表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/6

第三話 使い魔リリィ

「あーあ、もうくたばったよ。これだから無能は‥‥‥何をしても無能だ」


 ポイッと投げ捨てられたアリアは、しばらく動けずにいた。

 痛い。さっきみぞおちを殴られた。他にも人間の急所狙って‥‥‥あぁ、痛い。叫びたい。こういうことをされるといつも思ってしまう。‥‥‥私はいつ消えれるのだろうかと。


「あ、あの猫‥‥‥姉さまにでもバレたら‥‥‥大変!!」


 走って自分の部屋へと行く。どこもかしこも痛いけど、あの猫がどうしても気がかりだった。


「‥‥‥いない‥‥‥!」

 

 部屋のドアを開けると、あの白猫の姿がどこにもいなかった。

 間に合わなかった‥‥‥いやでも、まだ可能性は‥‥‥いや、一旦落ち着け。きっと逃げただけだ。そう、きっと‥‥‥

 その時、何か花のような匂いがした。


「何かしら、この匂い‥‥‥これは、ローズリリー?」


 匂いの正体が分かった瞬間、目の前の空気の色が変わった。


「何‥‥?どういうことなの」


 突然起きた現象に理解が追い付かず、ただ見つめるだけだった。と、そこで部屋中に色の変わった何かがドアの外では薄く、ひとまとまりになっていることに気が付いた。

 廊下にでてみると、まとまりだと思っていたものが、どこかに続いていた。


「たどればいいのかしら‥‥‥?」


 色の変わった何かを辿っていく。私が屋敷を出歩いているとバレたらいけないから慎重に。と、ある一つの部屋に繋がった。


「ここ‥‥‥?」


 そこは、誰も使ってい無さそうで、どうにも不気味な感じがした。

 開けていいものなのかしら。いや、でも‥‥‥えぇい、背に腹は代えられない!


 ガチャ‥‥‥

 どうにでもなれの精神でドアを開けると、そこにいたのは‥‥‥姉さまだった。



「ね、姉さま‥‥‥」

「あらアリア。いいところに来たじゃない。あんたも喜ぶと思ってね、とっておきのを準備したのよ!」


 そういって二つの物を見せてきた。

 それが何か分かったとたん、アリアはへたり込んでしまった。


「あははははッ、やっぱいい反応するじゃない!あんたが妹で良かったわ!」


 アリアに見せてきたのものは、リリィの頭と胴体だった。アリアの姉はそれを投げ捨てる。

 ベチャ‥‥

 何かが潰れる音がした。


「ね、姉さま‥‥‥」

「あら何よ。そもそも許可なくこれを持ってきたあんたが悪いんでしょ。だから公爵家として罰を与えたんじゃない」


 なんだこの姉は‥‥‥言ってることが最早悪魔だ。何が彼女をそうさせたのだろう‥‥いや、もうそれも知りたくはないな。


「姉さまはすごいですね‥‥‥何も悪意を感じず、平気で生き物を殺してしまうのですから‥‥‥ねえ、これが一度目ではないでしょう?」

「は、何言って———」

「この部屋には血の匂いしかしない。かわいそうに‥‥‥あなたは何も常識を知らずにこれから生きていくのですね」


 アリアの言葉にキレた姉は、アリアに殴りかかってきた。


「うるっさいわね!たかが猫ごときが死んだくらいでキレてるんじゃないわよ!!」

「あら、私は生きてるわよ」


 突如聞こえて来た声は、胴体と頭が離れたはずのリリィの方から聞こえてきた。見てみると、そこには何事もなかったように元通りになったリリィがいた。


「猫が喋っ」

「あら、使い魔が喋ったらおかしいの?」

「使い魔‥‥‥!?」


 何かの本で見たことがある。使い魔とは大昔に人間と大戦争をして、結局は滅んでしまったのだと。でもまだ生き残りがいたなんて。


「使い魔。使い魔ねぇ‥‥‥じゃあ、分かったわ!あんた、私の使い魔になりないさい!どうせ使い魔なんて人のいう事聞くだけの生き物なのでしょう!?」


 姉さまが突然無茶ぶりを言い始めた。何を言っているのこの人は。使い魔を扱うのにはいろいろと条件や儀式が‥‥‥。


「‥‥‥嫌よ。なんで私がアンタの使い魔にならなくちゃいけないのよ。ならせ方も分からないくせに」

「ダメ、そんなこと言ったら姉さまがっ」


 慌てて猫の口を塞ぐ。でも、もう遅い。姉さまが本気でキレたら‥‥‥!


「もう、頭に来たわ!火よ 炎よ 大地を燃やし尽くせ!!」


 ドォンッッ

 頭上に火の玉が通り過ぎた。壁がくぼむ。


「‥‥‥魔法」

「そう、姉さまは魔法を使えるの!だからそう簡単に刺激しちゃ———」

「弱い火ね。何だ、この世界はこうも魔法が弱くなってしまったのね」

「何言って‥‥‥」

「魔法というのは、こういうことよ」


 ドォォォォォォンッッ

 壁が、きれいさっぱり吹き飛んだ。


「は‥‥‥」

「これが私の使う中で一番弱い魔法。魔力が少なすぎて少し弱くなってしまったけれど、まぁ、アンタよりかは強いわね」


 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ