第二話:白衣の女性
新宿駅ホームにて、この時の気温は三十度。黒変した謎の
粉末の入った、ペットボトルを見つけた駅員はそれをゴミ箱
に捨てた。そのペットボトルには、複数の穴が開いていた。
十五分後、ゴミ箱の横に立っていたサラリーマンが倒れた。
息がもうろうとしている。その二分後、OLがゴミ箱付近で
煙草に火をつけた。──新宿駅爆発──。人々が倒れていっ
た。翌日、現場にいた駅員に話を聞いた。駅員の話を聞くと、
黒い粉末があり、ツンとくるような臭いがしたということだ。
薬品専門の捜査員がいたので調べてもらった。結果は、青酸
系薬物。薬物の沸点は、二十六度。気温が三十度もあれば、
気化する可能性は高い。また、六時間前くらいから置いてあ
ったと言っていた。黒変し、爆発性が強まったといえる。さ
らには、爆発前の時間帯は午前九時。ちょうど気温が、上が
ってくる時間帯だ。このことから、計画性のある犯行だとい
うことがわかる。しかし、爆発で証拠が消え去ってしまい、
まったく手がかりがない。これではどうしようもない。
その二日後、サラリーマンの話により白衣を着た女性が、ペ
ットボトルを置いていったことが分かった。だが、顔が分から
ない。一週間後、元防衛副大臣が演説中に射殺された。司法解
剖の結果、青酸系薬物の入った銃弾が肝臓から見つかった。歩
道橋の防犯カメラの記録に、白衣を着た女性がうつっていた。
またしても、顔が見えなかった。警察は、新宿駅周辺のドラッ
グストアを調べた。しかし、女性は見つからなかった。事件は
謎に包まれていった。しかし、二日後に目黒区のとある路地で
異体が発見された。遺体に目立った外傷はなく、首の辺りに注
射器の針のあとがあった。身元は、内閣府男性 黒田義彦、三
十六歳。この事件にも、白い白衣の女性がかかわっている。遺
体の横に文字が書かれていた。
「case 亀Black」
訳すと、事件 亀 黒になる。並び替えると黒亀、ピンときた
江東区の黒亀橋の跡が次の事件現場になるということ。直ちに
警察に連絡した。犯人を捕まえる絶好のチャンスだ。しかし、
自分から場所を言うとは・・・・。警察は二十四時間体制で、
見張りをした。そして五日後、市営のバスが事故を起こした。
運転手と乗員は、すべて死亡が確認された。原因は、またして
青酸系薬物の気化だった。そこに、白衣の女性はいなかった。




