GrandKing ⑩1/3
■皇崎学園第三エリア内レストラン『ディネイリア』
2人の青年がこの店に訪れた。
店員に二人用テーブルに通され青年ふたりは席に着く。
「で、どれが目当てなんだっけ?」
「ガトーショコラだよ、ほら書いてるじゃん【エンペル・スイーツ金賞受賞】って」
赤レンズのサングラスを掛けキャップを被っている青年にもう一人の白いパーカーを着ている青年がメニューウィンドウを見せた。
「お〜ほんとだ」
「ネットのクチコミだと飲み物は自家製ダージリンティーがめっちゃ合うって書いてあったんだけど、どうする?」
「あぁ、じゃあ一緒に頼もうか」
「うし、カイトはダージリンティーとセットね〜俺は〜・・・ミルクティーにしよっかな」
と、言いながらパーカーの青年はポチポチとメニューウィンドウを操作し、注文を送信させた。
「このお店、なんか他のお店と違うと思ったら、テーブルに『ワープリング』が無いな」
「うん、多分だけど。このお店"近古式のサービス体系を売り"にしてるんじゃないかな?ほら、ウェイトレスにヒューマノイドがいないし」
ヒューマノイドとは、一般的に人型の人工知能搭載アンドロイドロボットだ。容姿は人間に完璧なまでに寄せて作られているが、首にUSBコネクタがあり、それで本物の人間と見分ける事が可能だ。
青年に言われて、カイトが店内を見回す。
確かにカイトが見えた範囲では店内を歩くウェイトレス達の首にUSBコネクタは見えなかった。
「本当だ"人しかいない店"とか珍しいな」
「その"珍しさ"もこのお店の売りなんだろうね。」
「それで、本題なんだけどさ」
パーカーの青年が続ける形でカイトに切り出す。
「これを見て」
パーカーの青年がカイトにスマートリングから投写したウィンドウをカイト側に表示させてみせた。
「んー・・・未確認の魔竜が複数体、皇崎学園の上空に出現と・・・」
パーカーの青年が見せた画面にはニュース記事の文章と添付された写真が表示されている。
「第五エリアと第六エリアで見つかったんだ、あそこらへん最近魔物の出生多いね」
「その魔竜達のランク、一番高い個体でランクUSなんだよ、学園内で出生した魔竜どころか全ての魔物史上最高ランクなんだ」
「ふーーん。で、これを討伐しようと?」
「うん、まだ出現してから一日しか経っていないし、まだ討伐報告も発表されていない。高ランクだから得られる、魔力値も大きい。今持ってる魔法のレベルが大幅に上昇させられる筈だ。そしたら・・・」
「キャーーーッ!!!」
パーカーの青年が話している最中、突如誰かの悲鳴が聞こえ、2人は悲鳴が聞こえた方向へ反射的に振り向いた。
振り向いた視線の先には、突如出現した黒い物体が空中に浮き、ゾワゾワと変動している。




