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4話 アダラトの町

 前述した先天的な素質に関してだがあくまでも傾向があるだけであり、例外は存在する。魔法の適性を全く持たぬもの、人族でありながら、無属性や霊属性の素質を強く持つもの、すべての属性の素質を持つもの様々だ。また、人属性の素質があるということは心、技、力、知のすべての属性の魔法を同様に使えるというわけでもない。むしろ大半の人の場合、4つの汎属性のうちの一つにしか適性がない。統括属性に適性を持つものはごくごく少数である。

                  ―マクスウェル魔法基礎論1章より抜粋―



 「さて、武術大会まであと3日ありますし、まだ日も落ちてないですからね。今のうちにやるべきことをやっておきましょうか。」


 宿屋の部屋で荷物を置きながら師匠が私に語り掛けてくる。


「はい。参加登録ですね。」


「それと冒険者ギルドに登録しておきましょうか。あとギルドについてもおさらいもかねて説明しましょう。」


以前にも習ったが師匠はギルドについて説明をしてくれた。

ギルドとは類似した職種の集まりによる組合で冒険者、魔術師、治癒師、薬師、錬金術師、商業、鍛冶などがある。別に所属する義務はないがギルドには依頼が多く集まるほか、市町村や国家をまたいで活動する際にある程度の身分証明になる。そのため、何らかのギルドに所属していることがほとんどだという。また、複数のギルドに所属することも可能であるが、ギルドには年会費がかかるため複数のギルドに所属する人は少ないという。


 これから所属する冒険者ギルドでは依頼を受けて野獣や魔獣の討伐のほか、魔獣などからとれる角や皮などの取引。さらには護衛といったことを行う。危険が伴う任務ほど報酬は高く、私ほどの実力があれば旅をするのに問題のない収入が安定して得られるのだそうだ。

 師匠やその友人の方以外では山にいた獣としか戦った経験がないのでいまいち実感がわかない・・・。


 師匠からの説明の後、冒険者ギルドへ連れられて向かった。


 冒険者ギルドの中には受付や依頼が書かれた依頼表、素材などの買取所などがあり、活気にあふれていた。以外にも女性も多く、男性が7割ほどといったところか。人族が中心だが獣人族もそれなりの数がいる。


「すみません。ギルド登録をお願いしたいのですがよろしいですか?」


受付を訪ね、登録を申し出る。


「はい、登録ですね。字は書けますか?」


この国における識字率は7割ほどで一部自分の名もかけないものもいるため、そういった場合は受付が代筆してくれるのだそうだ。


「はい。大丈夫です。こちらに名前を書けばよいのですね。」


ギルド登録用の申請用紙を渡され、名前、年齢、性別、種族をそれぞれ記入する。


「はい。問題ないですね。こちらは仮登録証です。正式な登録証は明日の昼すぎにはできていると思うので取りに来てください。また、この札は常に首にかけておくか首回りの防具・衣服に着けておくようにお願いします。」


木でできた名前とギルド名の書かれた札のようなものを受け取る。仮登録証は木だが登録するとギルド内のランクにより材質の異なる登録証(プレート)がもらえるとのことだ。銅から始まり最も高ランクは神聖金でできた物がもらえるらしい。またこの登録証はギルド証明のほか、死亡時の身元確認の役割も果たすため、首周りに着用義務があるとのことだ。


「次に依頼の受け方に関して説明しますね。」


さらに受付の人から依頼に関しての説明を受けた。


まとめると依頼には大きく分けて3種類あり、依頼主から指名を受けて行う指名依頼。ギルドに依頼され、現在受けている依頼が張り出される依頼表から受けたい依頼を選び契約する単独依頼。そして、ギルドに依頼が出されるが、個人あるいはグループでの契約が必要なく、そのまま物品取引などを行える直接依頼がある。

 直接依頼は主に国や市町村、ギルドからだされる依頼であり、一定期間特定の素材の買い取りなどを行うというものだ。期間内であれば何人でも、またどれだけの成果が得られようとも同額の報酬が得られる。ギルドへの依頼は大半がこれだったりする。

 単独依頼では主に個人や小規模の団体からの依頼であり、限られた人数しか受けることができない。なので早いもの勝ちなのだそうだ。


 「最後にランクの昇格に関してです。ランクへの昇格は実績に応じて行われます。具体的にはこなした依頼の難度によって、ですね。難度の高い依頼を数多くこなすほど早く上のランクへ行けますよ。ランクが高くなると指名依頼が受けやすくなり、稼ぎやすくなりますので頑張ってください。ですが、ランクごとに依頼制限はかけていないので自分の実力に応じた依頼をこなしてください。見栄を張って無理な依頼をうけちゃだめですよ。自分の体は大事にしてください。」


「わかりました。ありがとうございした。」


受付に礼をいい、依頼表を見ていた師匠のところへ向かう。


「師匠お待たせしました。登録が終わりました。何か面白い依頼でもありましたか?」


「おや、レイウェル。受付が終わりましたか。いえ、特段おもしろい依頼はないですね。ほとんどがあなた一人でもこなせる依頼です。まぁ効率を考えると仲間を探したほうがいいのですけどね。」


「仲間ですか・・・、そういえば受付でパーティ仲間の募集も受け付けているとありましたがそれに応募したほうがいいのでしょうか?」


師匠から旅をすると話をされた時にも言われたが物心ついた時から山奥で暮らしていた自分にはあまり実感がわかない。


「あなたの実力ならどのパーティでも歓迎されるでしょうが焦るとろくなことがないですよ。自分が仲間に入れたい、入りたいと思う人を探しなさい。それまでは一人でも問題ないでしょう。」


「わかりました。仲間はゆっくり探すことにします。」


「えぇ。それがいいでしょう。さて、それでは大会の参加登録へ行きましょうか。」


町内の大会受付で参加登録をすませ、その日は宿に戻った。

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