探索や考察をしても足らないものもある
なんか地面がやけに柔らかい、てか俺は今どこにいるんだ?
意識がまだはっきりしない状態で目を覚ます。
「あ、起きた。おはよう」
??
「誰?」
「私だよ白波 楓、名前忘れちゃった?」
そういえば王城から脱出したんだっけか、確かその時に結界を魔力に分解しようとしてその情報量に押しつぶされたと、ならここはダンジョンか。
「とりあえずさっさと出ましょう、出来るだけ早く国を出たいです。」
「うん、けどなんで敬語?同級生なんだし普通でいいよ、しばらく一緒に行動する事になるだろうし。」
「はあ、分かりまし……いや、分かった。で、入り口はどっちだ?」
「それなんだけど、私は転移先はダンジョン入ってすぐの所に作ったんだよね、光輝達と入り口で話してたの見たでしょ?」
ん?
ああ、あのグループってこいつの所か。
「なら位置がずれたんじゃね、かなり長距離だったんだろ?」
「うん、そうなんだけど私に限ってそれがあるかなあ?」
「大した自信だな、そういえば今の俺らのレベルじゃここまでの転移なんて明らかに魔力が足りないだろ、スキルかなんかなのか?」
「ああ、説明してなかったね。なら軽くお互いのステータスの確認しよっか、ダンジョン内でどう行動するか決めときたいし」
「とはいえステータスプレートは提出したし口頭でいいか?」
「じゃあ私から言わせてもらうよ。
私の性格スキルは『悪戯者』魔法を罠に出来るよ。
スキルは『無限の魔力』MPが無限になるスキルだね。
使える魔法は攻撃、補助、阻害の三種類だよ。」
「へぇ、かなり凶悪な組み合わせだな。魔法はいつ覚えたんだ?授業は1人一種類だったろ?」
「私はスキルの時点で魔法職が確定してたからそっちを重点的に鍛えてもらったんだよ、あと私物覚えいいから。」
「そうなのか、俺は近接かな
性格スキルは『我道』自分の為に行動する時に状態異常が無効化されてステータスが上がる。
スキルは分解、半径一メートル以内の生物以外を分解できる、ただレベルが上がると範囲は広がるみたいだから今は1.3mくらいだな。
使える魔法は付与だけだ。」
「ならしばらくは私が後衛、君が前衛でいいかな、じゃあ探索を始めよっか。」
それから俺達はダンジョン内を記憶を頼りに探索した。
ゴブリンに関しては今は棍棒持ちしか出てこないから素手にエンチャントしたり石投げたりで問題はなかった。
白波に限っては魔法で迎撃してるし余裕そうだ。
だが何かがおかしい主にダンジョンの様子だ、俺が寝ていたせいで時間がわからないがまったくもって人の気配がしないのだ。
「なあ、俺はどのくらい寝てたんだ、もしかして今が深夜だったりするのか?」
「寝てたのは1時間くらいだったと思うけど、それがどうかした?」
「さすがに人気がなさすぎないか、その時間帯なら朝とはいえもっと人がいると思うんだが。」
「それもそうかな、おかしいと言えばやっぱり私の記憶では転移したところに入り口があったと思うんだよ。」
「そんな気はしなくもないが実際のところ階段はなかっただろ?時間経過で内部が変わるんじゃないか?」
「そんな筈ないよ、この道も覚えてるし階段への行き方も来た道を戻るだけのはずだよ。」
「でもこのダンジョンについてとかそもそも情報がないしな……あっ、そういえばこのダンジョンについてブラッドさんがに何か習わなかったか?」
「え、なんで私が知ってると思うの?」
「いや、魔法を重点的に習ってたならブラッドさんと話す機会も多いんじゃないかと思って。あの人にこの世界のことを教えてもらってただろ?」
「うーん、何かあったっけ。」
「なんでも良い、このダンジョンのこととか王城の結界とか、あと転移魔法のこととか何か思い当たることはないか?」
「そういえば転移魔法を習った時にたしか……使い勝手の良い魔法だけど誓約とか妨害が効きやすいとかなんとか言ってたような、でもしばらくは関係ないだろうって流されたけどね。」
「なら俺達は転移してきた時に何かしらの妨害を受けて初めてのダンジョンとは違う所に来たってこと?」
「そうとは限らないけどね、もしかしたらダンジョンの構造自体が迷わせるために似たような場所を用意したりしてるのかもしれないしね。」
なかなか面倒くさい事になったな、そもそもの情報がなさすぎる。
「とりあえず探索を再開しよう、簡単にだがここの地図が作りたい。」
「でも紙とかないし難しくない?さすがの私でも全部は覚えれないよ。」
「うわぁ、自分の記憶力に相当自信を持っていらっしゃる。あと紙は持ってる、非常事態の時用に紙とかペンとかいろいろポケットに突っ込んでる。」
「用意良すぎない?こうなることがわかってたみたい。」
「元厨二病を舐めるな、この程度の事はあるかもしれないからある程度の対策はしている。」
「へえ、じゃあ紙とペン貸してここまでの地図すぐに描いちゃうから。」
「記憶力は本当にいいのね、といっても紙に余裕もないし消しゴムもないから気をつけてくれよ。」
「分かってるって……っと、こんな感じかな、出来たよ。」
「じゃあ再開するか、適当な場所でまた地図描いてもらうから探索中は警戒の方を頼むぞ。」
「分かってるよ、不意打ちされちゃ堪らないからね。じゃあいこっか。」
そんな感じで探索を開始した、しばらく歩いて大部屋の隅で俺が警戒しながら地図を描いてもらうを繰り返してついに地図が完成した。
地図にはだいたいの情報が描かれている宝箱が一つ、食料になりそうな植物の場所がいくつかに階段が一つ、主な情報はこれだけだった。
そう、必要な情報は揃ってる、食べれる植物なんかは鑑定盤で調べたらすぐわかった、なんなら出たあと売れば金になるだろう宝箱もあった、まあ罠とかの警戒で開けてないけど。
何はともあれ情報は揃ってるのだ、たった一点、階段が一つしかないことを除けば、もっと言えばその階段が下りであることを除けばだ。
「どうするよこれ、下るの?」
「でもこれってただダンジョンを進むだけだよね、下って正規ルートに入るとかはないでしょ。」
「でも下るしかないのは確かだろ、どうする?」
「……とりあえず宝箱開けようよ、ブラッドさんの話だとポーションとか装備とかあるみたいだし。」
「それもそうか、正規ルートに入ればそのまま売ればいいし、戦力の増強にもなるな。あとこのまま素手もきついからな装備が欲しいもんだ。」
「そうだね、ステータスプレートは提出しちゃったから装備も呼べないしね。じゃあ宝箱のあった所に戻ろっか。」
「ああ。」
割と絶望的な状況だなぁ、はぁ楽に生きたい。




