑り込んだことで、ようやく極寒の鉄格子から脱出することができた。
巨人が倒れ込むと、観衆から大きな拍手が送られた。
「……親切な真似をして拍手をもらえるとはな。……なんて奇妙な連中だ!」
頭の一つが呟き、他も同意した。その時、体の下に違和感を感じた。
「……何だ?」
観客は大爆笑に包まれていた。彼女の下には、プレスされてペラペラの紙のようになったサイラスが敷かれていた。
「……骨がなくて良かったと思え……。もし俺の死因が『上にクジラが乗ったせい』だったら……永遠に化けて出て、あんたを罵り続けてやったんだがな……」
サイラスは地面から剥がれ、形を取り戻そうと苦労しながら文句を言った。
「……何をボサっとしてるの! 助けてあげなさい、あんたがやったんでしょ!」
あの静かな頭が激怒して命じると、真ん中の頭は躊躇うことなく従った。
「……助かる。……おい、何をする?」
巨人が始めた行動に、サイラスは困惑した。それが「親切なジェスチャー」だとは到底思えなかったからだ。巨人は、まるで濡れた布を乾かすように、サイラスをブンブンと振り回した。
観客は笑いと拍手の渦に包まれた。
「……話を合わせろ、チビ。新しい出し物だ!」
真ん中の頭が言い、サイラスを高く放り投げた。サイラスが空中へ消えると、巨人は滑稽なポーズで彼を受け止める準備をし、観客は固唾を飲んで見守った。
「……捕まえるぞ! 捕まえるぞ! さあ、おいで!」
巨人が叫び、サイラスがその腕の中に落ちてきた……が、最後の瞬間、シデムシはわざとずっこけ、若者は鈍い音を立てて地面に激突した。一斉に爆笑が沸き起こる。
「……捕まえられなかった! 俺ってなんてドジなんだ!」
巨人はそう言って振り返り、地面に張り付いた若者をゴミでも踏むように踏みつけ、そして派手に滑って転んだ。
主催者は、この非暴力的な(?)出し物が観客をより一層楽しませ、コストを抑えつつ最高の反応を引き出しているのを見て、満足げに目を細めていた。
サイラスとシデムシ、死の淵で生まれた奇妙な即興コンビ。
「主催者」の満足気な笑みの裏で、鉄格子の「亀裂」が招くさらなる影。
観客たちが去った後、舞台に残された「ペラペラの道化師」は、自らの形を取り戻せるのだろうか。




