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魔法使いの気持ち

「……凄い、ここまで」


 クレイは驚愕していた、たった数週間という期間でここまでの変化が現れるとは思わなかった。


「私もここまでとは思わなかったよ、涼太も驚いてたし彼らの努力の成果だろうね」


「というか涼太は涼太で底が見えないのだが」


 この旅でクレイも随分と話し方が柔らかくなってくれたな。


「涼太?そうだね、私も最初の頃は死にかけてたのとか見たけど途中から見なくなったなぁ。」


「涼太にも死にかけるような時があったんだな」


「本人曰く自分の底が見えるような相手と戦ったら俺なんて即死だって言ってたけどね。」


「そうなのか?」


 だから今回は本気の一部を出してたことを凄く悔しそうにしてた。


「本気を出さないで勝てるから傲慢でいられるんだよ誰よりも安全マージンを取ってる」


「安全マージンっていうのが大切なのか?」


「えっと安全の為に持たせる余裕、みたいなものかな」


 一番臆病でそのくせなんでも叶えたくて何でもできると思ってるだからあそこまで強くなった。


「勝てそうにない相手にも自分の望み次第で突っ込んでいくのはやめて欲しいけど」


 ハハハッと呆れを含ませて笑ってみる。


「シアン達も似たような所があるよ、それを止めるために私も強くなった。」


「そうだね、そろそろみんな起きるしやろうか。」


 装備を整えて二人で距離を取る。

 そうしてる間に気絶からも起き息を飲む気配を感じる。

 そして涼太の掛け声で火蓋が切って落とされた。


「始め!」






「《フレイムランス》《ライトニングランス》」


 楓の性格スキルは魔法を罠へと変える、時間をかけると罠が増えて私が不利になる、なら選ぶのは速攻戦。


「複数詠唱も上手くなったね《ウォーターランス》《アースランス》あとそこも《アイスランス》」


 複数詠唱を全て撃退、更には詠唱を省いた見え辛いウィンドランスすらも撃退される。

 魔法の数でも知識でも劣る、才能ですら負けている、引き出しの数を必要とする魔法使い同士の戦いおいてこれは圧倒的に不利。


「《フレイムボム》《フレイムボム》《フレイムボム》」


 何度も何度も爆発を繰り返させる、このくらいじゃあ倒せないことはわかってる。

 案の定、水の球体で自身を多い爆発から身を守っているのが見える。

 私の持つ彼女へのアドバンテージそれは長き時を生きる経験、そして精霊魔法だ。

 精霊魔法は精霊と対話し魔力を報酬として力を借りる、故に魔法みたいな定型がないだから知識で劣っても予測はされない筈。


「荒れ狂う爆炎よ集え」


 精霊と対話をしながら無詠唱と複数詠唱を用いて楓の動きを爆炎でとどめ飛んでくる攻撃も撃退する。

 楓が私に教えたのは魔法体系のほかにこの無詠唱と複数詠唱の両立。

 戦帝のみんなを守るためにたとえ一人になっても戦い続けられる力。


「炎を御し環境を操り灰塵にする業火を造りだしたまえ集え集え集え集え風精よ火精よ応えたまえ」


 風と火の精霊によってさっきまでの爆炎は全て集められ直径十数メートルの小型の太陽にすら見える、それは鉄すらドロドロにするくらいの熱さになっているだろう。

 楓その水の盾はどこまで耐えられる、今回は爆炎で逃げ場はないぞ。


「《フォールフレア》」






 あちゃー、爆炎の対処に手間取っちゃったか。

 いいよ、勝負してあげる。

 涼太も奥の手を一つ出したんだから良いよね。

 これは私の純火属性魔法最強の技


「《ネオプロミネンス》」


 ほんの十センチ程の深紅の玉が愚かにも太陽へと突き進む。

 そして徐々に加速していったそれは遂に太陽にぶつかり罅が入り砕け

噴出する深紅の炎が太陽を飲み込んだ。


「勝負あり‼︎」


 クレイは惚けて尻餅を付いている。

 そこに歩み寄っていく。


「自信があったんだろうけど注意が魔法に行ってたよ、風属性魔法が見にくいとはいえボーっとしすぎ。でも良かったよお疲れ様」


 これで私の授業もひとまずは終わりかな。


「負けちゃったのか、分かってたんだけどな……」


 落ち込んで視線が下を向いた。

 そこに小柄な影が飛び込んできた。


「凄い!私達も強くなってると思ってたけどクレイはそれ以上ニャ‼︎」


 コロネちゃんが凄い頬を擦り付けてクレイに甘えてる、和む。


「俺も驚きました、一人で精霊魔法の隙までカバーするとは」


「いやほんと、俺たちも強くなったと思うんだけどなそれ以上だよ」


 ランクスとシアンも近寄り手を差し伸べている。

 良いパーティを持ってるね、これから頑張れ。


「随分とスパルタな練習をしたんじゃないか?」


「涼太には言われたくないよ、チラッと見たけど出来なきゃ死ねとか言ってたじゃない」


「避けれる程度にしてるんだよ、限界ギリギリの一歩先くらいが一番練習になるんだ」


 あ、わるーい顔してる。


「よくそれで私にスパルタなんて言えたね、こっちはあくまで授業ですぅ」


 相当量の宿題を移動中にもさせたけどそれはノーカンだよね。


「じゃー戦帝はこれから動きを合わせる練習をするってことで良いよね、じゃあおやすみ〜」


 魔法で作ったお風呂に入って今日は終わり、明日には王城のある町につくみたいだしね。

 それにしても涼太は寝るのほんとに早いなぁ、まぁ寝れるときに寝とかないと厳しい場所にいたからね。

 ……もうちょっと緊張してくれてもいんだけどな。

戦闘描写がうまく書ける人が羨ましい。

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