閑話〜オーランドVS隣国王子
(全く舐めた事をしてくれる!!)
ここはブルーラー家屋敷内のオーランド執務室。先程、ミュゼットがシャルダン王子の謁見から戻ったランスより報告を受けたところ。
オーランドはらわた煮えくりかえる寸前である。
「如何いたしましょう?シャルダン王子をお呼びいたしましょうか?それとも別棟で話されますか?」
ランスは、既に解っているのだろう。主人が苛立っていても妙に落ち着いている。
「別棟で話そう。ミュゼを一人で会わせるんじゃなかったな。大体、カードを持っているのはこっちだ。いい気になりおって、まぁ良い。ランス、国王の返事は来たのか?」
「はい、先程、早馬が到着しました。こちらです読まれますか?」
「うむ。」
ランスは国王陛下の封印をした手紙を渡したます。
「思った通り二つ返事だったな。条件もまずまずだ。」
「あの‥オーランド様、実はもう一通、国王陛下からの手紙がございまして。」
「国王から?」
ランスはもう一通、手紙を渡す。封はしているが真っ白い手紙で誰からの手紙か分からない様になっている。
(見なくても予想がつくなぁ。)
「読みたくはないが‥‥。」
ため息混じりで封を開ける。
『叔父様には感謝しております。これで、ほぼ賭けは私の勝ちですね。あと一歩です。』
オーランドは直ぐ様手紙をグジャっと握りしめてゴミ箱に捨てる。
「くっ、あやつ!!国王の奴めヨハンに似て腹黒さが滲み出ている。ユーフリードを預かる時もアレクを騎士団に入団をさせる話をした時の満面の笑顔。甥じゃなきゃ国王から引き下ろしていたわ。」
「まぁまぁ、そう言わずに可愛い甥っ子様ではございませんか。では、シャルダン王子との手配をして参ります。」
「そうしてくれ。今からでも乗り込みたいぐらいだが今、乗り込んだら理性が効かん。」
「御意」
さて、少し時間はかかったが準備は整った。これであいつも懲りるであろう。さぁ、どうでるか楽しみだ少しは楽しませてくれるだろか?
夜になり酒を飲みたくなった頃にランスが入ってきた。
「シャルダン王太子殿下がお会いになるそうです。」
「分かった直ぐに行く。」
ブルーラー家の屋敷は本宅の他に別棟が2棟ある。一つ別棟は港がある領土なので本宅に負けないぐらいの作りになっておりそこに高貴な来賓は招いたりする。もう一つ別棟は、夜会、茶会など開く為のホールがあるその時に必要な部屋や客室が用意してある。王宮と負けないぐらい屋敷ではある。違うのは作りが宮殿か屋敷の違いだ。
シャルダン王子が招いた部屋は別棟のサロンである。
オーランドは片膝を付き貴族の挨拶をする。
「オーランド殿、堅苦しいですよ。あなたと私の仲ではありませんか。」
「いえ、そんな仲でも権力を使って私をミュゼットの謁見に同席させなかったのはシャルダン王太子殿下ではなかったかな?」
「オーランド殿は根に持つなぁ。ミュゼット姫と本音で話したかっただけですよ。」
「私とでは本音で話せないと言う意味かな?私には本音で話したと言うよりは脅したように思えるが‥。」
「物騒な事を言いますね。少しからかっただけでよ。」
「からかった?シャルダン国ではからかいながら口説くのが主流なのか?」
「オーランド殿、ミュゼットを王妃に迎えたいのは本音だ。許して貰おうとは思わない。権力を使っても手に入れるつもりなので。」
「ミュゼットに惚れたのか?」
「オーランド殿、面白い事を言いますね。あなたも王太子の経験があったでしょう?恋愛で王妃は決められない。まず国益を考えねばならない。私は王妃が決まれば誰であろうと王妃を愛するつもりですがね。」
「だろうな。お前ならそう言うと思っていたが王太子として模範的な回答だ。つまらん。つまらん人間にミュゼットはやらない。」
シャルダン王太子は大きく溜息をつく。
「オーランド殿、先程も言ったが貴方に許しを乞う事をしない。おそらくミュゼット姫はシャルダン国とウランダ国の民の事を思い私の妃になる事を選ぶと思いますよ。」
オーランドはシャルダン王太子を見据えニヤリと笑う。
「私が手ぶらで来たと思うか?ここに我が国王陛下の書状がある。読んでみろ。なかなか、面白い事が書いてある。」
シャルダン王太子は手紙受け取って読んで行くうち顔が険しくなっていく。
「‥‥そんなバカな。こんな事直ぐにはできな筈。」
「時間はかかった。第一王女をファルダ国に嫁がせるからな。」
「まさかシャルダン国王陛下とここまで話が進んでたのか?私は知らないぞ。」
「丁度良かった。王太子殿が外遊中だったからな。両国の陛下同士の話はついている。第一王女の母君はウルダン国の王女だ。これに対してもファルダ国王陛下も納得済みだ。ラウラ国は王女が嫁ぐ条件として王太子妃として迎える事。ファルダ国はウランダ国元王女
ミネラバ妃による告発だ」
「告発?」
「ミネラバ妃は快く条件の協力を受けてくれた。王女が王太子妃になる事喜んでな。ウランダ国で起きた王太子妃の死の真相と計画犯、実行犯の解明に協力してくれたぞ。お前としても嬉しいだろ?」
「確かに条件としては申し分無いがいつから用意したんですか?」
「お前がミュゼットを拐かそうとした時からだ。悪戯が過ぎるぞ。」
「確かにやり過ぎましたが純粋にミュゼット姫が興味あって少しだけ話して直ぐに帰すつもりだった。」
「今となっては、まぁよい。今回はお前の負けだ。ツメが甘かったな。」
「仰る通りです。」
オーランドは部屋から出て行こうとした。何かを思い出しように振り返る。
「『大地の女神の呪い』の事は明日、ミュゼに聞けばいい。なかなか面白い話だぞ。」
「えっ、教えて頂けるんですか?」
「隠してどうする?意味がないだろう。せっかく交易路を開いた国が落ちぶれては困る。」
「ふふふ、やっぱりオーランド殿は優しいですね。最後はいつも助けてくれる。明日は同席されてもいいですよ。」
「いやいい、私がいては本音で話せないんだろう?」
オーランドどそう言うと部屋から出て行った。




