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2話 旅にでなさい

 汎属性についてだ。汎属性とは統括属性の力を4つに分割した属性のことである。人の汎属性は心、技、力、知。霊属性は地、水、火、風の4つに分かれる。無の汎属性は光と闇、そして失われた2つの属性。我々のような人界の生物には人属性、そしてその汎属性の素質を強く持ち、神々は無属性、冥界の住人は霊属性の素質が強く表れやすい傾向がある。


                 ―マクスウェル魔法基礎論1章より抜粋―



 「今日も一本も決められなかった・・・」

稽古のあと、夕飯の支度をしながらレイウェルが先ほどの稽古の振り返りをしながら嘆く。


 「ええ。私に勝つにはまだまだ先はながそうですね。ですが、客観的に見ればあなたの強さはかなりのものですよ。今のレベルだとそうですね・・・人界で中の上くらいの実力でしょうか。石の力を使えば上の下から上の中といったところですかね。とはいえ、私たちの<夢幻式護身術>は初見とそうでない場合によって強さが大きく変わりやすいですからね。相手が格上だからと言って勝てる場合もありますし、その逆もまたしかりです。実際には決着がつくまでどちらが勝つかわかりません。どんな相手でも油断は禁物ですよ。」


「はい。師匠」


「そうそう、先ほどの反省ですが・・・あなたは自身の力、自身の道具で戦おうという傾向が強いみたいですね。もう少し場を観察して自分に有利な状況を作るように考えてみるとよいでしょう。」


「有利な状況・・・ですか・・・」


「ええ。例えば・・・・・」


その後、夕飯ができ、食べ終わるまで今日の振り返りは続いた。




「さて、夕飯も食べ終わりましたし、レイウェルには今後のことで大切なお話があります。」


「今後のこと?なんでしょう師匠。」


「私はもうすぐ旅に出なければいけません。そして、私がこれから行く先はとても危険を伴うため、まだあなたを連れていくことはできません。これは、石の力があっても同様です。率直に行って今のあなたでは私のこれからの旅では足手まといになります。」


「旅に・・・そして足手まといですか・・・。まぁ師匠のレベルで考えるなら自分の実力不足は理解しています。でしたら私はこの家に残っていればいいのでしょうか?おかえりはいつ頃になりそうですか?」


「いつ戻ってこれるかはわかりません。そして、あなたにも別に旅に出てもらいたいと思っています。そして世界を、さまざまな人を知ってください。」


「私が旅に・・・ですか・・・」


「えぇ。といっても明日急に旅に出したりはしないので安心してください。アダラトの町までは一緒について旅の仕方を教えますから。」


「そうですか・・・。ですが今の私が旅にでても、それも一人で大丈夫なのでしょうか?」


「先ほども言いましたけどあなた自身はそれなりの強さを持っています。旅をするのにはやり方さえ知っていれば十分でしょう。それと、何も一人で旅をしなさいとは言っていません。信頼できる仲間を作って一緒に旅をしたのでも構いません。」


「信頼できる仲間といわれましても全く当てがないのですが・・・」


「まぁそれもそうですね。ですが、案外簡単にできるものですよ。それに、会わなかったら分かれてまた探せばいい。もっと気軽に考えたので構いません。」


「そうですか・・・まぁ師匠が言うのでしたらそうなのでしょう。わかりました。私も旅に出ます。出発は明日でしょうか?」


「いえ、準備と旅の前の最後の稽古をするので明後日に出発ですね。」


「明後日ですね。わかりました。そして最後の稽古というのは?いつもと内容は同じですか?」


「いえ、より実践的な稽古ですね。旅装束でなおかつあなたに晶石を渡すので石の力を用いながら戦う稽古です。」


「石の力を・・・」


「えぇ。所持者の能力を引き出してくれる晶石です。あなたはよくも悪くも素質に偏りがないので人と技の晶石をお渡しします。そしてそれで実践の練習と行きましょう。まずはその前にあなたの旅荷物・服装を用意するところからですね。武器、防具などは倉庫から好きなものを旅に邪魔にならない程度に選んでいいですよ。そのほかの旅に必要になるであろう道具などは私が教えます。」


「はい。ありがとうございます。師匠。」


 その後2時間と少しの間二人は旅荷物を準備していた・・・。



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