#02首の後ろの星
誰もが持っている「種」。
それは、大人になるための変化なのか。
それとも、失ってはいけない何かなのか。
十五歳になったリビアは、首の後ろに現れた赤い星を見つめながら、発芽の日を待っていた。
そんなある朝、彼女は不思議な老婆と出会う。
「もうすぐ咲くね……」
その言葉が意味するものとは。
当たり前だと思っていた世界が、少しずつ揺らぎ始める。
第二章
先月、誕生日が来て、私は十五歳になった。
みんなは私のことを、リビアと呼ぶ。
あの日までは、まだ普通の日常が続くと思っていた。
朝起きて。
学校へ行って。
友達と話して。
家に帰って、家族と食事をする。
そんな普通の毎日が、これからも当たり前に続いていくと思っていた。
首の後ろに、小さな赤い星があることを除けば。
それは、私だけのものではなかった。
この世界では、誰もが知っているものだった。
その日も私は、発芽するかもしれない恐怖を抱えながら、いつものようにバスを待っていた。
いつもと変わらない朝だった。
でも、突然空気が変わった。
生温かい風が吹いた。
さっきまで何もなかった場所に、別の何かが流れ込んできたようだった。
私は顔を上げた。
(何だろう?)
その時だった。
違和感があった。
いつからそこにいたのか。
一人の老婆が立っていた。
青白い顔。
細い身体。
今にも消えてしまいそうな、不思議な雰囲気をまとっていた。
なぜか分からない。
(怖い。)
危険で、近づいてはいけないような気がした。
老婆は私を見ると、静かに言った。
「もうすぐ咲くね...」
私は息を止めた。
「え?」
老婆の視線は、私の首の後ろに向いていた。
「もうすぐ発芽だね…」
(どうして知っているの?)
そう思った。
「分かるんですか?」
老婆は小さく言った。
「分かるよ。」
「どうして?」
「匂いがするからね…」
「匂い?」
そんな話は聞いたことがなかった。
発芽の前に、匂いがあるなんて。
学校でも。
病院でも。
誰も言っていなかった。
老婆はゆっくりと首の後ろに手を伸ばした。
「私はね…」
少し寂しそうに、そしてとても哀しそうな瞳をして言った。
「一度、取り出したんだよ.…」
「種を?」
老婆は頷いた。
「そう。」
私は驚いた。
種は、一度取り除けば、それで終わりだと思っていた。
「そんなことできるんですか?」
「普通は、できないよ。」
「じゃあ、どうして?」
老婆は少しだけ空を見た。
「必要だったから….」
その言葉の意味は、その時の私にはまだ分からなかった。
危険だから取り除く。
それが当たり前だと思っていた。
でも、その人は違った。
一度失ったものを、もう一度取り戻した。
「また、埋めたんですか?」
老婆は静かに頷いた。
「そうだよ...」
そんな話は聞いたことがなかった。
でも、なぜか嘘には思えなかった。
老婆の首の後ろには、少し曇った不思議な色の宝石があった。
オーロラのような光が、静かにやさしく瞬いていた。
老婆は私を見る。
「でもね...」
「あなたには、どうやら必要なさそうだよ。」
「えっ?」
聞き返そうとした。
その瞬間。
さっきまで吹いていた生温かい風が止まった。
まるで、時間が止まったようだった。
音もない。
気配もない。
次の瞬間。
そこには、もう誰もいなかった。
初めから、何もなかったかのように….。
私はしばらく、その場に立ち尽くしていた。
(あの人は一体、何だったんだろう....?)
私はゆっくりと首の後ろに触れた。
そこには、小さな赤い星がある。
綺麗で。
怖くて。
失いたくないような気もして。
でも、恐ろしかった。
その時、初めて思った。
もしかしたら。
今まで聞いていた話は、本当ではないのかもしれない。
「リビア!」
突然、友達の声で元居た場所に呼び戻された。
私は振り返った。
「おはよう。」朝のあいさつ。
そこには、いつもの風景があった。
いつものバス停。
いつもの人たち。
いつもの日常。
でも、さっきまでとは少し違って見えた気がした。
※本作品は、AIを創作パートナーとして迎え、対話を重ねながら制作しています。
読んでいただきありがとうございます。
『夜光種』第2話です。
今回は、リビアの日常と、彼女が初めて出会う不思議な存在のお話でした。
この世界では当たり前とされている「種」。
でも、本当にそれは恐れるべきものなのか。
少しずつ見えてくるもの、まだ見えないものを楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、また次のお話でお会いしましょう。




