王子とアレクの仲
誤字報告、ありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。
ミア、また消えてしまいました。
ミアは、前世では逃げないでと言っていましたが、前世では、何に逃げたのでしょう?
王宮での政務はこなしていました。確かに、面倒な方々が多いので忙しさにかまけて、王宮の関係の方々とは必要最低限の会話しかしませんでした。
今の殿下を見ているとやはり私はきちんと向き合わなかったのでしょう。
だから、知らないうちに恨まれ、陥れられたのでしょう。
コンコン
「お嬢様、少しよろしいでしょうか?」
ガゼルです。こんな夜更に何でしょう?扉を開けるとガゼルが部屋の中に入ってきました。ベットの下やらあちこち何か探すようにウロウロしています。
「ガゼル?何かあったの?」
「お嬢様の部屋から何か異質な気配が感じたもので‥‥。」
異質‥‥。恐らく、ミアの事ですね。前にもガゼルから逃げるように帰ったから秘密にしていた方がいいですね。
「ガゼル、何もないと思うわ。ここで私ひとりだったわ。」
「お嬢様、どうやら逃がしてしまったらしいです。」
確実に妖精の気配を嗅ぎ取ったのですね。どうやら私の嘘もお見通しのようです。
「逃がしたって‥‥。」
「隠されるという事は、ここにいた異質の者も敵意はない様子ですが敵意がない振りをして喉を喰いちぎる者もおりますのでお気をつけてください。では、失礼。」
一言、言うとすぐに立ち去っしまいました。
肝に銘じますともガゼルに言われなくても前世の経験があります。
ガゼルが消えたと思ったら兄様と殿下が部屋に入ってきます。
「ミュゼ!何かあったのか?部屋から人の声がしたから来たんだが‥。」
殿下が先に話します。
「何でもないですよ。ただの護衛の者の早とちりでした。」
「この部屋の前にもくる途中も護衛の騎士とすれ違わなかったよ。一体、どんな奴なんだ。」
兄様が不思議そうに言います。
「それは‥‥。お爺様かお父様に聞いて下さい。お爺様もお父様も信用できるって言ってたけど。私も護衛の事はいまいち知りませんのでうまく説明が出来ません。」
「まぁ、アレクいいじないかミュゼも何事もなかったから」
「いやダメだ、ミュゼの事で僕が知らない事があるなんて‼︎」
「そ、それより、兄様達は何処かに行ってらっしゃったんですか?」
話を逸らします。
「アレクが街の夜店に行ってみないかって誘われてね。」
「えー!兄様ずるいです!」
「ミュゼなんて連れて行ったら父上、母上から袋叩きに合うよ。そしてお爺様からは稽古という地獄の特訓で死んでしまうよ。」
「はっはっは、そうだな。僕ら二人だけ見つかるなら一言二言で終わるけどな。」
「お爺様より、ランスの方が怖いよ。気の為方の練習なんか上手く溜まるまで2日も眠らせくれないし。」
「俺もあれは流石に死ぬかと思ったよ。やっと溜まったと思ったらもっと早く溜まらないとダメだとか。」
「強くなりたいけど死にたくはないよ。」
「そうだな。アレクは王宮の騎士団でもきっと強いだろうなぁ。」
「殿下も始めは剣もまともに待てなかったから心配したけど今じゃ私と結構いい線まで戦えるよね。」
ねぇ、兄様、殿下、ここは私の部屋ですよ。男子トークはご自分の部屋でお願いします。
それよりも兄様と殿下が仲良し過ぎます。
「ミュゼ、ごめん、ごめん。淑女の部屋で話し込んでしまったね。さぁ、アレク部屋にもどるよ。明日はアリアナ夫人が稽古をつけてくれるって張り切ってたから。」
「母上が‥‥あの方は涼しい顔して容赦ないから。」
「そうだな。美しいが故に恐ろしい。じゃあミュゼ、おやすみ。アレクいくぞ!」
「ミュゼ、おやすみ。」
兄様と殿下が仲よく出て行ってしまいました。2年も一緒にいると友情というものが芽生えるらしいです。
翌朝、母様が稽古に参加するかいう事でアルバートに頼んで見学させて貰いました。
勿論、私は離れた小屋の中から見学です。
ここからだと顔の表情や話し声までは聞こえません。
「ほう、本日は奥様は実戦用の弓矢を装備している様ですね。」
前回、見学した時とは違いブルーラー家の騎士の方も参加している様です。
「実戦用って、危ないじゃない?」
「大丈夫ですよ。お二人とも防具をしっかりと付けてますので当たっても大怪我ぐらいですよ。アリアナ様の矢の威力は凄いですからね。」
アルバート?この距離でそんな所まで見えるあなたの方が凄いのですけど‥‥。
前回とは違い、凄く激しい実戦の様な稽古です。兄様と殿下が背後を取られない様に背中合わせに走って行きますが物凄い足が早いです。母様達も馬で追いながら矢を射ります。
冷や冷やしているうちに無事に稽古が終わった様です。
兄様と殿下がこちらに向かってきます。兄様も殿下もこの距離で私がいる事、気づいていたなんて…驚きです。
「ミュゼ、おはよう。どうだった?兄様に惚れ直しただろう?」
ガツンと母様に後ろから叩かれます。
「アレク、何を調子に乗っているのです。まだまだですよ。避けてるだけでは実戦ではやられてしまいますよ。もっと、間合いを詰めてなければ、矢が射り易くて私の稽古にもなりませんよ。殿下も背後ばかり気にしてて踏み込め内容では追い詰められますよ。‥‥《中略》‥‥全く、足が速いからといって‥‥。」
「はっはっは、アリアナそこまでにしといてやってくれ。」
お爺様もこちらに来ます。
「まぁ、お義父様、珍しくおやさしいのですね。」
「アリアナの言ってら事はご最もの話だが‥確かにアレクは騎士団の試験もある暫くは特訓だな。」
「しかし、オーランド殿、既にアレクは王宮の騎士団のレベルを超えているかと思うのですが…。」
と、殿下がいいます。
「ただ騎士団に入団するのが目的でないからな。」
と、言い残してお爺様は立ち去ってしまいました。
「殿下、この後、商会に行かないか?ハルトとして行ったら楽しいと思うだけど‥。」
「いいね。行こう。」
「兄様、私も連れていって下さい。」
「ミュゼはダメだよ。あそこは各国の商人が集まるんだ。ミュゼなんか行ったらさらわれちゃうよ。ダメダメ。」
「そうだな。ミュゼは留守番だな。荒っぽい輩もいるから、街で何かお土産を買ってくるから大人しく待っていろ。」
兄様と殿下、本当に仲良くなって、なんだか私、少し寂しくいです。




