久しぶりの妖精
翌日は朝には屋敷を出て夕刻に屋敷に戻るとお父様の熱烈な歓迎待っていました。さらりと交わしながら母様に抱きしめられて戻って来た実感が湧きます。
寂しくは無いけどやはり、我が家です。
「ミュゼ、帰って来たばかりで疲れているだろうが少し執務室へ来てくれないだろうか?どうして見せたいものがある。」
お父様、何だか嬉しそうですね。母様も何か嬉しそうです。そのまま一息着きたかったですがそのまま、リサを連れて執務室へ行きました。
「ミュゼがお爺様の屋敷に行く前にアレクとミュゼの絵姿を頼んだと思うが、それが出来上がって来たんだ。あれがそうだ。中々、いい出来だと思わないか?」
あー、前世から目覚めたばかりの時ですね。そう言えば絵師の方、何度かデッサン画とモデルになりましたね。半年で出来るとは案外早く出来ましたね。
お父様、執務室に飾ってあります。
しかし、まぁ、なんと恥ずかしい。絶対に兄様が見たら嫌気のさした顔しそうです。肖像画ではなく抽象画で描かれていて私達は天使に象られています。二人とも一枚の白い布を着ていて羽が付いています。
私が空から兄様の所に着地しようと兄様が抱き受け止めるというモチーフですね。まぁ、確かに美しく描かれてますが自分だと思うと恥ずかしいです。
「素晴らしいだろ?エントランスに飾っていたんだが、来客が来るたびに譲って欲しいとか、モデルの子に合わせろとかしまいには模写をするから貸して欲しいとか煩いのでここに飾ってある。」
エ、エントランスに飾ったのですね。でも前世では、この絵姿は存在しなかった筈なんですが、ほんの少しの事でも変わってしまうので何だか不思議です。
「お父様が気に入って下さって良かったです。私は…自分がモデルなので少し恥ずかしいですが。ところで、お父様、ガゼルと言う人ご存知ですか?」
「知ってるもなにも、ああ、お前の護衛だろ?」
「私、ガゼルをお爺様から紹介されたきり見かけないのですが…。」
「なんだ、聞いてないのか?近くに張り付くような護衛では無いぞ。」
「護衛とは、普段から近くいて護ってくださる者の事を言うのでは?」
「あやつはちょっと変わってるからな。まぁ、護る守備範囲は広いと思っておけばいい。近くに居なくて心配なら呼べば来るぞ。お前を中心として行動範囲を広げてるから、近くに居ないと言う事は、近くに危険な者がいないと言う事だ。しかし、父上はまたガゼルなんか付けて、何を考えているのかこの屋敷には私やアリアナがいると言うのに、何が心配だといのか。」
お父様、機嫌がかなり悪いです。母様は、『月の戦士』と言われるぐらいの弓矢の名手です。そしてお父様もお爺様と同じくらいお強いので大層、ご不満なんでしょう。
「まぁ、あやつの手腕は確かだ。お前はガルセの事はあまり知らなくていい。いや、知らない方がいい。空気だと思え。」
ここまで、姿を見ないと既に空気なんですけどね。
久々に自分の屋敷で食事をし、ベットに入ろうとした時でした。
「エヘヘ、久々ぶり、ミュゼ。」
「ミ、ミア?また、突然ね。」
「変な事、言うね。突然でないと会えないでしょう。僕達は。神様に様子を見て来いって言われて来たんだ。」
「神様に?神様は、こっちの様子は分からないの?」
「分かるに決まってるじゃないか。神様だよ。ミュゼって当たり前の事を知らないんだね。お話して来なさいと言われたんだよ。」
「ミアは、いいわね。あっちこっちに自由に行けて。私からミアには会いたい時に会えないの?」
「ミュゼ、僕は妖精だよ。ほぼ人間の君とは違うだよ。諦めて。それよりもミュゼの周りって面白い人間ばかり集まるね。妖精の血が呼ぶんだね。」
「どの人の事言ってるの?」
「ファルダ国の王子や、ここの国の王子とか後は、新しい護衛の人とかここの王子は竜人の血が混じってるから面白くて当然なんだけどね。」
「シャルダン王子もガゼルも?」
「竜人の血ではないけどね。神様に聞いて話していいって言ったら教えてあげる。」
「随分、もったいぶるわね。」
「だって、この前、ミュゼに沢山話し過ぎるって注意されたの、あ、そうそう、神様がね。今度、王様が王宮へ来なさいって言ったら行きなさいだって。」
「えっ、絶対嫌よ‼︎」
「わぁ、神様の言ってた通りだぁ。ミュゼ、絶対に嫌って言うよって言ってた。神様、ミュゼの事よく分かってるね。」
「だって、私、あそこで殺されたのよ。行きたいわけないじゃない。神様じゃなくても分かるでしょ?」
「でも、行かなきゃ行けないって言ってたよ。うーんとね。ちょっと待って、なんで言ってたかな?そうそう、これからの運命で大事な人と会わなければいけないんだって。」
「誰なの?大事な人って。」
「あはは、知らない。でも、まだ呼ばれるのは当分先の話になるって、伝言、伝えたよ。あ、そろそろ行かないと護衛の人が感づいちゃう。ミュゼも寝るんだよ。」
「えっ、ミア、ちょっと待って意味が分からないわ。」




