妖精は律儀に約束を守ります。
部屋に戻ってリサが私の寝支度をします。
「やっぱり言い過ぎてしまったわ。きっと、そのうち不敬罪で罰せられてしまうわ。」
「ないない、ないですよ。側から見ても王太子殿下の気持ちはダダ漏れですよ。お嬢様、殿下をたらし込んで王妃にでもなるつもりなんですか?」
「た、たらし込むなんて、そんなつもりも何も。」
リサ、5歳の子に対してたらし込むとは言い過ぎです。
「無自覚なんですね。あれは、もうお嬢様しか‥‥。」
リサ、固まっていますが‥。
「リサ?」
「リサ、あんまりミュゼに変な言葉を教えないでくはないかな。」
兄様、いつの間に部屋にいたのでしょう。
「あら?こんな夜更けにいつの間にいらっしゃって。」
「何度かノックしたんだけどね。」
「それは、ごめんなさい。で、ご用件は?」
「明後日から討伐に出発する事に決まったんだけど今回は、1日では終わらないらしい。4〜5日かけて念入りにラウラとファルダの国境を探索するらしいよ。ミュゼはその間はここにいる事なると思うけど。」
「大丈夫ですよ。リサもランスもいるしお爺様のお屋敷の探検でもするわ。ここも広いお庭だから4、5日すぐ過ぎてしまうわ。」
「そう?少しは寂しがって欲しいな。僕はミュゼがひとりでいるの嫌だな。」
いえいえ、そろそろ妹離れして下さい。兄様、結婚が出来なくなりますよ。
それに妹に無駄に色香をばら撒くのはやめて下さい。
「兄様、話は分かりました。もう、夜は遅いですので私は眠りたいのですが。」
「えー、久々にミュゼと寝ようと思ってね。」
「私は一人でゆっくり寝たいので、兄様は自分の部屋で寝てください。はい、おやすみなさい。」
ハイハイ、出ってて下さい。中身は、添い寝をする程幼くありませんからね。兄様をサッサと追い出しました。
「アレク様もお寂しいのでしょう。最近、お嬢様が王太子殿下と仲がいいのでお嬢様を取られてしまうのがご心配なんでしょう。では、御用がなければこれで下がらせて頂きます。ゆっくりおやすみ下さい。」
と、言い捨ててリサが部屋から出て行きました。ようやく、ゆっくりと眠れますね。
目を瞑り睡魔に浸っていると。
なにやら、視線が気配が‥。
「よう!」
「あなた、昼間の!!」
ベットを覗き込んでいる羽の生えた小さな女の子がいます。
「約束通り来たよ。」
「いつ?どこから入ってきたの?って、あなたは誰?」
「あはは、びっくりしてるね。僕は、こう見えても純粋な妖精だから部屋に入るなんて簡単な事さ。でも、ここのお家は、竜人の血族が3人もいるからちょっと大変だったけど。」
「あなたの話が本当だとすると私も竜人の血族だと思うだけど。」
「そうだね。だけど君とさっきまでこの部屋にいた男の子も妖精の血も混ざってるね。竜人の血族でもどっちかっていうと妖精よりだね、二人とも。ねぇ、さつきから不思議なんだけど君は僕のこと怖くないの?」
「全然、怖くないわ。こんなに可愛らい子。どこがこわいの?」
「やっぱり、変わってね。時間を遡ってきた子だからかな?」
「時間を‥って、私の事知ってるの?」
「昼間に変わった子がいるから、神様に聞いたんだ。君は、時の神様の祝福を受けたんだって。」
「時の神様、神様って沢山いるの?」
「沢山って程でもないけど、水、生命、火、土、愛、時の神様がいるよ。僕達の神様は生命の神様なんだ。」
「何故、私が祝福を受けたのかしら?」
「詳しくは教えてくれなかったけど、君の運命本来と違う運命でそのままにしておくと歴史大きく変わるから時の神様が君に祝福を与えたんだって。」
「あなたの説明だと省略されているところが多すぎてよく分からないけど‥。私が時を遡っる事で何かが変わるってこと?」
「もう、すでに変わったきてるみたいだけどね。時の神様の祝福は一度しか受けれないから、まぁ、頑張って。」
「頑張って、なにを?」
「まぁ、いろいろ。僕の姿は妖精の血が混ざってないと見えないんだ。また、会うことがあると思うから覚えておいて。」
「ねぇ、また会うなら名前、教えて。」
「そんなのないよ。僕達の世界では。好きに呼んで。」
「名前をつけてもいいってこ?」
「そうだね。つけてもいいよ。」
「あなた、女の子?」
「妖精の世界では、精霊になるか人間になるか決まるまでは男女の区別はないんだ。」
「人間にもなれるの?」
「うん、でも、大昔は人間になった子もいるらしいけど一人しかいないって、僕も人間はいやだなぁ。寿命は短いしすぐに争うし、人の物とか欲しがるし他にも色々。」
「寿命って、そんなにちがうの?」
「精霊だと1000年は生きるからね。あ、僕、もう戻らないと。ねぇ、名前早く決めて。」
「じゃぁ、少し男の子っぽい話し方だけど見た目どっちかって言うと女の子だよね。そうね。ミアはどうかしら。」
「うん、いいと思う。僕の名前はミアだね。じゃぁ、またね。ミュゼット。」
「うん、またね。」
なんだか慌ただしく帰って行きました。
ようやく寝れると思いましたが本日、いろいろ出来事が多すぎてなかなか眠れませんでした。




