148話
「えぇ………なにこれ」
シロロが魔道具を使って作り出した?物を近くで見てみると今までに全く見たことがないものすぎて驚いた。
長方形の箱の表面には透明なカバーがはめられていて、その中には透明な板があらゆる方向についていてそこには金属製の釘みたいなのが沢山ついている。そして真ん中くらいのところには赤い凸凹しているものがずっと回り続けている。さらにこの箱は赤、青、白と弱い光を放ち続けていて楽し気な音楽が鳴っているんだ。
「これはパチンコっていうんだよ」
「全然聞いたことがないよ」
「すっごく面白いんだよこのゲームは」
「これってゲームをするためのものなの?」
「そうだよ。いうよりもやってみせたほうが早いと思うんだけど見たい?」
「見たい見たい」
見ているだけでなんだか楽しくなってくる。光と音楽が楽しいことが起きるぞっていう気持ちを誘っている感じがする。
「それじゃあお金だして」
「お金が必要なの?」
「もちろんだよ。だからこそ楽しいんだよ、けど安心して当たったらお金はたくさんになって戻って来るから」
「そうなの!?」
「当たった時はすごいよ。お金は増えるし楽しいし頭がぼーっとなってどくどくして体が熱くなってお金が増えた、私ってすごいって感じになるし周りにいる人たちにも勝負に勝ったところを見せつけることができるんだよ」
「へぇすごいな。お金渡すから早くやっているところを見せてよシロロ」
「うんわかった!」
「ちょっと待って」
ウミカが言った。
「どうしたのウミカ?」
「さっき当たったらって言ってたけど当たらなかったらお金なくなるんですよね?」
「それはそう、ギャンブルだからね。けど安心して絶対増やしてみせるから」
「ふーん」
僕は少しでも早くこのゲームをやっているところを見たいというのに、僕の興奮とは反対にウミカの心は冷めている。
「どれくらいの割合で勝てるの?」
「どれくらいっていわれても困るよ、それはその時の台の機嫌とかやる人運によって変わるんだから。けど多分今日は勝てそうな気がするから安心して、今日はこの台が初めて出てきた日だから今日は出すぞって台が言っている気がするんだ」
ちょっとシロロが動揺しているのが伝わった。
「ふーん」
これだけシロロが熱く語ってくれてもウミカの心は冷めたままだ。
「シロロ、お金っていってもどれ使うの?」
貨幣の種類はさまざまで一番安い鉄貨から僕は今持ってないけど一番高い大金貨まで種類はいろいろとある。
「そうだねまずとりあえずは大銀貨から」
「ちょっと待って!」
ウミカが大きな声をだした。
「大銀貨って1万ゴールドだよ、わかってる?」
「とりあえずだよとりあえず。当たったらすぐにかえって来るから」
「それだったら鉄貨でもいいんでしょ?」
「それは無理だよ。だってひと玉の最低が4ゴールドなんだもん、そんなの入れてもなんにもならないよ」
「ひと玉ってどういうこと?」
「だから、説明するよりも見たほうが早いんだってば。だからいまそれを見せるのにお金が必要なの」
「けど1万ゴールドって大金よ。大人の人が普通に一日働いてももらえないくらいの金額よ」
「当たったら戻って来るんだってば。そんなチマチマ入れてても面倒くさいだけだよ、1万ゴールドっていってもやってればそんなのすぐに無くなっちゃうし。とくにこの「ドラゴンクルーン」はね」
「当たらないこともあるんでしょ?」
「当たらないことなんてないよ、諦めない限り当たりはいつか来るんだよ」
なんだかいいことを言ったみたいな顔でシロロが言った。
「とりあえず一回やってみようよウミカ。これがなんなのかはシロロが言うように見てみないと分からないと思うよ」
「うーん、けど1万ゴールドだよ1万ゴールド」
「確かに大金だけどせっかくあるのにこれが何かも分からないままただ置いておくのはもったいないよ」
「1万ゴールド………1万ゴールド………」
やっぱりウミカはお金に厳しい。これだけ言っても渋っているウミカを僕は何とかなだめた。こんなすごそうなものを試してみないわけにはいかないと思う。楽しそうだという気持ちはあるけど知りたいという気持ちも強い。
シロロは僕から受け取った大銀貨を惜しげもなく「ドラゴンクルーン」へと入れた。




