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隣国の王子の思惑

別棟の広間が謁見室と使われています。中に入ると奥の真ん中にシャルダン王子椅子に座っています。

隣で立っている方は中年の側近の方、真ん中の花道のサイドには近衛の騎士様達が並んでいます。


「ファルダ国シャルダン王太子殿下、ようこそブルーラー公爵家にお越しいただき感謝申し上げます。私、ブルーラー公爵令嬢のブルーラー•ミュゼットと申し上げます。」


カーテシーで一礼します。後ろにはランスとガゼルも付いています。


「ミュゼット姫、堅苦しい挨拶は辞めないか?私と貴方の仲ではないか。しかし、女の子は2、3年でこんなに変わる者だな。間違える様に美しいなった。また、成人になるまで更に美しくなるのであろう。」


「お褒めにつかわりありがとうございます。」


「あれから2年、貴方に会うのにここまで大変だったとは夢にも思わなかったよ。この2年の間、何度も私的に会おうとしても君の祖父様やお父上はのらりくらりとかわされるし、たしか何度か我が国に少し招待しようと使いの者を送っても帰って来なかった。あの者達はどこへ行ったことやら‥‥。」


と、シャルダン王子は後ろにいるガゼルに剣呑の目で睨みつける。ガゼルも顔は無表情ですが異様な殺気が漂っています。


「使いの方がブルーラーの領地に来た知らせは何も聞いておりませんが、私くし如きにそこまでお会いする必要があるのでしょうか?」


「私くし如きにか…そこまで謙遜しなくても良いのでは?ミュゼット姫の事、何故、私がそこまで会いたいか察しが付いている筈。こうして公式訪問までしないとお目にもかかれないとは。それでも貴方に会わなければいけなかった。」


「さぁ、私くしに何の事だか、サッパリ分かりませんが。」


「では、率直に聞く大地の女神の呪いについて知りたい。」


「私が知っている事は文献の内容だけです。何も新しい事は存じ上げません。」


シャルダン王子は、不適に笑っています。2年前の笑みと全く違いこれは、同一人物なんでしょうか?


「流石は、オーランド殿の血を引くだけある。中々、肝の据わった方だ。では、ここからは王子としてではなく個人の本音で話す。ミュゼット姫、貴方がもし大地女神の呪いこの先、いつ起こるか何が起こるか教えて頂ければ、ファルダ国の人々の命を救う事が出来る。貴方に慈悲のお心があるのならば教えて頂きたい。」


シャルダン王子は私の前まで来て片足床につけ膝まづきます。 


「王太子殿下がその様な事を。お辞め下さい。本当に何も知らないのです。」


シャルダン王子は私の耳元でここにいる他の者に聞こえない様に囁きます。


「私には時間がかない今回の訪問を逃すと今度は、いつ貴方に会えるかわからない。どうか質問に答えて欲しい。」


私も他の人に聞こえない様に囁きます。


「では、一つだけお答えください。ウランダ国とは友好国にはなれませんか?」


シャルダン王子の顔が険しく怪訝な顔になりました。剣呑な目つきで私を睨みつけます。


「ミュゼット姫、正気で言っているのか?我が国とウランダ国の内情を知っての事か?」


ガゼルが飛び出そうとするのをランスが止めます。明らかにシャルダン王子は怒りに満ちてます。

そう、私は知っています。ファルダ国とウランダ国は一度は友好国としてやって行こうと第一王女をウランダ国の王太子妃として差し出しましたが嫁いで1カ月も経たないうちに第一王女は亡くなり死因が流行り病との事だけ告げられています。

これは、ウランダ国主張であってファルダ国が王女の死因を追加する事を流行りの病なので伝染する危険があると死体を引き渡さなかったと言われています。

両国はこれにより冷戦状態になっているのです。

シャルダン王子は立ち上がり少し私から離れると突然で苦笑を交え言いました。


「ウランダ国との友好とは?ミュゼット姫、それは『大地の女神の呪い』の交換条件として受け取って良いのか?しかしながら交換条件にしては釣り合いが取れない。そうだな‥‥。ミュゼット姫を我が国の王妃として迎えるのはいかがだろう。さすれば嫌でも『大地の女神の呪い』以外の事も我が国へ協力して頂けるであろう?」


「それは……。私の一存では決められません。」


「それは、肯定ととっていい良いのか?」

 

「今すぐの返事は出来ないとおしゃっているのです。」 


と、ランスが会話に割って入ってきます。


「そういう事か。既にオーランド殿はご存知のことの様だ。これ以上、我が国もウランダ国も冷戦状態ままではいられない。返事は私がここに滞在している間に欲しい。と、ランス殿、オーランド殿に伝えてくれ。」


謁見は終わり本邸の自分の部屋に戻りました。ガゼルは部屋の前で別れました。

ファルダ国の王太子殿下を招いての晩餐会でした。何も会話が頭に入って来ませんでした。

誰かの妻になる事は、貴族の娘として小さい時から覚悟をしています。なので、私が隣国へ嫁ぐ事で人々の命を守れるなら本望ですが何故しっくり来ない自分がいます。

ましては隣国に行くイコール確実に前世の処刑、もしかしたらお爺様の死すら回避できるのです。

しかし、何故、あそこ躊躇してしまったのでしょう?

気が付くと翌朝になっていました。

朝食を終え部屋でシャルダン王子の返事の呼び出しを待っています。


コンコンコン


ランスが入って来ました。


「お嬢様、オーランド様よりお言付けがございます。」

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