タイトル未定2026/07/20 20:52
その頃大門は修学旅行先の、テーマパークにいた。
夕闇が空をつつみ込み、テーマパークは眩しいくらいにライトアップされていた。
テーマパークでは、班ごとの自由行動。
大門と同じ班の小柄なりさが、大門の腕を取って言った。
「大門君、一緒に絶叫マシーンに乗ろう」
不意打ちに、腕を取られた大門は慌てて言った。
「游太君に、話があったんだ」
りさの手が緩み、大門は急いでりさから離れ、同じ班のまひろの方へ行った。
「游太君に話があるから、僕たちは別行動をするよ。集合時間までには戻るから」
まひろに早口で言った大門は、游太の側に行き、游太と走り出した。
まひろは、ぽかんとして立ち尽くしていた。
同じ班の女子から離れた大門と游太は、外で売られていたポップコーンを食べ歩きしていた。
「この寒い中、絶叫系なんてありえないよ」
大門が言うと、游太も同調した。
「ほんとだよ。見てよあれ、この寒い中ずぶ濡れになっているよ」
游太は遠くの方で、滝の中へ落ちる絶叫マシーンを指さした。
「すげぇ、遠い場所なのに。水しぶきが上がっているの、此処からでも見えるよ」
大門と游太はポップコーンを食べながら、テーマパークの乗り物を眺めて歩いた。
ふと、游太が言った。
「りさっち、大門君が好きだよね」
りさが大門のことを好きなのは、クラスの誰もが知っていた。
「大門君は、りさっちのことどう想う?」
「りさっちのこと、なんとも想っていないよ」
「だよね~大門君は、まひろちゃんに夢中だもんね」
「えっ、何?」
「隠していても、バレバレだよ」
游太は、笑いながら言った。
「ち……違うよ!」
大門は、慌てて言った。
「安心して!誰にも言わないって。僕、協力するよ」
「協力って……」
ポップコーンを食べ終えた大門と游太は、土産やグッズを売っているショップが立ち並ぶエリアに向かった。
ショップで、大門はマスターと流花、まちことたきこにお土産を選んだ。
「游太君、お土産決まった?」
「うん。大門君は?」
「決まったよ。ポップコーンだけじゃ、足りないよ。なんか、食べに行こう」
ショップを出た時、游太が大門に言った。
「まひろちゃんに、何か買わなくて良いの?」
「えっ、なんで?買っていないよ。そう言う游太君は、好きな子いないの?」
「いない。てか、興味がない」
「そうなんだ」
……クラスの女子を好きになる僕は、子供っぽい?
いつも一緒にいる游太を、少し大人っぽく大門は感じていた。
大門が手にしていたショップで買った袋には、土産の他にまひろに渡すグッズが入っていた。




