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第二章:「苦労の果ての報い」

肋骨を叩く心臓の鼓動を抑えながら、少年は最後の力を振り絞った。指先が巨木の枝の縁を捉え、脚の力強い蹴りとともに、彼は確かな感触のある木の上へと這い上がった。


その枝は、それ自体がひとつの世界のようだった。横たわっても落ちる心配がないほどに幅広く、乾いた苔と風にそよぐ葉に覆われた堅固な舞台だ。少年は背中から崩れ落ち、頭の上からスライムが滑らかに木の上へと滑り降りるのを許した。


彼は荒い息を吐きながら、そこから上を見上げた。木の梢は翡翠色の聖堂カテドラルのようにそびえ、黄金の破片となった日光を透かしている。先ほどまでその広大さで彼を震え上がらせた青空は、今や葉の隙間から慎ましく顔を覗かせ、遠く、そして穏やかなものに感じられた。


突如として、濃厚で芳醇な香りが辺りに立ち込めた。それは慣れ親しんだ土や樹液の匂いではない。野生の蜜のような、花の甘みを含んだ香りだった。


少年は鼻を震わせ、深くその香りを吸い込んだ。彼はゆっくりと身を起こし、手の甲でエメラルド色の瞳を覆う奔放な栗色の髪をかき上げた。長年の生存競争で研ぎ澄まされた感覚が、好奇心と共に緊張する。


数歩先では、スライムが歓喜に震えながら跳ねていた。半透明の体が、少年にもすぐに分かるほどの強烈な――純粋な喜びで振動している。香りの跡と相棒の動きを追うと、彼の視線はある枝の先に辿り着いた。


そこに、重厚な宝石のように吊り下げられていたのは、果実だった。それは完璧な球体をしたコバルトブルーの果実で、梢の影にあっても自ら光を放っているかのように鮮やかだった。果実の頂点には黄色い葉が冠のように添えられ、それは小さな炎を思わせた。


少年は本能的な警戒心を抱きながら、這うようにして近づいた。香りは喉の奥で味を感じるほどに強烈だった。彼は擦り傷だらけの汚れた手を伸ばし、果実の滑らかな表面に触れた。それは冷たく、張りがあり、地上の低木では決して出会えない「生命の約束」に満ちていた。


コバルトブルーの果実を口に含んだ瞬間、果汁が弾け、少年は思わず目を閉じそうになった。それは、唾液を溢れさせる酸味と、希少な花の蜜のような深い甘みが完璧に調和した、甘酸っぱい爆発だった。強靭な歯が繊維質の肉を原始的な渇望と共に引き裂く。


隣では、スライムが異なる方法で食事を楽しんでいた。果実を丸ごと包み込み、その半透明の核でゆっくりと溶かしていく。スライムの中心が果実の色に染まり、最後の一滴までエッセンスを抽出しているのが見て取れた。


八年間の孤独な歳月の果てに辿り着いた、二人だけの天上の饗宴だった。

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