王子様はどんな人?
お部屋に戻ってリサが素早く寝支度を整えます。そうです、明日からちょっとした旅行です。
「お嬢様、本日はしっかりと寝てくださいね。本も読んではいけません。」
ベッドに入ったのはいいけど眠れない。
ベッドの中で思う事は前世の事です。
前世で婚約者であった時の殿下と今の殿下は見た目は確かに同一人物であろう幼き姿ですが全くの別人に思えるぐらいに柔らかい感じがします。前世の殿下とは公務での挨拶ぐらいしかしなかったのでどんな人かよく分からないのが本当のところです。あっ、そういえば一度だけ話したことがありました。
あれは確かそう隣国なファルダ国の王太子殿下シャルダン王子が外遊でラウラ国に来られ、帰国の際の宴での事だったと思います。王太子殿下の側近でも中々の権利者の方々が大勢出席されていたので、ダンスやら挨拶やらで忙しかった事を覚えています。
なにせ、王妃殿下の方々は、好き勝手に雑談を楽しんでおりファルダ語が話せないのいい事に余興を楽しんでいらっしゃいました。
第二の主役のユーフリード王子、王太子殿下ですがまぁ、いつものように令嬢の方々と戯れておられます。
近い将来、結婚するには残念な方ですが今回のファルダ国の訪問は次の交易条約改正の前準備なので下手にユーフリード王子が出て下手な言い出されては困るので令嬢と戯れて頂けてありがたいと恐らく陛下も側近の方も私も含めて正直な気持ちです。
外国が得意である私は宰相殿の指示を受けながら老若関係なくダンスを踊ったり夫人達のご機嫌をとりとやっと休めらると思いきや、シャルダン王子にダンスを誘われ一曲踊らさせて頂きました。
ゲストの主役に誘われれば疲れたなんて言ってられません。
王太子は、背が高く難いが逞しく髪は赤髪の短髪、切れ長の眼で私と同じく深緑の瞳です。大国の王子様に相応しく見目麗しいお姿です。小柄な私としては踊るのでさぞかし踊りにくいでしょうが、そんな事思わせてないぐらいお上手でした。
曲が終わり、お辞儀をして広間に戻ろうとすると
「少しお待ちください。失礼。」
髪留めがズレてしまっていたらしく直して下さいました。
「私とした事がお恥ずかしいです。ありがとうございました。」
「貴方に婚約者がいるとは私もついていない。」
耳元で囁かれました。すぐさま王子は、先に広間に行ってしまった。
少し、驚いていると強く腕を引っ張られた。
ユーフリード王子が物凄い怖い顔をして、そのままバルコニー連れて行かれました。
強くうでを握り締められているのでとてもいたいです。
「何故、髪を触らせた!」
「えっ?髪でしょうか?髪留めを直して頂いただけです。特に意味はありませんが。何かお気を召さなかったでしょうか?」
「お前は仮にも俺の婚約だ。俺の言う事は絶対だ。いいか、一度しか言わない。髪だけは他の男に触れさせるな!わかったな!」
「‥‥はい。」
バルコニーに扉の前に令嬢が一人立っていた。
「イリーナ、行くぞ。今宵は物凄く気分が悪い部屋に戻るぞ。俺をたっぷりと慰めるのだ。」
何に怒っているのかは全く分からなかったのですが公務の挨拶以外で話したのはこれが初めてだったと思います。後は、私が死ぬ直前に投げかけ言葉です。
いまだに本当に意味が分かりません。
「今となっては謎ね。」
コンコン
扉をノックする音がきこえました。リサかしら?部屋に入って来たのは王太子殿下です。ひぇー、何しな来たのでしょう。
「すまん、驚かせて淑女の部屋に忍び込むのはいけない事は分かっているが、その‥特に用はないが、今、逃したら話せないと思ったんだ。少しだけ話しをしたら直ぐにでていく。」
殿下の顔が月明かりでよく見えます。情けない顔で犬のように許してって言う表情です。
10歳と5歳の子供、一緒のベッドで寝ててもおかしくない年齢です。まぁ、今日は、大目に見ましょう。
「まだ、起きていたのだな。もう、寝てるとおもった。」
寝ていたと思ってたのに部屋に入って来たのですか?
寝込みを狙って私を殺すつもりとか?本当に殺されたらいけないのでここは殿下が望むように少し話しをして帰ってもらいましょう。
「色々、考えていたら寝れなくなって‥‥。」
「何か悩み事でもあるのか?」
「いえいえ、私は家族にも恵まれていますので悩みはないですよ。そうですね色々考えてた中の一つは、王太子殿下がどうな国王陛下になられるのかなっと。」
「私が国王になったらと言うことか?」
「そうです。王太子殿下は、将来、国王陛下になられらのでしょう?どんな国王陛下になられるのでしょう?」
「分からないなぁ、ミュゼに出会って自分が何も知らない事を知ったしオーランド殿には自分がいかに何も力がない事を教えてくれた。今まで誰も教えてくれなかった。そのままで良いと周りの皆は褒めてくれたし持て囃されたし‥‥。では、ミュゼはどんな国王になって欲しい?」
「そうですね‥。賢王になって欲しいです。誰にも拐かされない。賢くて強い王様です!」
「賢王かぁ、ミュゼの理想はたかいなぁ。」
そうですよ。殿下が賢王になれば私の濡れ衣を被らされる事は、完全に無くなります。
「大丈夫ですよ。陛下には私と言うお友達がいます。非力ですが必ず賢王になれるよう力になります。」
「もし、賢王になれた時、私の願い一つ聞いてくれるか?」
「無理なお願い事でなければ。」
王太子は私の髪を一房とり唇に当てる。
「約束だぞ。」
と、言い残して部屋から出て行った。願いを聞き入れるのは賢王になれたら出すからね。
この時の私は前世の王太子しか知らなかったので、まぁ、無理だろうと思っていました。すっかり遅くなりました。リサに怒られます。と、深い眠りに付きました。
「お嬢様、朝です!いつもより早いですが起きてください!」
「リサ、おはよう。」
もう、朝なのですね。まだ、眠いです。目をゴシゴシ擦るとまたリサに怒られました。
「そんなに擦ったら目が腫れてしまいますよ。大旦那様に王太子殿下、アレク様は朝の稽古へ連れて行かれてますよ。昨日は直ぐに寝られましたか?」
目を釣り上げてテキパキと身支度をさせられます。流石、体は幼女です。夜更かしは厳禁です。
朝食を頂いて、目が覚めたと思ったら馬車に押し込められ出発です。
眠いけど楽しみです。




