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修行と成果

 俺はシアン、Aランクパーティ『戦帝』のリーダーをやってる。

 自分で言うのもなんだが割と強い……筈なんだが。


「ちょっとまて!涼太、死ぬ!死ぬ‼︎」


 迫りくる石礫に殺されかけてる、スピードは攻撃魔法のストーンバレットと同等だ。

 これエンチャント付けて投げてるだけだぜ、信じられねぇよ。


「そうか死にそうか、ならよく見ると良い、当たっても楓なら多分治せる。」


「多分ってなんだよってかそれ即死したら治せないよね、当たりどころ悪ければ死ぬだろ」


「嫌ならよけろ、出来なきゃ死ね」


 慈悲がない。

 いや正確に言えば慈悲はある、ギリギリほんとギリギリ避けられる速度と量が常に飛んでくる。

 故にサボれず生存本能が死力を尽くして身体を動かす。


 この限界を見極めてする修行を三人同時にやっている。

 とにかく最初は目を鍛えろと言うことらしい、見て予想して盗んで避ける。

 たった一度戦っただけで俺の斧術を真似て見せられた時は驚いた。

 本人曰く完全には真似れなくても他の経験からある程度は補強出来るらしい。

 それらを可能にするために相手の行動を見る、それが涼太の使う『先読み』『未来視』の正体だ。


「石を見るな、俺の動きを見ろ!次どう動くかを想像しろ、その上で動け‼︎」


 ま、正体がわかったところでそうそう出来るものでもないんだがな。






 シアン達に指導を始めてから暫くたったが戦闘経験も長く覚えが早い。

 特にコロネなんかは獣人の五感を用いて他の2人より被弾が少なくなってきているな。


「よし、そろそろ次の段階に移るぞ」


 全員武器を持たせず三対一で模擬戦をする。

 その際をしっかり観察眼を鍛え近距離だからこそ見える筋肉の動き視線、その他足の向きなどを意識させつつ体術を見せる。

 正直言って俺は人に教えられるほどの人間じゃない、だからこの世界で戦い続けてきた戦帝には見て学ばせる。


「そこの動きは余計だ、狙いが露骨に行動に出てる!相手の重心を見ろ、動きの流れを止めるな‼︎」


 転がし、投げ飛ばし、打ち付け俺の知り得る体術を全て出し切る。

 始めこそは全員遊ばれるようにされていたが少し慣れ始めこの旅が終わりそうになる頃には苦戦を強いられるようにすらなった。

 まぁ負けてないがな、一度も負けてない上に負けそうな気配すらもないがな。


「あー、良くやった正直ここまで早く覚えるとは思わなかったわ、俺が教えれるのはここまでだ、あとは体術を自分のスタイルと武器に合わせていけば良いと思う。」


「ありがとう、依頼受けてくれて。報酬はきっちり払わせてもらう本当に感謝してる。」


「私も感謝してるよ、はーぁ、途中まで調子よかったのにシアンに先越されるなんて思わなかったよ。」


「一応このパーティーのリーダーだからな、そう簡単には負けねぇよ、涼太ありがとな」


 真面目な感謝を述べるランクスや明るく軽快なシアンとコロネ。

 それにしてもシアンは流石リーダーというか近距離戦でコツを掴んでからスキルにするまでは本当に早かった、途中から俺とシアンで教えるくらいだったしな。


「そういや涼太は報酬は何が良いんだ、楓が決めるのか?」


 魔族の交渉の件を見ているシアンだ、リーダーとしても心配なんだろうな。


「心配するな、そこまでたいしたことじゃないぞ、帝国で良い鍛治屋と武器屋の紹介でもしてもらおうと思ってな」


「えっ、マジで⁉︎そんなので良いのか?」


 今回で自分にも見直すべき所も見つかったし割と有意義な体験だったからな、あと


「俺は多数の武器を使うから良い鍛治士とか武器屋を知っときたいんだよ」


「そういうことなら任しとけオススメの場所を紹介してやるよ。」


「サンキュ、とりあえず今日はもう寝るぞ明日は楓達の方の進捗を見せ合うことになってるからな」


 翌日の夜、初日と同じように6人で集まった。


「えっと、楓の方はグロニアの魔法体系を教えたってことでいんだよな」


「そうだね、本人のやる気も凄かったからほとんど覚えちゃったよ。」


 え、マジで?確かグロニアの書庫って100冊以上の辞典かよ!って本がなかったっけ。

 楓が異常なのかクレイが異常なのか……両方か。

 戦帝の方は四人で苦痛を共有してるように見えるな、愚痴りたくもなるか。


「そうだな、じゃあクレイは楓と、シアンランクスコロネは俺と戦ってみるか?見せた方が早いだろ」


 強くなった所で悪いが俺相手に魔法使いは実力どうこうじゃなく完封される、無限の魔力で押し切らない限りはな。

 楓相手の近距離戦もそもそも近寄れない上に近寄ったら大量の罠に囲まれる。


「じゃあ俺達からで良いか?」


 初日の意趣返しがしたいのか随分とシアン達が積極的だな。


「了解。やるか、楓合図を頼む」


 「始め」の合図と同時にランクスが盾を構えて突っ込んでくる。

 ランクスが俺の攻撃を受けながらシアンが攻撃、コロネが不意を撃つ。

 初日に戦った時と変わらない戦法、だが一つ一つの練度が段違いに上がっている。

 一つの体術を中心に技を組み立てることで互いの動きにより詳しくなり合わせ易くなっている。

 観察眼を鍛えたおかげで攻撃を避けれることが多くなりさらに自分のどこを見られているかも分かったおかげで視線や動きといった今まで無意識下の部分にすら嘘を交えてくる。

 多種多様な武器を使い歩法を織り交ぜ戦いの択を作り続ける。


「随分と強くなったなぁ、ほんと連携が不完全でこれってどういうことだよ」


「涼太には手の内を見せてもらったからな、師を超えるのが弟子の務めっていうだろ」


 シアンの斧が目前を通過する、それに対し槍を出して左手で突くもコロネが体を捻じ込んで短剣で流す。

 追撃をしようと大槌に変えるも先に突っ込んできたランクスにそれを振るう。

 しかし所詮は左手で振るったもの、大盾で受けられ返しに剣が突き込まれるも回避して飛び退く。


「じゃああと一個見せてやるよ俺の奥の手だ《エンチャントフレイム》《二重付与《デュアルエンチャント》ライトニング》」


 分解と反転を使わない範囲での俺の奥の手だ。

 炎が俺を包み込み雷が迸る。


ふぅ


「これで、終わりだ‼︎」


 雷で加速して3人を攻撃した。


 筈なんだがな。


「隙ありニャ‼︎」


「はぁ‼︎」


 ランクスが受け切ったのか。

 マジかぁ、あーぁ。


「油断すんな」


 解除していなかったエンチャントで二人を気絶させる。


「あんなバカでかい隙を晒す訳ないだろ、大技のあとでもな」


 ま、かなり惜しかったな残念。


「と、こんなもんだ、楓回復してやってくれ。」


「凄く強くなってるじゃん、分かった」

今は月曜日の25時って事ですよね



ほんとすみません許してください

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