そして無事に帰国されました。
シャルダン王子から物騒な事を後半言っていた様な気がしましたが戯れ事だと思い忘れる事にしました。
別棟の入り口を出ると殿下がいます。
「ミュゼ‥無事で良かった。」
「ハルト様、無事も何も心配し過ぎです。」
「昨日の謁見から嫌な予感がして心配だった。」
「杞憂でしたね。」
「そうだな。」
他国に嫁ぐ可能性がある事は覚悟は前世でも覚悟はしていました。恋だの愛だのと言う事は考えないようにしていたつもりです。でも、今回、シャルダン王子の交換条件が無くなって自分でもホッとしているのが不思議でした。
殿下は納得しているかどうか分かりませんが本宅の方へ足を向けます。
本邸の方に戻ると兄様が待ち構えいました。
「ミュゼ、さっき父上に聞いたが今日も謁見てどう言う事だ?」
連日の謁見は不自然だったらしく確かに私も不自然ですよね。私が返す言葉に困っているとランスが横から助け舟を出してくれました。
「シャルダン王子はご存知だと思いますが愛くるしい者を好む方。きっとミュゼットお嬢様を独り占めして構いたかったのでしょう。アレク様も私とガゼルがお供しましたので特に謁見中は何事もなく終わりましたよ。」
いまいち兄様は納得しておらず今度はガゼルの方が気になったらしく。
「ガゼルとは初めて聞く名だが?」
ガゼルは騎士しく胸に手を当ててお辞儀をします。
「ミュゼット様の護衛を務めさせて頂いてるガゼルと申し上げます。以後お見知りを」
「護衛の割にはミュゼットの側にいつもいないな。それにお前、血生臭いぞ。」
「これはこれは、流石、ブルーラー公爵子息様です。よく鼻が効きますね。今朝程は獰猛な野犬が煩く2.3匹程始末したので返り血を浴びたせいでしょう?着替えはしましたがまだ、匂いは取れなかった様ですね。主から離れて護衛するのは私の手法ですのでお気になさらないでください。」
「気に入らないな。」
「では、私は一仕事終わりましたので失礼いたします。」
ガゼルは本邸の中には入らず行ってしまいました。
「なんなんだ、あいつ。」
兄様は、ガゼルの後ろ姿を見てを睨み付けます。
「ガゼルは出所が変わっていますので取っつきにくいところもありますがきっとアレク様の力になれる時が来ますよ。」
「信用できないよ。素性が分からない奴なんて。」
兄様も機嫌を悪くしたのか部屋に入っていきました。
殿下が何か考え込んでいたらしくランス疑問を投げかけます。
「ファルダ国の謁見の時、何故、ランス殿かオーランド殿同席はなかったのだろう。」
「それはシャルダン王太子の希望でミュゼット様と使いの者のみでとお達しがありまして。」
「ファルダ国はかなり強気だな。」
「そうですね。ラウラ国の王太子にもこれ以上他国から強気の態度を取られない様に是非、頑張って頂きたいものです。」
「ランス、厳しいなぁ。」
「この国の王太子殿下に期待しているのですよ。」
「さぁ、ミュゼット様も大役、ご苦労様です。お部屋に戻ってお見送りまでおやすみ下さい。」
そして、その後は無事にシャルダン王太子殿下は帰国されました。
お爺様達も早々と屋敷を後にして行きました。
そして春になり兄様は王都の騎士団に入団されました。第三部隊と入団テストを首席で通った事で異例の出世です。
しかし、お父様は全く喜んでいません。たまに殿下と一緒にやってくるお爺様に愚痴を溢します。
『アレクが王都に行かなきゃいけない!父上の嫌がらせだ!』
『ヨハン、アレクが残ってお前が王都に行ってもいいんだぞ。宰相補佐とか文官にでも。代わりに行くか?』
『チッ。行くわけないじゃないですか。』
と繰り返し言い合っています。
殿下は兄様が騎士団に行くのは嬉しいらしく。後、2年もすれば王都に戻らないと行けないとの事です。『後4.5年もすればきっとアレクなら近衛部隊まで出世するはず。その時は俺の側近に引き抜くんだ。退屈な王宮生活も楽しくなる』と物凄い笑顔で言います。
殿下、兄様の事大好きみたいです。
だって、来るたびに兄様の話題ですよ。私も大好きな兄様の話題で盛り上がります。
兄様が騎士団に入団し暫く経つとお爺様が殿下を連れて屋敷にきました。
お父様とお爺様に部屋に呼ばれて行くとお父様が機嫌の悪い顔で座っています。
お爺様が話を切り出して来ます。
「ミュゼに知らせたい事があってな。まだ、先だが2年後に王宮に上がって欲しい。」
なんですって!!




