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トルガの町にて

馬車に揺れる事、何時間が過ぎたのでしょうか?

私とリサとアルバートは同じ馬車に乗っています。

お爺様、殿下、兄様は護衛の方と馬で移動です。

お爺様のお屋敷までは、早馬で3〜4時間程度、馬車だ半日かかってしまいます。そろそろ、お昼の休憩でトルガという小さな町に到着する予定です。


「さぁ、降りますよ、お嬢様。」 


アルバートにエスコートして貰います。

みんなでゾロゾロと食事に行くのも目立ってしまうので私を含めてお爺様と殿下、兄様と4人で行動することになりました。身分を隠してなので、殿下の事もリード様と呼ばなければいけません。私も今日は旅行着なのでシンプルなワンピースなのでちょっといいとこのお嬢様で通るだろうと、お着替えはなしです。


小さな町ですが、それなり活気があります。露店も並んでて楽しいです。

どうも、この町は手先が器用な人が多いのか、露店に目を奪われます。


「わぁー。熊の木彫りが沢山並んでる。」


リアルな熊から擬人化した熊までありますよ。お魚をくわえてます。


「王都で熊の縫いぐるみが流行っているだろう?熊の木彫りを擬人化して売り出したら売れてなぁ。今では特産物になってる。ここの木彫り職人の腕がいいから今じゃリアルな熊まで売れるようになった。」


お爺様がおしえてくれました。

色々、キョロキョロしていると、刺繍のレースやリボンが売ってる隣の露店を見つけます。お爺様とお兄様は木彫り熊の前で熊を物色中です。

細かい刺繍がされており模様が少し盛り上がるようにされています。色使いも原色の色が多く私のお屋敷の近くの町ではあまり見ない色使いです。


「それはチロリアン刺繍っていってドルガでは主流のものだよ。」


露店の売り子のお姉さんが着ているスカートも刺繍が入っています。殿下も興味があるのか見ています。


「ミュゼ、気に入った物があった?」


「ええ、でも、どれも可愛いくて迷ってしまいます。」


殿下は、一本のリボンを選びました。


「これなんかはどうだろう?」


「お兄さん、目が高いね。それはギンガム刺繍っていってこの町でしか買えないよ。お嬢ちゃんそれにしなよ。よく似合うよ。」


緑のギンガムチェックの布上から白い細い糸でレースの刺繍がしてある綺麗なリボンです。


「可愛い‥‥。」


お爺様を呼ぼうとキョロキョロしたら


「これをもらおう」


殿下がリボンを購入していました。 


「おっと、男前だね。サービスでチロリアン刺繍のリボンも入れておくよ。」


気前のいいお姉さんです。殿下に袋を渡されました。少し戸惑いましたが折角なので受け取りました。


「ありがとうございます。」


「これぐらい大した事は無い。寧ろ、宝石やもっと高価な髪飾りでなくてすまない。」


「いえ、これがいいです。高価な宝石もいりませんよ。それにここでしか買えない貴重リボンです。値段では、ありません。」


「値段ではないと?値段で物価の価値が決まるのではないか?」


「確かに物の希少価値、原材料なのど価値で物価の価値は決まりますが物価の値段が高いから欲しいとは別です。」


「我が、母上は値段が高いければ高い程喜ぶがな。」


「そうなんですか?それは値段が高いから喜ぶのでしょうか?お目が高いから高い値段の物を選ぶのでしょうか?例え安い物でも必要物は必要。高価な物王宮では必要です。来賓の方をお招きするのに敬意を持ってまたなさなければ行けませんからね。私にとってこのリボンは、普段使いで楽しむには必要な物です。私はまだ社交の場に出ないので高価な物はまだいりません。だからすごく嬉しいです。」


「そうか‥‥。高価な物が必ずしも欲しいものではないのだな。」


殿下って、こんなに物分かりが良く優しい人でしたか?


お爺様とお兄様が熊の物色が終わったようです。


「待たせてすまない。アレクとあの木彫り技法で次の商品を考えていてな。」


どうも、どこかの国から新しい技法の音がなる物を輸入することなったらしくその入れ物に細工をするらしくこの町の木彫りを取り入れようかと話をしていました。近くの食堂へ行きお食事です。小さな町ですのでレストランみたいな席ではなく一般庶民の方々も一緒の簡素な食堂です。

お爺様や兄様、殿下は慣れた感じで座ってます。殿下もですよ。


「リード様や兄様は、よくこういった所で、お食事をするんですか?」


「オーランド殿と過ごすようになってからは、こういった食堂しか来ていない。初めはビックリしたが慣れると中々、いい物だよ。」


「僕も、お爺様が討伐の時に寄る町とかで連れて行って貰うけどこういった食堂で食事をするのが楽しみなんだ。」


食事が運ばれてきます。見たことがある食材ですがこんな風に調理された物を見たのは初めてです。

肉の腸詰、サワークラフトというキャベツの塩漬け、じゃがいもとベーコンと玉ねぎとチーズで焼いたというレシュティと言う料理、じゃがいもやアスパラガスパンのうえにラクレットと言うチーズを溶かしたものをかけて食べる料理です。とても美味しい物ばかりです。


「ここは山の付近の町だから、畜産が盛んでね。乳製品とか肉が豊富なんだよ。乳製品は特に発達していてね。チーズも沢山の種類があるんだ。」


兄様が説明してくれました。チーズは長期保管が出来るのここのチーズは王都でも手に入るそうです。王都で高級品と売られてますがここで食べれば安く手に入るそうです。物価価値に興味があるようで殿下は真剣に聞いています。


お腹もいっぱいです。お爺様も兄様も討伐の度にこんな楽しい所に行ってたなんてずるいですね。私も討伐に参加できるようにやはり母様から弓と馬術を習いたいです。


名残惜しいですが、お爺様のお屋敷へ出発です。


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